2014/05/28

仏語試験DELFを受けてきました / DELF exam

モロッコに派遣されるJICAボランティアは、派遣前に訓練所にてフランス語の研修を受けます。現在行われている派遣前訓練は、青年海外協力隊員は2ヶ月間、シニアボランティアは1ヶ月となり、その間みっちり語学を勉強する機会があります。

私も訓練所ではフランス語の研修を受け、モロッコに赴任してからは首都ラバトにて3週間のアラビア語モロッコ方言(ダリジャ)の研修を受けて、それから任地に赴任しました。

モロッコの公用語はアラビア語ですが、フランス語も省庁や商業などでは広く使われるため、モロッコ人は小学校からフランス語を勉強します。(モロッコにおける言語に関しては話すと長くなるので別の機会に改めて書こうと思います。)大学ではフランス語が授業に使われるところが多いので、大学を卒業したモロッコ人の多くは流暢なフランス語が話せます。

さて、そんなわけで私もフランス語を訓練所で2ヶ月間みっちり学んだわけですが、日頃の活動ではアラビア語を使っているし、私の任地は皆現地人はベルベル語で喋るので、実はあまりフランス語を使う機会がありません(任地によってはフランス語を中心に使って活動する隊員もいます)。

でも、今後国際協力の分野で活動して行きたいと思っているので、フランス語のレベルを証明するための資格を何か持っていた方がいいなと思い、今回DELFとよばれるフランス語の試験を受けることにしたのです。

DELF/DALFとは、フランスの国民教育省が唯一認定している公式フランス語資格です。6つのレベル(A1,A2,B1,B2,C1,C2)に分けられていて、Aが一番簡単でCが高度になります。今回私が受けたのは、B1。日本のDELF/DALFのホームページによると、DELF B1レベルでは、使用者は自立可能になります。やりとりを維持すること、議論を理解、継続し、自分の見解や意見を述べることができます。日常生活の予期せぬ状況にも対処できます。」と書かれてます。

ちなみに、人にも寄りますが、モロッコの隊員の多くもこのDELFのA2~B2くらいのレベルを受けているようです。

モロッコのいろんな都市にて、年3回DELF/DALFの試験が行われるのですが、私の住むグルミマや近郊エルラシディアでは試験会場がないので、バスで6〜7時間かけて行った所にあるメクネスまで行ってきました。試験受けにいくのにも一苦労です・・・(笑)。

メクネスに住む隊員のお宅に前泊させてもらい、当日試験会場に行ったら、あれ?まだ誰もいないし、閉まっている・・・?一緒に受けに行った隊員と「おかしいね〜?」と言ってたら、ちょうど向こうからいかにも駆け込み勉強をしながらこれから試験受けますって感じのモロッコ人のお姉さんが歩いて来て、試験会場の建物の違う入り口の方に行ったので、彼女に着いて行ってみたら、受験者のモロッコ人が他にも何人か集まってました〜。危ない危ない、ずっと同じ建物の違う入り口前で待っているところだった・・・。
試験会場のメクネスのInstitute Français

でも受けるレベルはモロッコ人は皆C1。B1を受けたのは私たち日本人2人とモロッコ人の大学生のお姉さんだけでした。

そして肝心の試験・・・。

試験対策として、ネットで見つけた過去問をやってみては、分からない単語を調べて勉強したり、ネットラジオでフランス語の音に慣れようとしたりしたものの、当日の試験の出来は悪く、一番練習したはずのリスニングと読解が全然出来ない・・・・。逆に、ほとんど対策を打っていなかった筆記と口頭試験の方がまだ少しはできた気がする・・・。

合格するには、各試験項目(聞き取り、読解、筆記、口頭)にて25点満点中最低5点が必要で、全体としては100点満点中50点が必要。うーーーーん、合格するのは厳しいのではないかと思わざるを得ない出来なさ具合にはショックで、ついつい同じ試験を別の都市で受けていた同期隊員に電話しちゃいました。

しかし、自分のフランス語の出来の悪さが今回よく分かりましたー・・・。1年以上前に訓練所でフランス語授業受けた以降は全然勉強してなくて、日頃フランス語を使っていても文法など適当なコミュニケーション重視の会話で、論文書いたり読解をすることは皆無に近いので、どれだけ適当にフランス語を使っていたか思い知らされました・・・。

はあ、これを教訓にもっと頑張って勉強しないと。アラビア語もなんですが・・・。

2014/05/19

エルラシディアグループ型派遣活動@グルミマ/ Errachidia Group Volunteer Activities @ Goulmima

今年2月下旬に、エルラシディアグループ型派遣の一環として、私の活動先のアソシエーションのうち1つにて、衛生、環境、性に関する啓発活動を行ったのですが、5月18日には、私が活動するもう1つのアソシエーションにて、同じような啓発活動を行いました。

