2014/04/30

モロッコ北部旅行③ 〜テトゥアン〜 / Trip to the northern Morocco (3) - Tetouan

スペイン領セウタを出国した後は、すぐにタクシーに乗って次の目的地の街テトゥアンへ。テトゥアンはセウタから約40kmほど南にいったところにあるモロッコ北部の街で、旧市街は世界遺産に認定されています。

テトゥアンに向かう途中、綺麗に舗装された海岸沿いの道を走っていると、青い海が横に綺麗に見えました。道沿いにはたくさんリゾート別荘のような立派でお洒落な建物が立っていて、私の暮らすモロッコ南部砂漠地帯とは全くの別世界でした。

そして、テトゥアンに着いてまず思ったのは、街が大きい!!てっきりもっと小さい街だと思っていたので、建物の多さや街の規模にまずビックリしました。まずはテトゥアンにて活動する隊員の家に荷物を置かせてもらい、彼の住む9階建てくらい(都会!)のマンションの屋上からテトゥアンや近くの山を一望しました。

そして、その隊員が知っているスペイン料理屋があるとのことなので、夕食はそこに行ってみることに。でもその前に、テトゥアンにて日本人アーティスト夫妻とモロッコ人アーティストたちがコラボしてできた作品の展覧会が開かれていて、この日が展覧会最終日とのことだったので、そこに立ち寄ってみることにしました。

展覧会の会場は一見普通のアパートの一室のようなところだったのですが、中に入ってみると10人近くのモロッコ人アーティストたちと日本人アーティストの夫妻がコラボして作った作品が数十点展示されていて、彼らが私たちを温かく迎えてくれました。

日本人夫妻のアーティストは、世界の色んなところを2ヶ月ごとに場所を変えて旅しているようで、各地にて現地アーティストとコラボしていろんな作品を生み出しているようでした。ここモロッコでは、たまたま美大卒業のモロッコ人アーティストのグループが、「お茶」を通したモロッコと日本の文化交流をテーマにした作品を前から作っていたようで、そこに偶然にも出会った夫妻が、このアーティストたちとコラボすることになったようです。

彼らの作品はどれも本当に素敵で、「お茶」という日本とモロッコの共通文化を元に、ここまで深い意味を持った作品ができるのか!と感動しました。

例えば、こちらの作品(↓)。これは、両端に描かれているモロッコ人(右)と日本人(左)がお互いにそれぞれのお茶を入れていたところ、偶然2人が出会い、お互いの入れたお茶を交換して飲むという、お茶を通した両国の交流をノスタルジックなタッチで描いた作品です。

また、この作品の一番上にあるロゴも大変興味深く、日本語の漢字「茶」と、アラビア文字の「チャイ」(お茶という意味)の一番最初の文字、そして英語の「T=(tea)」の要素が組合わさったロゴになっているのです。また、ロゴの形がモロッコのお茶を入れるポットの形にもなっていて、色んな要素が絶妙に融合された、とても素敵な作品です。

また、下の作品は前述のロゴと同じ形ですが、
よーーーく見ると、キャンバスにあるごげ茶の部分は、実はモロッコ茶の茶っ葉で、そして中央にある緑色っぽい部分は、緑茶の茶っ葉がちりばめれているのです!

このアイディアにもとても感動しましたが、さらにすごかったのは、なんと日本人アーティスト夫妻の奥様の方が、モロッコ人がよく着ている普段着のジェラバの生地を活用して、着物を作ったということでした!

薄緑の生地がジェラバで、帯はモロッコのリビングルーム(サロン)によく使われる分厚い生地が使われていて、本当に面白い発想だと思いました!

実は私もこのジェラバの着物を着せて頂きました!一見普通の着物に見えるくらいに絶妙にジェラバの生地やサロンの帯が似合っていて、素晴らしいモロッコ生地と日本の伝統服のコラボたと思いました!

