2014/11/28

ボシャルウィットのこと / About boucherouites

「ボ・シャルウィット」とは、モロッコの田舎で伝統的に作られてきたリサイクルラグのこと。なんでリサイクルなのかというと、いらなくなった服 を裂いたり、仕立屋さんから出る端切れを使ったり、古いセーターから糸を紡いだりして、ラグとして生まれ変わるから、海外ではリサイクルラグとも言われています。寒さを凌ぐためにラグが必要だけど、新しいラグを買うお金はない・・・という背景から、このようなリサイクルラグが作られるようになったようで、今でも多くのモロッコ人の家庭 では使われています。



じゃあ「ボ・シャルウィット」という単語はアラビア語でリサイクルラグを意味するのかというと、そうではありません。「ボ」はアラビア語で「主」などという意味を持ち、「シャルウィット」は「端切れ」を意味しているので、直訳すると「端切れの主」みたいになるのかもしません(笑)。でもモロッコでは一般的に端切れや古い毛糸を利用したラグのことをこう呼びます。

私はこのボシャルウィットに前から興味があって、協力隊でモロッコに赴任することが決まる前から確かボシャルウィットやモロッコ雑貨のことはネットなどチェックしていた気がします。でも実際にボシャルウィットのことを色々調べ始めたのはモロッコに赴任して実物を活動先の集落の家々で見た頃からかと思います。
晴れた日には、色とりどりのボシャルウィットたちが
土壁の集落を飾る 
隣町ティンジダッドにある博物館で見た
アンティークボシャルウィット① 
隣町ティンジダッドにある博物館で見た
アンティークボシャルウィット②
活動先集落のお家で見た超可愛い色合いのボシャルウィット
よーく見ると、細かく裂いた端切れが使われているのが分かる

グルミマ赴任当初から活動先集落のいろんな家で、色とりどりの可愛いボシャルウィットたちを見ては「私も自分用のボシャルウィットが欲しい!」と言うと、活動先の女性たちは「私たちは作り方を知っているから、日本に帰る前に作ってあげるからね」と言っていたのでした。

早く作ってもらいたいから、とりあえず必要な材料(縦糸、端切れ)を調達することから始めました(笑)。縦糸を買って、グルミマにあるモロッコの伝統服やドレスなどを作っている仕立屋さんを数件廻っては、「端切れ(シャルウィット)はありますか?」と聞いて、ちょっとずつある端切れをもらっていたら、ある日一軒の仕立屋さんから、 どーーーーんと超デカい袋に入った大量の端切れをもらいました!!(確か2013年の秋くらいだから一年以上前、笑)。
水色の袋は全部端切れ!これだけで10キロくらいはあった気がする・・・。
その左にある複数の袋も全部端切れ(笑)。

でも活動先の女性たちは、日頃からベルベル刺繍の商品作りで忙しいので、ぶっちゃけ私のためにボシャルウィットを作っている暇なんてないくらいだったのです・・・。

なので、まあ帰国前までに1〜2枚作ってもらえればいいやー、なんて思っていたら、それはちょうど10月上旬頃、いつもの通りに活動先集落(Kとする)のアソシエーションの女性リーダーのお家へお茶に行った時。たまたま裏庭にあるパンを焼く台所のようなところを覗いたら、なんとお母さんとリーダーの妹さんが、ボシャルウィットを作っていたのですーーーー!!

とは言っても作っていたのは別に私のじゃなくって、自分の家用のもの。彼女たちが使っていたのは端切れではなくて古い毛糸でしたが、作り方は端切れを使った場合と同じ。

作り終わったラグはこんな感じで素敵にリビングにて使われていました☆


思わず興奮して、「私もボシャルウィットが欲しいのー!」と言ったら、「じゃあこれが終わったら作ってあげるわね」と言ってくれました!

そして、数週間後に同じお家に行ったら、私のラグの作業が始まっていました!

