2013/10/22

結婚式の舞台裏 / Backstage of the wedding ceremony

モロッコでは、犠牲祭の後の結婚式ラッシュが続いています。
ラマダン(断食の月)の後の結婚式ラッシュ程ではないですが、連日家の近くやら活動先の集落でも結婚式が続いてます。

前にも書きましたが、モロッコの結婚式は通常3日間続きます。家族や親戚、友人、近所の人などを新郎・新婦の家に招いて、食事を招待客にたらふく食べてもらいます。そして、裏庭に結婚式用のテントを張って、そこで夜は招待客が音楽に合わせて踊りを楽しんだりするようです。
まだ招待客が来ていない時のテント内

犠牲祭の後に、活動先の女性たちに招待されて、私も村であった結婚式に行ってきました。でも、今回行ったのは、結婚式と言っても、華やかなドレスを着飾って招待客として行くというよりは、結婚式に来る招待客のために食事を用意する「舞台裏」の女性たちの様子を見て来た、と言った方が正しいかと思います。

今回行ったのは、活動先の女性たちの家族の結婚式でした。モロッコの結婚式は、スペースのたくさんある田舎の家では通常新郎・新婦の家で行われ、家族が招待客のために食事を全て作るために、親族は大忙し!私の同僚の女性たちも、今回は準備をする側だったので、私も結婚式に招待されたものの、招待客たちと一緒に時間を過ごすよりも、彼女たちに寄り添って準備の様子を見学させてもらいました。

土曜日のお昼過ぎに会場に着いたのですが、その頃は女性たちが大忙しで招待客に出す食事の準備をしていました。メニューは、お茶(アタイ)とお菓子から始まって、その後はチキンのクスクス → 牛肉のタジン&パン → フルーツ といった感じでした。

メニュー自体は、結婚式や日常生活でもよく食べられる食事なので、おそらく女性たちにとっても料理するのは難しくないのでしょうが、何しろ招待客の数が多い(多分男女合わせて100人くらい!)ので、15〜20人くらいの女性たちが協力して食事を準備していました。

例えば、チキンのクスクスを作ると言っても、クスクス、チキン、ソースは全て別々に調理し、最後にお皿に盛る時に1つの料理として出来上がります。
クスクスを蒸す
蒸して出来上がったクスクスを一時的に大皿に保管
クスクスの上からかけるソースを調理
チキンを油に入れて調理。
全部で20匹くらいを交代で焼いていた。
クスクス、ソース、チキンが全て調理し終わったら、
お皿に分けて、招待客に持って行く

そして、いくつものお皿に分けられたクスクスは、どんどん招待客のいるテーブルに運ばれて行きます。招待客たちは8人〜10人くらいで1つのテーブルを囲み、1皿に盛られたクスクスをみんなでシェアして食べます。ちなみに、この時に男性と女性は違う会場または違うフロアで食事をします。
子どもたちは大人と別のテーブルで食べる
クスクス独り占め(笑)

同じように、牛肉のタジンも大量に作るために、複数の鍋に分けて調理していました。
牛肉が調理されている様子
出来上がりはこんな感じ。
(あ、でもこれはまだソースがかかっていない状態。)
写真撮るの忘れたけど、
上に乗っているプルーンも牛肉とは別にあらかじめ準備される。

でも、何しろ招待客は100人程いたので、空になったお皿は洗剤を使って綺麗に洗って、また別の招待客に食べ物を出すために使われます。

このような流れ作業が手際よく女性たちによって進められ、どんどん食事が招待客のもとへ届きます。

結局、「舞台裏」の女性たちが食事にありつけたのは、午後6時頃でした。昼ご飯とはいえど、日本ではほぼ夜ご飯と同じような時間帯ですね(笑)。

この日は結婚式の1日目だったのですが、3日目の今日も同じ結婚式に行ってみたら、やはり同じメンバーの女性たちが食事を用意していました。ちなみにメニューは1日目と全く同じでした(笑)。同じ食べ物ばっかり食べて、飽きないんだろうか・・・と不思議に思いますが、モロッコ人はやはりクスクスとタジンが好きなようです。

ちなみに、同じカップルの結婚式でも、3日間続く結婚式のうちのどの部分に行くかによっても経験できることは全然違います。例えば、日中や夜に親族や友人、近所の人たちが大勢集まって食事をするような会の日もあれば、夜通し招待客が踊り続ける会、新郎・新婦が数回お色直しをして招待客を楽しませる夜などもあるようです。食事会の時は、新郎・新婦がそもそもその会場にいないことは結構当たり前なようで、結婚式に行ったのはいいけど、結局誰が新郎・新婦だかよくわからなかった、なんてことも良くあります(今回もそうでした、笑)。

今夜は、ここに書いた結婚式とは全く別のカップルの結婚式にちょこっと顔を出したのですが、どうやらこの日は招待客が食事をする会だったようで、新郎新婦のお披露目はありませんでした。男女別に部屋に通されて、食事が出てくる前の待ち時間に、女性の部屋は音楽とダンスで盛り上がっていたのですが、一緒に結婚式に行ったピースコーの男性ボランティア2人は、「男性の部屋では、髭を長く生やした中年男性たちが静かにコーラン(イスラム教の聖典)を読み上げていただけだった」と言っていました。このように、男性と女性の部屋でも雰囲気に差があったりするんですね・・・。

結婚式と言っても、国が違えばやり方も全く違うのが面白いなと思いました。

日頃は招待客として結婚式へ行って、出てくる食事を待つだけの立場でしたが、今回は女性たちが招待客に出す食事を一生懸命準備するという貴重な「舞台裏」の様子を見させてもらいました。これもなかなかできる体験ではないので、今回シェアしようと思いました。最後まで読んでくれた方、どうもありがとうございました。

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