他にもとても興味深い作品やモロッコ人アーティストによるリコーダー演奏の披露などもあり、時間はあっという間に過ぎてしまい、スペイン料理屋にやっと着いた時は、なんと既に閉まっていました・・・(笑)。

結局、かなり空腹だったので開いている店ならばどこでもいいから入ろう!ということになり、テトゥアン隊員の知っているモロッコ料理のお店に入って遅い夕飯を食べ、その日に泊まる場所を提供してくださるもう1人のテトゥアン隊員Mさんのところにお世話になりました。

翌日はテトゥアン観光ということで、まずは世界遺産の旧市街に行ってみることに。テトゥアン隊員に連れられて、私たちはメディナの迷路のような道をどんどん進んで行きました。テトゥアンをはじめとするモロッコ北部の女性が腰に巻く「メンディール」と呼ばれるしましまの布が欲しかったので、メディナの中で売っている場所を教えてもらい、ここで数枚GET!!
この日テトゥアンでGETした「メンディール」たちと、
プチバブーシュたち(以下参照)

そして、モロッコ国内で唯一テトゥアンしかないと言われている、プチバブーシュのお店に皆で連れて行ってもらいました。おじさん1人で小さなバブーシュのキーリングやピアスなどを作っていて、任地のモロッコ人のお土産として20個程購入させてもらいました。
プチバブーシュのキーリング

プチバブーシュは全部おじさんの手作り

その後は、テトゥアンのメディナを少し歩いて、ちょっとヨーロピアンな雰囲気の街並を味わって、観光客に対して使われるスペイン語の頻度にビックリして、
スペインが近いせいか、教会があった
メディナの近く。街並はちょっとヨーロッパみたいで綺麗。


そして、テトゥアン隊員じゃないのに何故かテトゥアンに美味しいイタリアン料理の店があると知っているエルラシディア隊員の提案を元に、みんなでイタリアンに行ってお昼を食べることになりました。

行き先は「Luigi」と呼ばれる、フェズにもお店を持つチェーン店でした。みんなで好きなのを注文してシェアして食べたのですが、どの食事もめっちゃ美味しい!!!



は〜、もう本当に極楽でした・・・。モロッコの田舎に住んでいると、なかなかイタリアンなんて食べられないので、本当に貴重でした!

そして、この日の午後は次の目的地であるシェフシャウエンに行くことになっていたので、イタリアンランチを終えてからは荷物をまとめて、シェフシャウエンに出発したのでした。

1日とかなり短い滞在だったけど、楽しませてくれたテトゥアン隊員のYくんと、泊まる場所を提供して下さった隊員Mさんに感謝です!おかげさまで楽しい時間を過ごすことができました。

2014/04/29

モロッコ北部旅行② 〜スペイン領セウタ〜 / Trip to the northern Morocco (2) - Ceuta, Spanish territory

タンジェにて活動するシニアボランティアに手配してもらってチャーターした車にタンジェでピックアップしてもらった私たち3人は、ジブラルタル海峡の見える海岸沿いの道に沿って運転してもらい、いざスペイン領セウタへ出発!

モロッコにはスペイン領が2カ所あり、1つはセウタ、もう1つはメリリヤというところです。スペイン領になるので一応国外にいくという扱いになり、JICAに任国外旅行の申請ももちろん必要となります。タンジェからは車で一時間半ほどのところで、モロッコから陸続きなので、モロッコ人も結構行き来するようです。

ジブラルタル海峡を眺めながら見る海岸線はとっても綺麗!天気がよかったので青い空と緑の丘陵地帯、そして海の蒼さのコントラストが素敵です。
向こうにうっすらみえるのがスペイン本土


















































私が住む砂漠地帯とは全く異なる、緑がたくさんで海のある風景を見ていると、なんだかモロッコじゃなくて別の国にいるような気分になります。あと、ゴツゴツした白い岩山がたくさんあって、これも綺麗でした。


途中、いくつかの場所で写真ストップの時間を設けてくれたので、綺麗な景色を撮影。
このあたりが、一番海峡が狭くなっている部分(約14km)



























かつては、ジブラルタル海峡を船で通る側で(ピースボートにて5回通過した)、船から両側に広がる陸(ユーララシア大陸とアフリカ大陸)に感動しましたが、今回は陸からジブラルタル海峡を通過する船を眺めるということで、何だか不思議な感じでした。

国境を越える前にモロッコ側で両替をしたほうがレートが微妙に良いと聞いたので、セウタの隣にあるモロッコの街、Fnideqという街に立ち寄って両替をしました。ここの街も海に面していて、青と白に統一された街並が印象的でした。