おみくじのように、端切れを縦糸に結んでいく
横糸(布)をトントンと叩いて縦糸の間に押し込むための道具「タスカ」

せっかくだから作り方を教えてもらおうと思って、2時間くらい一緒に作業したけど、ずっと前屈みなもんだから、腰が痛くなってしまいました・・・。お母さんは全然へっちゃらな顔をしてました(笑)。

そして一週間後に出来上がったのがこの作品!!!
約85x110cmの大きさ

ちょっと注文したサイズよりも短かったのですが、とっても可愛い仕上がりなので、大満足!ただ単に全く知らない人が作ったのではなくて、私が日頃からお世話になっている家庭のお母さんが作ってくれたので、とっても親近感が湧くし、自分にとって活動先集落の良い思い出になります♡

ちなみに、端切れで出来たボシャルウィットはその時に手に入る端切れの色や布の種類、そして作る女性の気分によって、配色や素材が違ってくるので、全く同じ色合いの作品というのは二度と出来ないといっても良いくらいでしょう。
ドレスの生地の端切れが入ってたりすると、
キラキラとラグが光って可愛い!

あと私が個人的に思うボシャルウィットの魅力は、ラグ一枚一枚がその時のモロッコのトレンドが詰まった色合いとなるということ。私は個人的にグルミマの仕立屋さんから端切れをタダでもらってきているので、その時に手に入る布の種類は、その仕立屋さんがお客さんから受けたオーダーの生地の端切ればかり。下の写真のような、キラキラ入りの生地が端切れの中に入っていたりすると、ラグもちょっとキラキラが入った仕上がりになるので、嬉しい!
モロッコの結婚式などで着るドレス

やったー!念願のボシャルウィットが手に入ったー!!!おまけに作ってくれたのはいつもお世話になっているベルベル人のお母さん!!・・・と思って浮かれていたら、なんと活動先であるもう1つの別の集落(Gとする)の女性たちが、私が集落Kの女性にボシャルウィットを作ってもらったことを早速耳にしたらしく、「私たちもアイシャ(←私のアラビア語名)のために作るー!!」ってなって、今まではなかなか着手しなかったボシャルウィットを突然作り始めることに・・!(←結構集落同士のライバル意識があって、お互いの集落がどういう商品を作っているかとか気にする・・・。ある意味良い刺激になっていいかも、笑)。

 せっかくもう1枚作ってもらうことになったので、今度は違う柄にしてもらおうと思って、ダイヤ柄のをお願いしました。

作業中に、作ってくれた女性の家に2日に一度くらいの割合で様子を伺うために立ち寄ったのだけど、お母さんが息子のお嫁さんたちに作り方を教えたりしてて、世代から世代へボシャルウィットの作り方が受け継がれる姿があったのが嬉しかったです。


・・・そして2週間後くらいに出来上がったのが、こちら!!↓
約75x145cmの大きさ

これはまた四角の模様と違って可愛い・・・!
ちなみに、これは私へのプレゼントということで女性たちが無料で作ってくれたのです・・・。「何時間もかかったのだからその分の仕事量のお金を払う!」と何度も言ったのですが、「アイシャは私たちの仲間だから、私たちと同じだから、いいの。お金はいらない」の一点張りで、お金は受け取ってくれませんでした・・・。みんなに優しくされて、こんなに素敵な集落のお土産をもらって本当に幸せ者です・・・。


ちなみに実を言うと、同時に日本からの友人に頼まれて玄関マットサイズ程度の大きさのボシャルウィットと、同じサイズで自分用にもう1つ試作品を依頼していて、これらも最近出来上がり!
こちらが日本の友達から注文を受けて作ってもらった
ドアマットサイズ(ちょっと大きめの約60x75cm)
これは上と同じサイズの試作品。

ということで、今うちはボシャルウィットが4枚もあります!(1つは日本の友達に後日送りますが!)

どのボシャルウィットも色合いが派手!と思うかもしれませんが、私はこの派手さというか色んな色があるのが好きです。私にとって色んな色は多様性を表しているので、モノクロよりもマルチカラーの方が心や考え方がカラフルになります。

ここまでが、私が作ってもらったボシャルウィットたちのことと、その子たちに対する想いです。

今後のことですが、個人的にボシャルウィットが好きなので、その想いを活用して、今後は女性たちの現金収入向上にもっとつなげていけたらと思っています。

今までは地域の手工芸品開発ということでベルベル刺繍を中心とする商品開発を行ってきましたが、今後はボシャルウィットも商品のラインアップに加えることによって、今まではベルベル刺繍商品の製作に関わっていなかった女性たちも巻き込んで、より多くの女性たちの現金収入向上に貢献したいと思っています。