今回の啓発活動を行った地域は、グルミマ中心地から7km程離れた集落。私の活動しているアソシエーションには、たくさん人が集まる場所がないので、私が日頃英語の授業を行っている小学校にて行いました。
小学校の入り口

この日のプログラムはこんなかんじでした。
【午前中】
衛生教育(手洗い指導)
環境教育(ゴミ拾い活動とポイ捨てに関して考えるワークショップ)
【午後】
女性のための性教育

まずは会場の小学校にて、活動先のアソシエーションの役員たち約15人くらいと、JICAボランティア6人(そしてこの日はJICAの保健分野の専門家も視察に来ていました)と教育省のボランティア担当者スアグさんで、この日のスケジュールや注意点などを確認。私のアラビア語はそこまでできないので、フランス語とアラビア語が混じって説明するけど、実はアソシエーション役員の中にはフランス語は分からない人も多く、時々スアグさんに手伝ってもらったりしました。

午前のプログラムの開始時間前には、子どもたちが既に集まって来ていて、最終的には教室いっぱいになるほどの子どもたちが集まってくれました。

まずはボランティアたちの自己紹介して、その後はアソシエーションの若手役員のモラッドくんが、事前にこちらが渡した手洗い指導の紙芝居を使って、手洗いの仕方や大切さを子どもたちに伝えました。

そして、手洗いの歌を子どもたちと練習して、手洗い啓発の部はおしまい。


その後は、エルラシディアグループ派遣でよくお世話になっている看護師のマリーカが、ゴミが健康に与える被害をパワポを使って説明してくれました。


そして、次はゴミ拾い。ゴミ拾いの前に校庭で準備運動を隊員リードでやって、


そして、70人くらい子どもが来ていたので、6つのグループに分かれてゴミ拾い。


私はこの日のプログラムの総合監督だったから、ゴミ拾いには行かずに学校に留まったけど、写真を見ている限り、子どもたちも一生懸命ゴミ拾いに取り組んでいたようです。

30分もしないうちに、各グループのゴミ袋はいっぱいになって帰ってきました。

集めたゴミを小学校に置かれているゴミ収集の箱に入れて、その後は午前中に学んだ手洗いの仕方の実践。ちゃんと学んだことを実践している子どもが多いようでした。


手洗いが終わったら、「どんなゴミがたくさんあったか?」、「なんでゴミが学校の周りにたくさんあるのか?」、「学校や道などを綺麗に保つためにはどうしたらいいのか?」などの質問を問いかけて、各グループ子どもたちに考えてもらうワークショップを実施。

各グループでまとめた回答を模造紙に書いてもらって、全体に発表してもらいました。

発表された回答としては、「私たちが関心や責任を持っていないから、ゴミが学校の周りなどにポイ捨てされている」、「ゴミはきちんと捨てるべきところに捨てないといけない」などが挙っていました。理論では分かっている子どもが多いのだけど、それを実践に移せるかどうかが大事。実際に、1人の隊員はゴミ拾い後に子どもの1人がペンを道で見つけて、書けないとわかったらすぐにポイってまた道に捨ててしまい、その後にそれを知らずに来た別の子どもも、書けないとわかったらまたポイ捨てしていた、という光景を目にしたそうです。

自然が豊かなオアシスの中に、たくさんのゴミがあるのは本当に残念なことだし、オアシスの自然にとっても良くないので、もっと大人も子どもも自分たちの住む集落や環境を綺麗に保つのは自分たちの責任だというということの意識持ってほしいですね。
午前中のプログラムの参加者たちと

午後は、女性のための性教育講座。前回グルミマのもう1つのアソシエーションで同じ内容の講座を行ったときもそうだったけど、集落の女性たちは性に関する情報が不足していたり、間違った情報を信じ込んでいたりするので、特に病院やヘルスセンターからも遠い集落の女性たちには、こういった性教育が大事だと思います。

開始時刻は15時の予定だったけど、その時間に来る人は1人しかいなくって(←よくあることなので想定内)、ある程度の人が集まるまで待ったら、16時開始になってしまいました。

この性教育の講座は、主に中学〜高校生くらいの女の子たちを対象としたものなのだけど、性教育に関する関心は中年女性たちにとっても高いようで、集まった女性の半分以上は、出産も経験したことのある中年女性たちでした。