モスクも白と青で統一されている

そして、いよいよ国境越え・・・。
車での国境越えは混雑していたので諦めて、歩いて国境を越えることにしました。
モロッコ側で出国手続きをとるゲートの手前では、なんと「出入国カード」を売っている人がいてビックリ!(通常は空港や出入国手続きの場所で無料でもらえる。)さすがモロッコ・・・。

まずはモロッコ側の出国手続きをとるために、出国カードに詳細を記載して、検査官の人にパスポートと出国カードを提出。私たち3人のうち、1人が実は2月に任国外旅行でフランスに行って、モロッコに帰国した時にマラケシュの空港で入国のスタンプをもらっていなかったのが原因で彼女は足止めをくらい(!)、色々もめた後、なんとその場でマラケシュの検査官のミスをカバーするかのように「じゃあ今日モロッコに(フランスから)入国したことにすればいい」といって、まずは入国スタンプを彼女のパスポートに押すではないですか・・・。なんといい加減なんだ・・・。

結局、時間はかかったけれども無事にモロッコ側を出国し、スーツケースを引きながら国境越えのための狭い道を歩いてきました。

そして、数百メートル歩いたらいつの間にかスペイン側に着いたようで、今度はスペインの検査官が待ち構えていました。挨拶は「オラ」!もうここはスペインです!
「滞在はセウタだけか?それともセウタからスペイン本土へ行くのか?」と聞かれたので、「セウタだけ」と言ったら、「それならば入国スタンプはいらない」と言われたので、あっけなくスタンプは押されずにスペインへ入国・・・!

国境越えのゲートを出たら、もう街並はスペイン同様!そして聞こえてくる言語もスペイン語!!陸続きなのに、国境をちょっと越えるともうここは別世界!?

タクシーに乗って、予約していたホテルへ行く道、見える街並はやはりヨーロッパで、3人とも大興奮!やっとスペインへ来ました〜!

ホテルは街の中心地で、わりと良い部屋を予約したので、清潔だし、バルコニーからはジブラルタル海峡が見えるし、気分は最高!


早速、夕ご飯を食べれるところを探しがてら街を散策することに。

日本からスペインへ来たらそこまでギャップを感じないのかもしれないけど、陸続きのモロッコからスペインへ来ると、なんだかとてもギャップを感じて、3人ともセウタの景色や人々に感動!モロッコではよく街で「シヌイヤ(中国人)」とか言われるけど、ここではそんなことを言う人はいません!!

街並はやはりヨーロッパ式で、歴史的な建物や彫刻などが綺麗です。




街を少し散策してから、お酒も飲めそうなピザ屋さんを発見したので、そこで夕食をすることに。私は、モロッコではなかなか食べることのできない、豚肉(ベーコン)の入ったスパゲティカルボナーラとビールを頂くことにしました!
念願のスパゲティカルボナーラはやっぱり美味しい!!
久しぶりのビールも!
レストランにて深夜近くまで食事とお話を楽しんだ後は、ホテルに戻ってゆっくりしてから寝ました。

そして翌朝。私が一番にシャワーに入ることになっていたので、他の2人を起こさないようにシャワーに入ろうとしたら、シャワー室の電気が突如消えた・・・。「あれ?電球切れた?」と思いながら、いつも携帯している自転車用の小型懐中電灯を使って暗いシャワー室を照らしながらシャワー浴びようと思ったら、なんと、水も出ない・・・。

なんと、まさかの、停電&断水!!!!

モロッコの自分の任地でも3ヶ月に一度程度で停電と断水があるのですが、まさかセウタに来てまで停電と断水を経験するとは・・・。服を着て、部屋の外に出てみると、やはりエレベーターホールや階段も電気が消えて真っ暗で、とりあえずいつ頃復旧するのか確認するためにフロントへ行ってみることに。でも、フロントにいたお姉さんは英語もフランス語もほとんど通じず、なんとなく分かったのは、「あと大体20分後には復旧する」ということ。

部屋に戻ったら、部屋にいた2人も起きたようで、停電に気づいたようでした。停電&断水じゃあシャワーも浴びれないんで、結局復旧するまで待って、シャワー入って身支度をしてからホテルを出発したのはもう正午近くでした。

お腹も空いたのでホテルの近くのカフェで朝ご飯を食べることにしたけど、この時間帯はちょうど朝ご飯から昼ご飯メニューに切り替わるときだったのか、まだ食事は準備できないと言われたので、仕方なくドリンクだけ頼むことに。食事も食べる気満々だったのに食事ができずに、ちょっと不機嫌な私でしたが、待っていても時間がもったいないだけだったので、ドリンクだけ飲んだらカフェを出発し、念願のスペインでのお買い物へ出発!

