2015/02/28

グルミマから世界へ / From Goulmima to the world

少しずつ日中の寒さは和らぎ、太陽が出るとポカポカとする日が続いているグルミマです。

前回の投稿では写真を交えて、モロッコ国内旅行で見てきたモロッコの自然の美しさを紹介しましたが、今回は少し活動に関することを書こうと思います。

ちょうど去年2014年の4月に、モロッコの生産者たちが仲介者を通さずに直接消費者に公正な価格で手工芸品を販売することを支援するフェアトレードサイト「Anou」を、活動先アソシエーションに紹介して、手工芸品を作る女性たちが研修を受けました(その時の詳細はこちら)。

それから数ヶ月後の同年9月に、研修を受けた活動先のAssociation El Wifakのプロフィールが完成して、女性たちはAnouで自分たちの商品を販売し始めました(その時の詳細はこちら)。

そして、2014年4月の研修の時に都合の関係でメンバーがあまり集まれなかったもう1つの活動先アソシエーション、Association Najahも、無事に2014年11月に研修を受けることができて、先月1月には同アソシエーションも同サイトで商品の販売を開始することができました!

晴れて、活動先の両アソシエーションともAnouで商品の販売を開始することができたのです。

ただ、商品の撮影をしたり、撮った写真をネットにアップロードするなどの作業は、学校を中退してアラビア語の読み書きができない女性たち(全員がそうではないけど)にとっては簡単なことではありません。

手工芸の女性グループの中には幸い読み書きや計算ができる人もいるので、商品の撮影をしたら、読み書きのできる女性たちと一緒にネットカフェに行って、写真のアップロード作業などの補佐をしてきました。

そして無事にサイトにアップされた商品は、数日後にはAnouのウェブサイトにて公開されます。

果たして本当に売れるのか・・・、と心配ではありましたが、最近になって注文がちょくちょく入るようになりました!

これまでに同サイトで商品が売れて発送した国は、両アソシエーション合わせて、フランス、スペイン、ポーランド、米国、そして日本・・・!日本は私の友達からの注文なのですが、その他は一切知らない方からの注文です!)

そしてサイトを通して注文が入ったら、今度は発送の作業・・・。
でも、モロッコ国内はまだしも、海外になんて物を郵送したことがない女性たちばかりなので、どのように商品を梱包したらいいのか、どうやって書類を記入したらいいのかもわからないので、この作業も補佐するために私が同行します。

ちなみに、手芸グループの女性たちの中には、アラビア語の読み書きができない人もいれば、アラビア語は読み書きできるけど、フランス語(ローマ字)はよく知らないという人も多くいます。

海外に発送する時は宛先をローマ字で書く必要がありますが、多くの女性はローマ字が上手に書けないので、これまた一苦労です。。。
郵便局で郵送用の書類を記入する女性

ちなみに、上の写真の女性は小学校を中退したために、大人になって識字教育の授業に行くまでは、アラビア語の読み書きも出来ませんでした。だけど、最近になってまた識字教育の授業に通い始めて、今ではフランス語(ローマ字)や算数を意欲的に学んでいます。

彼女は最近なって私に言いました。「ローマ字や算数を勉強したら、Anouで注文が入った時にも宛先をローマ字で書けるようになるでしょ。それに商品のお金の計算もできるようになるし」。それを聞いて、なんだかとても嬉しくなりました。

初めて女性たちが日本にボシャルウィット(ラグ)を発送した時には、自分たちが作った商品が未知の国へ行くことにちょっとワクワクしていました(笑)。
日本にAnouを通して販売・発送したボシャルウィット(ラグ)

ここ最近では、注文が立て続けに入ったために週1回のペースで郵便局に女性たちと行っていたら、郵便局のスタッフに「今度は何を送るの!?」と冗談半分に言われました(笑)。

女性たちもやる気が増したようで、この前は私が一週間程任地を留守している間に、自分たちだけで商品の写真撮影をして、ネットに写真をアップしていたのでビックリしました。
最近な商品の色のバラエティーも増えて来た


そして先週末に、以前商品を試しに納品させてもらったエルフードのお土産屋さんに行く機会があったのですが、その店主は一ヶ月程米国に滞在して、モロッコ雑貨(主にラグ)の販売会を行ったりしたそうで、私が納品したタハルート(ベルベル刺繍マント)も売れたそうです!また同じような商品を持って来てほしいというニーズも現地であったそうなので、近いうちに店主がうちのアソシエーションまで追加で注文しに来てくれそうです!