こうやってブログとかfacebookとかでボシャルウィットの写真をアップすると、ありがたいことに何人かの友人から、「私も注文したい!」という声を 聞きます。

もちろん注文はお受けします。サイズや柄などの希望があれば相談ください。

ただ、今後は私を通さずにアソシエーションの女性たちが独立してネットで国際的に販売できるように、今オンラインのフェアトレードサイト(英語)での販売に向けた準備を進めているので、私の活動先のアソシエーションがボシャルウィットの販売をサイトで始めたら、是非それを通して注文して下さい(事前のサイズや柄の相談は受けられるので、興味ある方は私に直接連絡下さい)。このサイトを活用することによって、女性たちの自立した販路確保に繋がります。私の任期満了となる頃までには、女性たちが私なしでもこのサイトを通して商品を販売できることを目指しています。

ちなみに既にベルベル刺繍マントは同サイトにて販売中なので、興味ある方はご覧下さい☆

あと残すところ私の任期も3ヶ月とちょっととなりましたが、現地のニーズに基づいて3ヶ月間だけ任期を延長することになりそうです。つまり、残すところあと6ヶ月ちょっとの任期です。

この6ヶ月間で、どこまで女性たちが自立して商品の製作や販売が出来るように持って行けるかが勝負となりそうです。近い将来、活動先アソシエーションの女性たちがボシャルウィットを上記のフェアトレードサイトで販売できるようになったら、またブログにて案内したいと思います。ここまで読んでくれてありがとうございました。今後も応援よろしくお願いします。

2014/11/15

日本文化紹介@エルラシディア&英語授業開始 / Introduction to Japan and English lessons

ブログの更新が最近あった出来事に あまり追いついてない感じですが、先週末は、エルラシディア市内にて、エルフードのナツメヤシ祭りで行った日本文化紹介に続き、フェスティバルにブースを出展し、日本文化紹介を行いました。

とはいっても私が参加できたのは、半日のみでしたが・・・。
本当は二日間ともお手伝いしたかったのですが、何しろこの週末からやっと去年も行っていた英語の補習授業が再開したので、 どうしても活動をお休みすることは出来なかったのです(詳細は以下に書きます)。
でも、エルラシディア隊員たちは土曜日と日曜日の二日間、フェスティバルにて頑張っていました!

今回エルラシディアで開かれたフェスティバルは、緑の行進(モロッコの祝日)とペタンク(スポーツの一種)の国内大会に合わせたもので、フェスティバルの一角で、エルラシディアやグルミマなどのアソシエーションのいくつかがブースを出展し、商品を販売したりしていました。

実は私が活動しているアソシエーションの1つも商品を出展していたし、グルミマにて活動していた先輩隊員の支援先だったアソシエーションも2つ出展していたので、なんだか嬉しかったです。こうやって自分たちで販売する機会を積極的に見つけて掴んでいくのは大事なこと。
私の活動先アソシエーションのブース

先輩隊員が活動していたアソシエーション①

先輩隊員が活動していたアソシエーション②

そして私たちJICAボランティアの日本紹介のブースはこんな感じ。

前回エルフードのナツメヤシ祭りで行った時は、来訪者がたくさんいて入場制限をしないとカオスになるくらいでしたが、今回のエルラシディアでのお祭りは規模がこちらのほうが小さいこともあってか、特に制限しなくても来訪者がゆっくりと見れるくらいでした。

そして今回はテントの中に大きなテーブルがあったので、それを真ん中において、その上に日本の伝統的文化を紹介できるような小物を展示しました。


箸体験コーナーでは、
ねずみ男姿(モロッコ伝統の服「ジ ェラバ」)の
オヤジが箸に挑戦!

私は日曜日の午前中しか参加できなかったけど、あっという間に時間は過ぎて行きました。活動先アソシエーションの代表や女性たちもブースを見に来てくれたから、ちょっとは彼ら彼女たちに日本のことを知ってもらえたなら嬉しいです。

この日はグルミマで午後活動があったので、急いで他のアソシエーションのブースも見てから帰ろうと思っていたら、なんと可愛い手織りのミニラグを発見!!可愛かったので速攻買ってしまいました!
ストライプのリサイクルラグにポンポンが付いてて可愛い!
早速玄関で使ってます〜☆
(スリッパのバブーシュは別で買ったものです)


そして急いでグルミマに帰ったのは、このブログの冒頭でも述べた、英語の補習授業が再開したから。去年からアソシエーションから依頼のを受けて、集落の学生たちに英語の補習授業を土、日でやっているのです。