ZARAやMangoをはじめ、ヨーロッパではわりと良く見かけるようなお店がたくさんあって、セウタは免税ゾーンだということをいいことに、3人のお買い物モードにはどんどん火がついていきました!

ランチをとるのも忘れて、2時間程ひたすらお店を廻ったあとは、一旦ランチ休憩でカフェに入って、スムージーとスモークサーモンのサンドウィッチを頼んで、大満足!!
サーモンとフィラデルフィアチーズが絶妙のコンビ!

この日にはセウタを出発し、次の目的地のテトゥアン(モロッコ国内)に行くことになっていたので、買う物を最終的に決めてセウタを出国するために、ちょっと急ぎ足で買い物し、夕方には名残惜しいけどセウタを出発しました。
買ったものたち★
やっぱりモロッコとはデザインや質が異なる!


モロッコに入国するときは、「モロッコ人が並ぶ列じゃなくて、公用パスポート保持者が並べる5番ゲートに行けばスムーズに入国できる」という情報を過去にセウタに行った隊員からゲットしていたので、「5番ゲートはどこ?」と係員に尋ねると、「あっちだ」と言われて行こうとする。そうしたら、私服警官っぽいモロッコ人らしきおやじに、「なんでスペインに入国した印のスタンプがないんだ?もう一度スペイン側へ戻って押してこい」と言われ、止められる・・・。

「だって、昨日スペインに入った時は、スペインの検査官が、セウタのみの滞在ならばスタンプはいらないって言っていたから。」とちょっと怒り気味に英語で言ったら、しぶしぶと「じゃあ君たちは公用パスポートだからあっちへ行け」と言われたので、示された方へ進んでみる。

よくよく見てみると、示されたのは前日にマラケシュの空港でモロッコ入国スタンプが押されていなかったためにそれをカバーしようとした検査官のいた小屋だった・・・。これが結局5番ゲート??そうしたら、今後はその小屋の前に立っていた係員が「なんでお前たちはこっちに来たんだ?あっちを通らないとダメだろ」みたいに言って、さっき来た場所の方を差している・・・。

「いや、だってあっちの係員に、こっちに来いって言われたから来たんだ。」と言うと、その係員はさっき来た場所の別の係員と思われる人に電話して、「なんでおまえ、この韓国人をこっちによこしたんだ?」みたいなことをアラビア語で話している・・・。人を不いい加減に振り回すあげくに、私たちのパスポートもろくに確認せずに適当に「韓国人」というこのモロッコ人係員にはいらっとして、「私たちは韓国人じゃなくって、日本人です!」ってパスポートを目の前に振って主張。「ちなみに、公用パスポートです。」とついでに言ったら、小屋の中にいた2人の隊員たちも別の係員と話をつけてくれていたようで、小屋の中にて入国手続きをしてくれて、無事にモロッコに入国できました。。。

はあ、それにしても、モロッコに入ったとたんにこの振り舞わせれっぷりというかいい加減っぷりっというか・・・。

国境付近の様子をもう一度こっそりと写真に撮って(警察や軍がいる場所では写真は禁止されている)、セウタを後にしました。

次の目的地のテトゥアンまでは、セウタ国境付近からタクシーで約1時間。海岸沿いの道路がとても綺麗でした。

「セウタにあともう一泊した〜い」と一緒に行った隊員の1人が本気で言ってましたが、本当にその通り、あと一泊したらちょうどいい具合でした。モロッコも好きだけど、たまにはやっぱりヨーロッパ気分を味わうのも良いですね!セウタ、楽しかったです!