そんな中、ちょっとしたご縁があって、JICAの広報誌である「mundi」の2015年2月号(アフリカ特集)に、私の活動先アソシエーションのベルベル刺繍商品が紹介されました!
「mundi」2月号のMONO語りに掲載されました!
冊子全体へのリンクはこちら


この記事掲載のための商品を女性たちに作ってもらって、完成品を日本に送った時も、「私たちの商品が日本に送られるの??」と、グルミマ産商品が他の国に行くことがなんだか不思議のように私に話していました。

この記事の印刷版はまだ女性たちに見せられていないのですが、印刷したら女性たちに見せて、「あななたちが作った商品は、こんな風に日本の人たちにも紹介されているんだよ!!」と伝えてあげたいところです。

もう残すところ任期も4ヶ月。帰国する前にできるだけ女性たちに手工芸品製作や商品販売の作業を引き継いでいかないとなーと思う今日このごろです。

2015/02/11

モロッコの自然 / Nature of Morocco

こんにちは。
大分久しぶりにブログを更新しています。
最近の中東情勢のこともあって、イスラム圏に住む私のことを心配して下さる家族や友人などがいますが、今のところモロッコでは大きな影響はなく、私自身は元気で暮らしています。

モロッコでの活動も、延長したとはいえど、残すところあと4ヶ月程となったので、悔いのないようにと思って、毎日を大切にしながら暮らしています。

活動もまあまあ忙しいのですが、2月末に実はフランス語の試験を控えているので、それに向けた対策にも追われています・・・。

最近は、年末年始にあった凍てつく寒さも少し和らぎ、やっと暖房なしでも大丈夫くらいの気温になってきました。とはいってもまだコート着て外出しないと朝晩は寒いですが・・・。

そんな中、モロッコ南部では桜の花に似た、アーモンドの花が咲き始めました!

ちょうど2年近く前にモロッコに赴任した時にも、この花がアトラス山脈の方で一面咲いていたのを思い出します。

桜のようなアーモンドの花と、ナツメヤシの木 @グルミマ
なかなか日本では見ないコンビネーション、笑

この前、任地にあるナツメヤシとオリーブのオアシスを歩きながら、なんて平和で美しい自然に囲まれた地域なんだろうと改めて思いました。世界の色んなところで紛争がやまない中、少しでもこのような平和な地域が世界に多くあって欲しいと願いながら・・・。

元々協力隊で派遣希望国を選ぶ際に、モロッコに来れたらいいなと思っていた理由の1つに、モロッコの自然が綺麗!というのがありました(もちろんモロッコの他の魅力や、ボランティア要請内容にも基づいてモロッコを選びましたが・・・)。

モロッコの自然はバラエティに富んで、本当に綺麗だと思います。
すごーくざっくり述べると、
モロッコは国の中央にアトラス山脈という4000m級の山脈があって、
この山脈を隔てて気候が大分違います。
そのために、そこに育つ植物や地形も場所によって違ってきます。
アトラス山脈よりも海側(つまりモロッコ北部〜西部)は、
海に囲まれて、緑の自然が多く、ヨーロッパの田園地帯を連想させるような風景が広がっています。いわゆる地中海性気候とか大西洋気候というやつです。
場所によっては夏場は涼しく、冬場はわりと他の地域に比べて温かく、
過ごしやすい気候です。

一方で、アトラス山脈を超えた内陸側である南東部は、
荒野や岩山、砂漠が広がり、茶色の景色が広がっています。
私の住んでいるのはまさにこの地域。内陸性乾燥気候というのでしょうか。
夏は40度を越える熱さですが、冬は朝晩は0度近くまで気温が下がるという、
結構気候的に厳しいサハラの環境です。

そしてアトラス山脈には冬場には雪が降り、場合によっては路面凍結するくらいの寒さになります。アトラス山脈の冬の景色はまるでヨーロッパのアルプスのよう!(実はモロッコには2カ所スキー場があるんです!)