ただ、今年6月末から学校は夏休みだった関係で、その間は授業は一旦お休みにしていて、新学期(新学年)になってやっと日程が決まったのでまた再開したのです。

土、日で合計3クラスで英語を教えてますが、一回目の授業はどのクラスもまずまずの人数(6〜10人くらい)。去年は時が経つにつれて徐々に生徒が減っていって、必ず来る生徒は毎週2〜3人とかっていう時もあったので、今年は生徒が減らないように、もっとレッスン内容を工夫しないとなーとも思ってます。

ただ、日曜日の2つ目のクラスでは授業を行う学校に入るための鍵の管理の問題があって、しょっぱなから学校に入れない(鍵が行方不明)から授業が開始できない、代わりの場所としてアソシエーションで急遽授業やろうとしたけど、鍵の問題でもたついてたら日が暮れて室内が暗すぎる(アソシエーションには電気が通ってない時がある)、なんとか電気つけてもらったけど、黒板も何もないからじゃあスピーキングの練習だけやろうと思ったら、生徒は落ち着きない男子ばかりでじっと座っていることが出来ない、、などちょっと大変でしたが(笑)、次回からはそういうことがないように、アソシエーションのメンバーには鍵の管理をしっかりしてもらいたいもんです。。。

ということで、英語補習授業が始まると、活動をしていない丸一日の休息日というのが 一週間のうち一日もなくなります(ただ、毎日活動は午後からなので、トータルで考えるとそこまでたくさんの時間を活動に拘束されるわけじゃないですが)。これからモロッコは寒さが増すので、風邪引かないように体調管理しながらボチボチ頑張っていきますー!

2014/11/11

アショーラ祭り、再び / Festival of Ashoura, again

去年のブログにも書きましたが、今年もグルミマ特有の「アショーラ祭り」に行ってきました!

アショーラとは、イスラム暦の新年から10日目の日のことを指し、この日の前後はモロッコ各地で子どもたちがお菓子やお小遣いをもらいに街を歩き回る習慣があります。この部分は少し西洋のハロウィーンの雰囲気と似ているかもしれません。

ただ、グルミマのアショーラ祭りはモロッコ国内の中でもかなり独特で、グルミマに昔住んでいたユダヤ人が持っていた伝統が発祥であり、それにこの地に代々住んでいるベルベル人の文化が混ざり合って出来上がった、ちょっと風変わりで不思議なお祭りが毎年開かれるのです。いつもアショーラの日の夜と翌日の夜の2日間に渡って、グルミマでは一番古く大きなクサル(要塞化された村)の前の広場にて開かれます。

ちなみに、JICAモロッコボランティアの機関誌「クラージュ」のお祭り人気投票では、なんと3位に選ばれたお祭りです!(笑)。私は実は別のお祭りに一票投じましたが、グルミマのアショーラ祭りに一票を投じた隊員は、よっぽど風変わりでシュールなお祭りが好きなんでしょう(笑)。

グルミマのアショーラ祭 りでは、確かに子どもたちが 街を練り歩いて大人にお菓子やお小遣いを求めたりする場面もありますが、それよりも目立つのはなんといってもハロウィーンのように怖いお面や謎の仮装をした子どもや若者たち!

お祭り1日目の夕方に活動先の集落からグルミマの街へ帰る途中、既にロバに乗って仮装をした男性を発見・・・。ちょっと気が早いですね。

本格的に仮装した人がお祭り会場にたくさん集まるのは、家族みんなでクスクスの夕食を食べた後からです。

この日は前から仲良くしているモロッコ人女性のお家に招待されていたので、そこにて、ピースコーボランティアや他の街からわざわざやって来たモノ 好きなJICAボランティアたちと一緒にクスクスを頂きました。


ちなみに中央にのっているのは、一ヶ月前の犠牲祭の時に犠牲になった羊の臓器・・・(コルダーツという)。去年も頂いたけど、あんまり好きじゃないので少しだけ今年も頂きました。

そして夜9時過ぎ。ピースコーボランティア数人と、モロッコ人家族数人と、JICAボランティア数人で、いよいよお祭り会場へ!

会場に向う途中の道は既に怪しい仮装をした若者たちばかり・・・!