2014/04/28

モロッコ北部旅行① 〜タンジェ〜 / Trip to the northern Morocco (1) - Tanger

カサブランカにて前職ピースボートのお手伝いをした後は、任地から遠くてなかなか来ることができないモロッコ北部旅行に行ってきました!

まず1つ目の訪問地は、モロッコ北部の街タンジェ。
立派なタンジェの鉄道の駅

スペインから近いこともあって、タンジェの街はモロッコを忘れさせるようなリゾート地のよう。新市街には観光客向けのようなクラブやらレストランもたくさんあって、ビックリ!

ここではシニアボランティアの隊員(通称ママ)が活動しているので、彼女のお家にお世話になることに。私以外にも、他のモロッコ隊員6名が集まって、大人数でワイワイです。

ママのお家はタンジェ新市街に位置し、全部屋オーシャンビューのマンション!家の中もとても広くって、そして家からの眺めは素晴らしくって、本当に素敵です!


ママが用意してくれていたお汁粉を頂き、少し休憩した後は、せっかくなのでタンジェ散策に出かけることに。

まずはママの家を出て、家の目の前に広がるビーチを歩いて行きました。なんと、対岸にはスペインが見えるではないですか!!
奥に薄く見える大陸がスペイン!

スペインが見えただけでも一気にテンションが上がった私たちは、思わずジャンプショット!


そしてビーチをずっとメディナ(旧市街)の方へ歩いて行ったら、途中で砂浜の上にて観光客を待ち構えたラクダの親子を発見!

ビーチにラクダがいるって不思議な感じですよね。砂漠にいるラクダとはまたちょっと違って、こっちのラクダは毛が砂漠のラクダよりはフサフサしていたような気がします。

メディナを目指して歩いて行くと、途中に昔使われていた税関の建物らしきものや魚市場(?)のような建物が見えて来たりして、港町の雰囲気が漂っています。また、フェリーでスペインなどのヨーロッパ諸国へ行く便もたくさんあるようで、ジブラルタル海峡を越えたら向こうはヨーロッパなんだということを改めて実感します。

メディナを少し散策して、この日は夕食をママが用意してくれていたので、日が暮れる前にはママのお宅へ戻りました。

すると、なんと夕食は刺身の盛り合わせーーーーー!!!!!


ママは料理隊員なので、食事がとても上手なのです。いやー、タンジェに来てまさか刺身の盛り合わせが食べれるなんて思ってもいなかったので、すぐに食いついちゃいました!本当に美味しい過ぎて、どんどん食事が進みました。

翌日は、ガイドブックにも載っている「ヘラクレスの洞穴」や「スパルテス岬」など、タンジェ郊外にある海岸沿いにある自然にできた景観が美しいスポットに行きたくって、タクシーをチャーターして女子隊員6人で出発。

タクシーの運転手はサービス精神たっぷりのおじさんで、頼んでもいないのに、途中ちょっとした景観の良いスポットなどにも連れて行ってくれて、おかげで目的地に到着するまでに本当は30分ほどで着くところが、1時間以上かかってしまいました(笑)。
途中の写真スポットにて。
場所の名前は忘れたけど、
ここにはフェニキア人のお墓があったらしい。
あたりにはローマ時代を思わせるような柱もありました。

引き続きタクシーに乗って、やっと第一目的地のスパルテス岬に到着!海と灯台が見えて、景観はまずまずです。

そして第二の目的地のヘラクレスの洞穴へ。途中、一緒に行ったメンバーでまたもやジャンプショット!


そして念願のヘラクレスの洞穴へ!

・・・と思ったら、なんだかそこへ行く道が閉鎖されている・・・?
工事現場のようになっていて、道が壁で完全に塞がれている・・・。壁には、「現在工事中。復旧は2015年6月頃を予定」みたいなことがフランス語で書いてある・・・。(←厳密にはいつまでか忘れたけど、2015年の夏頃だったはず。)

工事現場から出て来た係員みたいな人と話してみたが、やはりヘラクレスの洞穴に行く道はここしかなく、工事のために封鎖されているから行くことができない。。。どうやら洞穴の壁が落ちて現在復旧工事をしているとか。それに加えて、ツーリストセンターみたいなのができるのか、工事の看板には完成予定の写真が載っている。

結局、ヘラクレスの洞穴は見ることができず、その近くにあるコッタ遺跡も現在閉鎖中なようで、本当は行きたかったところがほとんど閉まっている状態・・・。仕方ないので、タクシーでタンジェの街へ引き返すことに。

まずタンジェの街では、海の見えるカフェにてお茶をして、

ちょっとだけメディナを散策をして、カスバを見学して、
隊員6人のうち、私を含む3人はスペイン領セウタにこの日移動することになっていたので、ママの家にて荷物をピックアップして、セウタへ出発!