午後の部もマリーカが上手にパワポ使って説明してくれて、女性たちは一生懸命聞き入ってました。ただ、参加者の中にはベルベル語しか理解できない女性も一部いて、マリーカのアラビア語の説明では全て理解できなかった人もいたようでした。この点については、私も反省・・・。もちろん、集落にはベルベル語しか話せない女性もいるのは知っていたけど、もっとそのことを考慮しておけばよかったなー・・・と思いました。

それでも、講座後のアンケートには、「今まで知らなかった情報を得ることができて有用だった」という回答がほとんどで、「次回知りたいこと」にも様々な健康に関するテーマが書かれてあったので、女性たちの健康に関する関心はやはり高いようです。

講座が終わったあとは、アソシエーション役員たちとJICAボランティアやスアグさんと、この日の活動を振り返る評価会を行って、何故か知らないけど、アソシエーションの人たちが隊員一人一人に表彰状までくれて(笑)、無事にこの日の活動も終了・・・。
この日の活動に協力してくれた皆さんに感謝です。
グルミマを一望できる山に登ったら見えた虹

2014/05/02

モロッコ北部旅行④ 〜シェフシャウエン〜 / Trip to the northern Morocco (4) - Chefchauen

世界遺産の旧市街があるテトゥアンの次には、タクシーに乗ってテトゥアンより1時間半程南下したところにあるシェフシャウエンという街へ出発しました。

シェフシャウエンは、青と白で統一された街並がメルヘンチックで、リフ山脈というモロッコ北部にある山並みの中腹にある小さな街。その風景や街並に惹かれて、多くの観光客が集まり場所でもあります。


まずテトゥアンからシャウエンに行く道。タクシーに乗って、緑の丘陵地帯が広がる地域を通り抜け、その景色の美しさに圧倒され(タクシーでは内側に乗っていたので残念ながら写真とれず・・・)、徐々にシャウエンに近づいて行きます。

一緒に行った隊員のKさんは、一度来たことがあるので、「ここの山を登ったらシャウエンだよ」と教えてくれました。そしてタクシーが徐々に山を登って行くと街に近づくと、なんとなーく見えて来たのがシャウエンの街でした。

事前に予約しておいたホテルに着いたら、まず私たちを迎えてくれたのはこの方。
ホテルのオーナーが飼っている、ビディくん♂
シャウエンの青の街並に、ビディくんの真っ白な毛並みがピッタリです☆

チェックインよりもまず先に猫を触ることに夢中だった私ですが、無事にチェックインを済ませて、通されたお部屋はなかなかのもの!バルコニー付きのお部屋で、外にはシャウエンの旧市街の街並とリフ山脈の山並みが広がっていました!




























そして、いざ街の散策へ出発!

シャウエンやテトゥアンなどでまず気になるのは、このカラフルな帽子。

カラフルなポンポンがついていて可愛いので、まずすぐに惹かれましたが、用途に困って結局買わずに、かぶってみるだけで終了・・・。もともとリフ山脈地方に住むベルベル人がかぶる帽子のようです。

そして次に気になったは、テトゥアンの記事にも書いた、カラフルな縞模様の「メンディール」という布。テトゥアンよりはちょっと値段が高いですが、シャウエンの方が色んな種類があって、ついつい数枚買ってしまいました。

あとは、個人的に私がすごく気になったのは、織物。
シャウエンのお店で何度か見かけた織り機

織物はモロッコのいろんなところで作られていますが、シェウエン地域でもたくさん織物が作られているようで、たまたま路上で売られていたサブラというサボテンからとれるシルクのような光沢が入った糸で織られた布がすごく気に入って、数枚大人買いしてしまいました!
シャウエンでの戦利品☆
ちなみに、上の写真の一番左にあるサブラの織物は特に気に入っていて、マラケシュなどで見られるかなり強い色を使ったサブラの織物と違って、パステル系の色で出来ているので、春夏に使いやすいし、色合いがとても可愛いです。

よーく見ると、これの全部1つ1つが手で織られています。

キラキラしているのが、サブラの糸

ちょうどダブルベッドより少し大きいくらいの大きさで、手作りでこの可愛さで150DH(約1500円)とは、超お買い得です!これだけ安くていいのか?と思うくらいだったので、値段交渉せずに買っちゃいました。

さて、話が脱線しましたが、布のお買い物の後は、シャウエンの青と白の街並を楽しいで、ちょくちょく気になるお店に入っては・・・という感じで、あっという間に時間が過ぎて行きました。




そしてみんなたくさん買い物をしたので(笑)、一旦荷物を置きにホテルへ戻り、まだ出直して、たまたま見つけた裏路地にあった「魔法のランプ」と書いてあるレストランを見つけ、入ってみたら、なんとバルコニーからは近くの広場やシャウエンのメディナの見晴らしが良い場所でした!