会場に着くと既に結構たくさん人が集まってました。去年はクサルの中にギャラリーを持つアッディさん率いる音楽隊が、お祭りに出動する前になんだか不思議な空間に包まれながら仮装の準備をしているのを思い出して、早速夜のクサルに突入。
この怪しい雰囲気の夜のクサルが結構好き・・・

アッディさんとその仲間2人を発見し、ギャラリーに入らせてもらったけど、今日はどうやら演奏はしないようで、去年もかぶっていた巨大な顔のマスクをアッディさんともう1人の男性が被ってお祭り行くようだったので、私たちも彼らについて行くことにしました。




そして再び会場の広場に出ると、広場は人でたっくさん!仮装している若者たちからはお酒の臭いがする人も結構いて、ちょっと危険な雰囲気も漂ってましたが、しばらくモロッコ人友人とピースコーボランティアと一緒にお祭りの様子を見学して、途中で寒くなったので帰ってきました。
なぜかクマちゃんを抱えた人が・・・
ロバくんも乗り回されるばっかりで、
たまったもんじゃない・・・
なけなしのラジカセを持ち歩いて音楽流す人、
多数。
何かのビジュアル系バンドみたい・・・笑
なけなしのラジカセで音楽流して、円になって踊る仮装集団、笑。
シュールすぎる。。。
芳香剤や殺虫剤とライターを使って火を吹く人もたくさん


2日目も前夜一緒に行ったモロッコ人とピースコーボランティア数人で、お祭りに繰り出すことに。噂によると、1日目よりも2日目の方が音楽隊が出動したりしてお祭りの雰囲気は良いようで、2日目もアッディさんの音楽隊の様子を見に行こうと思ってクサルに入ったら、ちょうどアッディさんの音楽隊がクサルから出てくるところでした。

アッディさんたちの音楽隊が出てくると、広場にいた人たちはたちまち音楽隊を中心に丸くなって、地味な音楽だけどおそらく伝統的(?)な演奏を聞いていました。
アッディさんの音楽隊、出動
サックスが弾けるアッディさん、すごい!
(彼は音楽だけじゃなくて自分でアート作品も作っている)

去年は結構長い間音楽演奏してくれた気がするけど、今年は15分程で音楽隊の演奏は終了。過去にグルミマにいた先輩隊員も書いていたけど、アッディさんたちの音楽隊は伝統的なアショーラ祭りを保ちたいのに、最近のアショーラ祭りでは規律が失われ、若者のただの悪ふざけの祭りになってきていているから、今後は音楽の演奏は続けられるかわからない、と嘆いていました。
アッディさんのギャラリーの前にて
(この2人はアッディさんとは一切関係ない・・・)

アッディさんたちの音楽隊が去ってからは、他の音楽隊(?)が結婚式の時に演奏するような音楽を演奏して、 その場を盛り上げてくれました。

1日目程ではないけど、やはりお酒を吞んで祭りに参加している若者もたくさんいて(臭いで分かる)、そもそもイスラムではお酒を飲むことは許されないから、イスラム教徒である彼らが飲酒行為をするのは良くないことなんだけど、普段はおそらくこんな形ではしゃぐことはあまりない田舎街のグルミマのような若者たちにとっては、このようなお祭りは彼らにとってはしゃぐ貴重な機会なんだろうなー・・・と思いました。もちろん酔っぱらって人に迷惑をかけたりすることや、そもそもムスリムが飲酒することはいけないことなんだけど、やってはいけないことをやってみたくなるのが人間の欲望・・・、と思うと、お祭りではしゃいでいた若者たちが何だかとても人間臭く見えました。



2年間連続で見て来たこのシュールさ満点のこのお祭りも、もう来年は見る機会がないと思うとちょっと名残惜しくなりました。このなんとも言えないグルミマ独特のB級祭り、私はかなり好きです。

2014/11/09

日本文化紹介@ナツメヤシ祭り / Introduction to Japan @ Festival of Dates

先週は、エルフードという砂漠の近くの街にてナツメヤシ祭りが開かれ、JICAボランティアたちで日本文化紹介を行ってきました。

この日本文化紹介は、去年10月頃から開始したエルラシディアグループ型派遣の活動の一環として行っていることで、現在エルラシディア県内にて活動する4人(私を含む)の間で協力して、衛生、環境などの分野での教育を住民に対して行ったり、モロッコ人に日本のことをもっと知ってもらおうと文化紹介を行ったりしています。

エルフードは美味しいナツメヤシが取れることでもよく知られている、モロッコ南部の砂漠の近くにある街。この街では毎年10月下旬〜11月上旬に、国際的なナツメヤシ祭りが開かれるのです。今年は10月30日〜11月2日の4日間にわたってこのお祭りが開かれました。