タンジェ〜セウタへの道のりは、この次の記事「モロッコ北部旅行② 〜セウタ〜」にて書こうと思います。

短い滞在ではあったけど、美味しい食事を振る舞って下さり色々もてなして下さったママご夫妻に感謝です!

2014/04/26

ピースボート、カサブランカ寄港 / Peace Boat's visit to Casablanca

青年海外協力隊に参加する前に、3年間程働いていた国際交流の船旅「ピースボート」が、モロッコのカサブランカに寄港しました!

今回、私がモロッコに赴任中にカサブランカに寄港するのは2回目。前回はモロッコに赴任してから半年程しか経っておらず、語学もあまりできなかったので、ただ単に船を訪問して、知っているスタッフと一緒にカサブランカの街を廻ったり食事をしただけでしたが、今回は赴任して一年経ち、必要最低限の日常会話はフランス語とアラビア語でできるようになったので、ピースボートのコーディネートするツアーに言語補佐ボランティアとして同行させてもらいました。

今回同行させてもらったツアーは、カサブランカにおけるストリートチルドレンを支援する団体を訪問し、ストリートチルドレンが置かれる現状や団体の活動を知るためのスタディーツアー。私も現役スタッフ時代には過去に2回カサブランカで観光やスタディーツアーに同行していますが、このツアーに同行するのは初めてでした。

訪問先は「Bayti」という非営利団体で、カサブランカの路上に暮らす子どもたちなどを保護し、現在60人程の子どもたちが暮らしている施設です。近くには、カサブランカで最大のスラム街があって、そこの路上で頼る身寄りもなく暮らしていた子どももこの施設で暮らしているようです。

まずは、カサブランカの港にてツアーバスと同行するスタッフに合流しました。この時点で、既に何人かの懐かしいスタッフにも再会!ですが、朝は参加者の誘導やらツアー同行などでスタッフは忙しいので、とりあえず最低限の挨拶に留めておいて、そしてツアーバスが港を出発。

ツアーリーダーのスタッフがバスの中で挨拶をして、ツアー行程を説明したり、同行スタッフを紹介したりして、「あ〜、自分もこんなことをやっていたな〜」と少し懐かしい気分に・・・。行きのバスの中では、施設に到着するまでに時間があったので、モロッコにおける自分の活動も簡単に紹介させてもらいました。

Bayti」に到着してから、まずは代表の方から挨拶と団体や施設の説明を受けました。ここでは、約5〜18歳の子どもたちが暮らしており、①学校に通わせること、②家庭に戻すこと、③社会参画、の3つを、子どもたちに対する支援の主な内容としているそうです。住居と教育、精神的サポートを与えることで、子どもたちの将来を一緒に築いていこうとしているNGOです。
「Bayti」の入り口


もともとストリートチルドレンとなる理由としては、家庭で問題があるため(離婚など)、子どもたちの搾取や田舎からの出稼ぎ(貧しい家庭が子どもを出稼ぎとして出すが、その先で虐待や暴力の対象となり、逃げ出してくるなど)、親の育児放棄、子どもの学校の成績が悪いため、など理由は様々なようです。

この団体は、カサブランカ以外にもモロッコ国内ではエッサウイラとケニトラにも施設を持っているそうで、これらの施設周辺には合計で320人程の子どもたちが住んでいますが、実際にはこれらの都市では合計約2万人程のストリートチルドレンが存在するようです。
代表の方から説明を受ける。仏語>英語>日本語の
二重通訳だから大変だけど、スムーズに訳してました!
私も現役時代はボランティア通訳としてツアーに同行して、
こうやって通訳していたのが懐かしい。

説明を受けた後は、最近新しく出来た子どもたちの宿舎の清掃ボランティア活動をしました。子どもたちが早くこの新しい宿舎で寝れるようにと、ピースボート参加者とBaytiで暮らす子どもたちが一生懸命清掃したために、埃まみれだった宿舎もあっという間にピカピカに!
代表の方から掃除の説明を受ける

清掃活動完了!