このように(かなりざっくりな説明ですが)、モロッコには地域によって気候が違うので、自然が豊かで綺麗なのです!

そこで、もうあと数ヶ月の任期となった今、ここ2年間近く私が見て来たモロッコの自然の豊かさを写真を通して振り返ろうと思いました。かなりのバイアスがかかっているとは思いますが(笑)、一個人の見たモロッコの風景だと思って見てみて下さい。

キーワードは、海、草原、岩山、雪山、砂漠・・・など。。。

下の写真を見てればモロッコに来たいと思うこと間違いなし!?
来たい方は、今のうちですよー!(笑)

===========================================

【〜海〜 / Ocean】
地中海と大西洋がもたらす恵み
首都ラバトの海岸


エッサウイラから見た夕陽と大西洋

モロッコ北部タンジェ郊外の海岸線

ヨーロッパと北アフリカを分けるジブラルタル海峡付近
対岸にはスペインが見える


【〜岩山〜 / Rocky mountains】 
アトラス山脈付近やアトラス以南内陸部に現れる、壮大な地形
ミデルト〜エルラシディア間の岩山①
ミデルト〜エルラシディア間の岩山②
ミデルト〜エルラシディア間の岩山③




ミデルト〜エルラシディア間の岩山④
このあたりはグランドキャニオンみたいな壮大な岩山がずっと続くから、
景色を見ているだけでも結構楽しい。
夜行バスで移動するにはもったいない!(特に雪山も見られる冬〜春の季節)


任地グルミマに広がるオアシスと砂漠と岩山

グルミマの郊外にある水源、ティフナシン

タフロートの岩山

ワルザザード〜アグダズ(ザゴラ方面)間の岩山①
ワルザザード〜アグダズ(ザゴラ方面)間の岩山②
とにかく壮大!
ワルザザード〜アグダズ(ザゴラ方面)間の岩山③
ワルザザード〜アグダズ(ザゴラ方面)間の岩山④
自然に作られたこの壮大な景色を見ると、一体何億年かけてこの景色が作られたのか計り知れない

ティネリールからトドラ渓谷に向うルート


トドラ渓谷とオアシス



アトラス山脈の秘境、イミルシル
ここでは毎年、婚約のお祭りが開かれる


アトラス山脈の山奥にあるイミルシル付近の湖


アトラス山脈最高峰、アフリカ大陸第3番目の山、トゥプカル山山頂付近















                
                
                 【〜砂漠〜 / Desert】
              モロッコと言えば砂漠!?定番の砂漠写真
いつ見ても砂漠の砂は綺麗
メルズーガの砂漠


メルズーガの砂漠




 【〜草原〜 / Fields】
砂漠ばかりではない!以外にも美しく広がるモロッコの田園風景
フェズの丘から見下ろした草原とメディナ(旧市街)


モロッコにあるローマ遺跡「ヴォルビリス」に咲いていた

シェフシャウエンの街と草原

緑の山の斜面に建てられた聖地、ムーレイ・イドリス

ムーレイ・イドリスにある渓谷
一見アルプスのよう

オリーブは、毎年12月に美味しい実をもたらしてくれる



【〜雪山〜 / Snow-covered mountains】
4000m級のアトラス山脈は、冬になると雪が積もる
グルミマ〜エルラシディア間の山々に積もった雪
砂漠のような荒野のバックに雪山が見えるのが新鮮

ミデルト付近の雪山
アトラス山脈越え(ワルザザード〜マラケシュ間)①
手前にアーモンドの花が咲いてる

アトラス山脈越え(ワルザザード〜マラケシュ間)②

アトラス山脈越え(ワルザザード〜マラケシュ間)③
アトラス山脈越え(ワルザザード〜マラケシュ間)④

アトラス山脈越え(ワルザザード〜マラケシュ間)⑤
一体ここはアルプスか?と思ってしまうくらいの景色

==================================================
(いろんな地名が出て来てモロッコの地理が良くわからない人は、後でモロッコの地図で見てみて下さい。笑)