私たちはそのうち3日間に渡って、お祭りの会場に設置されるブース(テント)の1つを貸し切って、日本文化紹介を行いました。

最初はあまり人がたくさん来ないかもねーとか言っていたのですが、文化紹介初日の夜から、私たちのブースはなんと大人気!!他のブースにはあまり人が入っていない中、私たちのブースだけは常に人で溢れており、入場制限をしないと中が大混乱になる程でした!
文化紹介初日の夜の様子

その人気の1つとなったのは、書道。半紙に来訪者の名前をカタカナで書いてプレゼントするというのがモロッコ人には珍しく、それだけを目当てに展示物は殆ど見ずに突入して来る子どももたくさん・・・。


おまけに、初日は人員として入っていたボランティアが全員女性、おまけに浴衣を 着ていたこともあってか、ブース内は気づけば男児や10代〜20代の男性ばかり・・・・!!!かなり近い距離で写真を撮ろうとする男性もいるし(←正直ヤダ)、おまけにからかい半分で来ている生意気な子どももチラホラいて、アラビア語での対応が大変でした・・・。

初日の教訓を経て、2日目はブースに入口と出口を作り入場制限をかけて、テント内も隊員がツアーガイドのように展示物を1つ1つ案内し、最後に書道コーナーに連れていって、名前を書いてもらったら退場してもらう、という 方法に変えました。これによってテント内の混雑や書道コーナーに直行する人たちはある程度解消されて、よりゆっくりと来訪者に対応することができるようになりました。
2日目の午前中の様子。
これはまだ空いている方。この後もっと混んできたのです!

それでも、テント内に入りたい人たち(特に子どもたち)がたっくさんいて、入り口にて入場制限を担当していた男性隊員は、満員電車に乗っているかのように体を張って入場制限してました(笑)。

この日はエルラシディア県内以外からも隊員がたくさん駆けつけてくれたので、書道、誘導、案内係など、役割配分を決めて協力し、無事に文化紹介を終えることができました!
展示物の一部①

JICAボランティアの紹介

お箸体験コーナー

展示物の一部②


私はずーっと一日中展示物をアラビア語で案内する係で(←任期が1年半過ぎたとはいえど、まだつたないアラビア語・・・)、ずーっと立った状態で案内していたので、終わった頃には疲労困憊でした・・・。
グループを案内中。
何気に自分の活動中の写真を紹介中(笑)。

JICAボランティアから日本語を学ぶモロッコ人学生たちも
協力してくれました!

子どもたちもたくさん!

3日目は人員に入れるボランティアも少なかったこともあって、文化紹介は午前中のみで終了。私たちが終わってテントも閉めた状態で片付けしていて、「もう終わりです」って言っているにも関わらず、わざわざテントの中を覗いて無言で侵入してくるモロッコ人(大人も子どもも)を何度も見かけた時には、本当にこの国の人たちの教養やマナーってどうなっているんだって腹が立つこともあったけど、とりあえず怪我や大きな問題もなく3日間で文化紹介が出来て良かったです!

3日間の私たちのテントへの来場者数は、約300人以上!(←忙しさから言うと、1000人くらいの人が来場した気もするくらい。)書道が書かれた半紙がもしかしたらどこかでポイ捨てされているかと思っていた私たちだったけど、一切半紙のポイ捨てはなかったので、みんな大切に持ち帰ってくれたのかなと思います。

モロッコでは、多くの人が「アジア人」=「中国人」と思い込んで、道端ではよく知らない人に「シノワ(中国人)」とか言われて、モロッコ隊員は皆この「シノワ」コールにうんざりしているのですが、少しは「アジア人」=「中国人」でなくて、「アジア人」=中国人、日本人、韓国人、ベトナム人、タイ人など、アジアにはいろんな国籍や人種がいて、それぞれ皆異なる文化を持っているんだということを少しでもモロッコ人に知ってもらえたら嬉しいです。

お祭り最終日には、残った隊員たちからちょっと遅い誕生日を祝ってもらったりして、久しぶりに他の任地の隊員たちと一緒に色々話すこともできたので、とてもいい気分転換になりました。
バースデーケーキ
何故かメッセージはスペイン語(笑)

実は今週末も、エルラシディアにて開かれるお祭りにて日本文化紹介を他の隊員と行います!私は自分の活動の関係で2日間行ううちの1日(むしろ半日)しか参加できないのですが、多くのモロッコ人に日本のことを少しでも身近に感じてもらえたらと思うので、明日行ってきます!