残念ながら、一緒にいった隊員たちが注文したディナーは味がイマイチだったそうですが、夜のシャウエンの雰囲気は味わえたので、私は満足でした。


翌朝は、部屋のバルコニーからシャウエンとリフ山脈の景色とフレッシュな空気を楽しんで、ホテルにて朝ご飯を頂きました。

朝食をとる場所はホテルの屋上にあって、ここからは更に街並と山並みが見渡せる、素敵な場所でした。
モロッコのインテリアが活かされた素敵なスペース
朝食はバグリール(パンケーキみたいなもの)、
アタイorコーヒー、オレンジジュースなど
優雅なスペースで朝食を楽しんだ後は、スーツケースにこれまで買った戦利品を詰め込むのに一苦労し(笑)、ホテルのチェックアウトして、再びシャウエンの街の散策に行きました。

昨日は見れなかった場所なども散策して、ちょうど地元の人のスーク(青空市場)が出ていた日だったので、庶民の雰囲気を少し味わったりもして、





私は午後にシャウエンからフェズに向かうバスのチケットをもう買っていたので、もう少し長くいたかったけど、シャウエンを後にしました。

フェズでバスを乗り換えて、同じ日のフェズ発の夜行便でエルラシディアまで帰る日程だったのですが、実はフェズでの乗り換えで数時間時間があったために、以前フェズに行ったときに買えなかった、フェズ陶器の中でも有名な「コセマ(Cocema)」の食器を買いに行くことにしました。

「コセマ」は他の隊員の家で見て前から可愛いくて欲しいなーと思っていた陶器で、隊員から聞いた話によると、コセマの工場は数年前に爆発事故で焼けてしまい、その後倒産となってしまい、現在は陶器を生産していないそう。現在売られているのは、既に市場に出回っていたものか、爆発事故の時に損傷を受けなかったものだそうで、一部欠陥品もあるけど売られているそうです。もう生産されていないから、今売られているものがあるもの全てで、欲しいなら早く買いに行った方がいいよ!と言われていたので、スーツケースの荷物を持ったままでちょっと大変でしたが、タクシーに乗って、王宮の正門近くにあるコセマ食器を売っているお店に向かいました。

シャウエンからフェズまで偶然一緒のバスに乗っていた日本人旅行客と話す機会があって、彼はフェズ旧市街付近のホテルに向かうというので、タクシーをシェアして一緒に行くことになったのですが、なんと乗ったタクシーの運ちゃんが本当にいけてない!!!散々たらい回しにされて、おまけに私が下ろされたのは「王宮」の正門ではなくて、裏門だったので、仕方なく近くにいたモロッコ人に道を聞いて、場所を知っている隊員にも電話で確認して、重いスーツケースを持ったまま、メディナの中を歩いて、結局10分程行った所に、コセマの食器を扱っている、それらしきお店を発見!!

店主のおやじも、スーツケースとリュックサックを持った日本人が大荷物で、割れ物の陶器ばかり扱う店にやってきてビックリしたようで(笑)、私もなにか壊してしまっては嫌なので、荷物を全部店の一角に置かせてもらって、ゆっくりコセマ食器を選びました。

確かに、模様が均等じゃなかったり、残っている種類があまり無かったりはしたけど、その中でもわりと可愛らしい幾何学模様の陶器を選んで、色々買っちゃいました!
これ全部で350DH(約3500円)!
日本で買ったら、1セットとかで同じ値段する!
余談ではあるけど、タクシーの運ちゃんがたらい回しにしたせいで、メディナの中を歩いて裏門から正門に行ったとき、たまたま今までに見たことのないバブーシュを見つけて、こちらもGET。このイスラムの幾何学模様がすごく好きなのです。

なんだかんだしてたら、あっという間にもうすぐエルラシディア行きのバスに乗る時間になってしまいました。バスにも無事に乗ることができ、疲れていたのでバスでは爆睡、エルラシディアに着いたのは予定よりも早い朝4:30頃。すぐに乗り継ぎのバスがあったのでそれに乗り込み、グルミマで寝過ごしそうになりましたがバスから降りて、家に着いたのが朝5:30頃。

今回も無事に旅行を終えられて何よりでした。一緒に行ってくれた隊員の皆さん、そして各訪問地で温かく迎えてくれたモロッコ北部の隊員の皆さんに感謝です!