そしてその後は施設内の見学。子どもたちが現在寝泊まりする宿舎はプライバシーの尊重のために見学できなかったけど、子どもたちが勉強するスペースや運動する校庭、食堂などを見せてもらいました。
古い電車を改良して、現在子どもたちの勉強スペースとして使われいてる

電車の中でさらに説明を受ける

校庭の壁には、過去にこの施設を訪れた参加者たちが、Baytiの子どもたちと一緒に描いた素敵な作品を発見☆


お昼ご飯は、モロッコ定番のクスクス。この日は土曜日だったけど(通常は金曜日にクスクスを食べる)、ピースボートからの訪問者が来ているということで特別にクスクスを用意してくれたようです。参加者も美味しいクスクスには感動していたようでした!


お昼の後は、毎月月末にこの施設で行われているという、その月に誕生日を迎える子どもたちの合同誕生日パーティー。4月は3人の子どもたちが誕生日を迎えたようで、ピースボート参加者たちが事前に用意した折り鶴のリースをバースデーボーイたちにプレゼントしました。
3人のバースデーボーイズ

なんと会場にはDJまでいて、昼間からというのにガンガンにディスコ系の音楽がかかって、子どもたちや参加者もノリノリ!日頃ディスコとはには絶対にモロッコでは行く機会がないので、なんだか久しぶりにディスコにいった気分でした(笑)。


ちなみに、バースデーボーイズの一人であったアダムくん(5歳)は、数週間前に近くのスラム街の路上で発見されたそうで、Baytiの人たちがメディアの協力なども経て親を探したそうですが、見つからなかったので、彼を保護することにしたそうです。ちょっとシャイだけど、笑顔がとても可愛かったアダムくんがとても印象的でした。

また、会場にいた女の子の一人の腕には、大きな青あざのようなものがあり、もしかすると虐待を受けていたのかなと思いました。

罪の無い子どもたちが、大人の自分勝手な都合によって辛い思いをさせられていると思うと、とても複雑な気分になりました。任地グルミマではどんなに貧しくても家族同士が助け合って生きている姿しか見たことがなかったので、まだまだ私の知らないモロッコの暗い側面が存在するのだと思いました。

参加者と子どもたちの交流の後は、Baytiを後にして、再び港へ戻りました。途中、バスの中で私が感じるモロッコ国内の格差のことや社会問題などについて説明させてもらいました。

途中、モロッコ最大で世界で7番目に大きいハッサン2世モスクにて写真ストップ。ストップ中に、バスの中での私の話に興味を持ってくれた2人の中年の女性たちに声を掛けて頂き、モロッコにおける女性の地位などについて話す機会もありました。

港に戻った後は、ピースボートにビジターとして入って、ひたすら懐かしのスタッフとの再会の連続でした!なんと、色々な救援物資(=日本食)も頂きまして、感謝です。


船の出港時には、船で働いている間はなかなか見ることのできない貴重な出港シーンを見送って、ゆっくりとカサブランカ港の岸壁を離れて行く船に向かってバイバイ。


私の残りのモロッコ赴任期間にピースボートがモロッコに寄港するのは、これで最後。次にピースボートに会えるのはいつ、どこかだかはまだ分からないけど、世界を旅するピースボートと私なので、またどこかで近いうちに会えるのは間違いありません。

もともと私がモロッコに協力隊で来ようと決めるきっかけをくれたのは、2009年に初めてピースボートに乗船してモロッコを訪問した時。その後ピースボートのスタッフとして3年間程働いてから協力隊に応募したのだけど、おそらくピースボートでの経験がなかったら私は協力隊に受かっていなかったかもしれない。そう考えると、本当にピースボートでの経験には感謝の気持ちでいっぱいです。

あまり恩返しができていないけど、こうやってカサブランカに寄港するときに微力ではあるけどお手伝いができて良かったです。