2013/10/15

トドラ渓谷とアイト・ベン・ハッドウ / Todra Gorges & Ksar of Ait-Ben-Haddou

前回、メルズーガに行った時のことを書いて満足したままで、実はその後に訪れたトドラ渓谷とアイト・ベン・ハッドウ、そして途中で立ち寄った任地グルミマでのことを書くのを完全に忘れてました・・・。

イギリスからモロッコに遊びに来てくれた私の親友Jayと一緒に、メルズーガに行った後は、とりあえず私の任地であるグルミマに一日だけ立ち寄りました。そこまで見所が多いわけではないのだけど、私が活動している場所だということで、どうしてもグルミマも見たかったようです。

まずはちょっとだけグルミマ市内を散策して、その後は私の通勤路にあるクサル(要塞化された村)の1つであり、この近辺では一番最近修復されたクサル(グルミマクサル)に寄って、Jayにクサルの様子などを私が知る範囲で説明。そうしたら、いつも私が通勤路で会うRachid(自称クサルのガイド)が、「外国人観光客がやってきてガイドとしてクサルを案内すれば、良い金儲けのチャンス」と思ったのか、私たちのところにとことこっとやってきました。でも、私がいる姿を発見したら、「なんだ〜、Aichaじゃないかー。君がいるなら僕の案内は必要ないねー」みたいなことを言ってました(笑)。

でも、なんだかんだ言って堪能なフランス語でJayにクサルの説明をたくさんしてくれて(Jayもフランス語はペラペラ)、私も知らなかった情報が結構盛りだくさんで聞けました。Jayも満足したようで、Rachidにお金を払っても良いくらいだ、と言っていたけど、さすがにRachidも私の前でJayにお金を要求するのは気が引けたようで、「お金は必要ないよ〜」と笑顔で言ってくれました(私がグルミマに来て初めてRachidに会った時は、「案内料金は20~100DH(約200〜1000円)だよ」とか言っていたくせに・・・笑)。
クサルの一角にあるドア。
一見ちょっと派手なドアだけど、
実はこの地域の歴史や文化の様子が詰まって
描かれている。
クサルの裏庭にある、住民たちの共有の駐「ロバ」場。
いつもはロバしかいないのに、なぜかこの日は牛もいた・・・。
収穫の時期を迎えたツマル(ナツメヤシ)を
たくさん背負ったロバくんと
グルミマのランドマーク的なテーブルマウンテン
(私の勝手な命名)


そして、私の活動する女性団体を訪問したり、同僚の女性の家にお邪魔して、お昼ご飯をごちそうになったりして、グルミマの様子をある程度満喫してもらった後には、グルミマから西に向かい、トドラ渓谷へ。


トドラでは、以前からお世話になっている日本人女性のり子さんが経営するオーベルジュに一泊させていただきました。渓谷についた頃には日が暮れかけていたので、ちょっとだけ渓谷の方まで散歩して、その日は美味しい日本食(親子丼)を頂いてゆっくりしました。同じオーベルジュに泊まっていた日本人バックパッカーの1人が、なんと過去にジブチで協力隊員だったということがわかり、おまけに彼女がスーダンに最近行ったときには、なんと私の同期のスーダン隊員と偶然出会っていたことが発覚して、びっくり!世界は狭いものですな・・・。
渓谷のすぐ近くで夕暮れ時にサッカーしている子どもたち


翌日は、オーベルジュの間下に住む羊さんの鳴く声で起こされましたが(笑)、窓を開けると目の前に広がるトドラ渓谷と、空気の新鮮さに改めて感動・・・。美味しい朝食後は渓谷まで歩いて行って、あたりの景色を楽しみました。



そして、バスに乗ってカスバ街道沿いを更に西へ進んだところにあるワルザザードという町へ向かいました。ワルザザードの郊外には、映画「アラビアのロレンス」や「ハムナプトラ」など多数の映画のロケ地となった世界遺産のクサル、アイト・ベン・ハッドウがあります。

ワルザザードに着いて、ホテルにチェックインして、日が暮れる前にアイト・ベン・ハッドウに行かなければならなかったので、思いきってタクシーをチャーターして、ワルザザード市内からアイト・ベン・ハッドウへ。途中、別のクサルで写真ストップをしてもらったりして、約30分程かけてやっと目的地へ到着!























クサルに着いた頃には、写真で分かる通り、もう既にちょっと日が陰って来てしまい、あまりいい写真に収められなかったのが残念ですが、その代わり、クサルのてっぺんまで登って見渡した辺りの景色と夕焼けはとても綺麗でした!


ここにはもともといくつもの家族が住んでいたそうですが、今はこのクサルも世界遺産となり観光地化していることや、老朽化が進んでいることもあってか、5家族しか住んでいないようです。偶然、そのうちの一家族のお家に招待され、お茶を頂く機会がありました。グルミマでボランティアとして活動していることなどを話したり、片言のベルベル語を話したら喜んでくれて、「今度こっちの方に遊びに来ることがあれば、また寄って行きなさい」とお父さんが言ってくれました。

クサルの猫

まだここに住んでいるベルベル人家族の家の入り口

ベルベル絨毯を作っている途中の様子

ちなみに、クサルのてっぺんで夕焼けを見て、もう辺りの景色も暗闇に包まれ始めた頃に、再びこの家族の家の横を通ったら、彼らの家には電気が通っていないようで、ガス燃料を使ったランプで家の中を照らしていました。「不便じゃないの?」と聞いたら、「特に問題ないよ」とお父さんが語っていました。

電気がないし、しょっちゅう観光客が自分の家の横を行き来するような場所に住んでいるこのベルベル家族の一家。それでも、ここに住み続けることには何かしらの意義を感じて暮らしているようです。そんな一家が住むアイト・ベン・ハッドウは、なんだかとても不思議な魅力を持っているように思えました。

私の任地を含む、エルラシディア〜ワルザザード間のカスバ街道沿いには、アイト・ベン・ハッドウのような、ベルベル人が築いた日干しレンガ造りの要塞化した村がたくさんあります。もっとベルベル人の文化や歴史を理解して、彼らの生活をもっとたくさん垣間みてみたいなと思いました。

そんなことを感じながら、アイト・ベン・ハッドウを後にし、ワルザザードの町に着いてから町を簡単に散策して、Jayと一緒に最後の晩餐。次の日には彼はマラケシュ経由でカサブランカに、そして私はまた元来た道をカスバ街道沿いに戻って、任地グルミマへ帰ることが決まっていたので、長々といろんなことを話しました。

翌日は無事にJayはマラケシュ経由でカサブランカに到着し、私も任地グルミマに無事到着。

1週間と短い期間ではあったけど、わざわざイギリスからモロッコまで会いに来てくれた親友のJayに感謝!こういった機会がないと、私自身もモロッコ国内を旅行する機会がなかったりするし、こういった旅行を通してモロッコの魅力を色々見つけることができるので、本当に良い経験となりました。

ということで、今後は年末までは任地を離れる予定はしばらくないので、本業である活動に専念して参ります!

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