2015/12/07

モロッコへの帰省 ①日本〜イミルシル / Return to Morocco (Part 1) - Japan to Imilchil

青年海外協力隊としてのモロッコでの活動を終えて、約5ヶ月が経った11月上旬、モロッコへ再び行ってきました!

他の隊員など周りの人に言うと、「え、戻るの早くない?」と言われるのですが、このタイミングでモロッコに戻ろうと思ったのはちょっとした偶然というか、フィーリングがあって戻ることにしました。

まず何と言っても一番の理由は、日本〜モロッコ間の格安航空券を発見してしまったから!通常往復で10万円以上はするのに、たまたまExpediaでモロッコ行きの航空券を調べてみたら、なんと65000円!!!カタール航空なのでドーハ乗り継ぎで、羽田〜ドーハ、ドーハ〜カサブランカの便なんだけど、乗り継ぎ時間も悪くない(往路は50分、復路は7時間の乗り継ぎ時間)し、タイミング的にも11月上旬だったら安いみたいだった(他の時期も調べたけど、もっと高かった)し、これは行くしかないのかな・・と思ってしまいました。

そしてちょうど同じ頃に、やたらとモロッコでアラビア語を話しながらモロッコ人と会話している夢を見ることが多かったので、これは何か呼ばれている・・・という気もして、まだ仕事も決まっていなかったのでタイミング的にもちょうどいいということもあって、モロッコに行くことを決心しました!

さて、前置きが長かったですが、ここからはモロッコへの旅の具体的な話。

久しぶり(とは言っても5ヶ月ぶり・・)のモロッコで、気持ちとしては大興奮!
羽田からカタール行きの便では、一部の乗客からアラビア語が聞こえてきたり、機内アナウンスも英語と日本語に加えてアラビア語・・・。久しぶりに聞くと、アラビア語の音の綺麗さを改めて感じました。自分ももっとちゃんとアラビア語勉強すれば良かった・・・と若干思う。

そしてカタールでの乗り継ぎは意外にもスムーズに行き、いよいよカサブランカへ!
さすがにカサブランカ行きの機内となると、乗客や客室乗務員からもアラビア語モロッコ方言が聞こえてきて、すごく懐かしい・・・。そして嬉しかったのは、客室乗務員が隣に座っていたおじさん(モロッコ人)に向かって、「食事は何がいいですか?チキン、オムレツ、パスタがありますが・・・」(⇦詳細はちゃんと覚えてないけど)と話しかけた内容がちゃんと理解できたこと!その次に「お客様はどうしますか?・・・」と私の顔を見て英語で話してきたけど、すでに隣の客へのアラビア語の案内で何の選択肢があるかわかってたので、「チキンお願いします」とアラビア語モロッコ方言(ダリジャ)で答えたら、めっちゃびっくりして、「君はダリジャ話せるのか!」と喜んでいた、笑。

飛行機は無事にカサブランカに到着し、いよいよモロッコへ上陸・・・。何とも言えない懐かしさでいっぱいだったけど、上陸後しょっぱなにある入国審査では長蛇の列・・・。モロッコパスポート保有者もそれ以外の国籍の人もごちゃまぜで、数人しかいない入国審査官のブースに並ぶこと約1時間半・・・。家に帰るための国内移動があるモロッコ人などが焦る中、順番を抜かしたりするモロッコ人(⇦よくある、よくある・・)へブーイングが発生したりして、普通だったらこちらもイライラするところなんだが、そういう部分もすごく懐かしく感じて笑ってしまう・・・。

やっと入国審査を済ませ、無事に荷物も受け取って、空港からカサブランカ市内へ電車で移動。カサブランカからその日はすぐにベニメラルというアトラス山脈の麓にある街へ移動する予定で、バスの時間もあったので急いでCTM(長距離バス)乗り場まで移動したら、直近で出発するベニメラル行きのバスは既に満席・・・。仕方なく、その2時間後に出発するバスのチケットを買って、乗り場で待つ・・・。


カサブランカからバスが出発して間もなく爆睡してしまった私は、ベニメラル(カサブランカから3時間くらい)に着く直前まで気づかず、隣の席に座っていたお兄さんに、「随分よく寝ていたね」と笑われるくらいだった(笑)。

ベニメラルに着いたのはもう21時過ぎで、その晩に泊まることになっていたベニメラル在住の隊員まっちがバス乗り場まで迎えに来てくれた。家にお邪魔してから世間話して、しばらくして就寝〜(まっち、泊まらせてくれてありがとう!)

そして翌日は、隊員時代からやってみたいと思っていた、ベニメラルからイミルシルへ行くアトラス山脈のルートへ挑戦!イミルシルとは、モロッコ国土の中央を走る3000~4000m級の山が連なるアトラス山脈の奥地にある村で、ここで毎年行われるベルベル人の婚約祭りが有名(以前イミルシルで行われた婚約祭りに行った時のブログはこちら)。

隊員時代には、JICAが安全対策を理由に移動を禁止するルートや移動手段、行ってはいけない地域などがあって従わなければいけなかったのだけど、もう隊員ではないので、もちろん安全面には最前の注意を払いながらも、周りの広大な自然が綺麗で以前から通ってみたかった山道をくねくね進むベニメラル〜イミルシルのルートを通ってみることにした。

ベニ〜イミルシルの移動手段は、私が現地の人に聞いてみた限り、グランタクシー(乗合タクシー)とファルゴ(乗り合いミニバス)を乗り継ぐしかない。ベニメラル〜エル・クシバ(El K'siba)、エル・クシバ〜アグバラ(Aghbala)、アグバラ〜イミルシルというのが一番良いルートらしく、結局移動には5〜6時間かかった。おまけにどんどんと標高が上がっていくので、途中で気温も下がっていき、防寒着も必要。あと、途中舗装されていないような細い山道を通る部分もあるから、雨が降ったあとは通行が若干危険そう・・・。私が通った日は曇っていたけど雨は降っていなかったので、特に問題なかった。
こちらが私の通ったルート。モロッコに馴染みのない観光客や、現在活動中のよい子の隊員の皆さんは、真似しない方が良いかと思います。

同じ部分を地形のもう少しわかりやすい地図で見ると、
結構な山道なのがよくわかる。



移動中は、他の観光客なんて一切いなくて、グラタクもファルゴも全員乗客はモロッコ人。初めて通るルートだったから若干不安だったけど、ダリジャが喋れるのでとりあえず最低限のコミュニケーションは取れるし、周りの人も親切にしてくれる。途中ファルゴで立ち寄ったイミルシルから60kmくらい離れた集落ではスーク(青空市場)が開かれていて、トイレに行くためにファルゴの外に出てスークの中を通ったら、こんな山奥の僻地に外国人が珍しいからか、子どもたちが何人もついてきてしまった(笑)。みんな、気になって気になって仕方なくって、ひたすらこっちを見て手を振ってくる。ファルゴに乗った後も、車の外でずーっと笑って手を振っていたのが印象的だった。どこのモロッコ人の子どもも同じだなーって。

そしてイミルシルへ着いたのは夕暮れ時に近い午後4時半頃だっけかな。途中、雪に覆われたアトラス山脈や広大な渓谷、そして有名なイミルシルの湖も見えたのだけど、天気がずっと曇りだったので、あまりいい写真は撮れなかった・・・。


イミルシルの湖の一つ、Tisli。天気悪い!

イミルシルに着いて迎えてくれたのは、モロッコ人のアジズ。彼はイミルシルで宿を経営していて、トドラ渓谷で宿を営む日本人の典子さんに「イミルシルに泊まるならここがいいわよ」と紹介してもらった。イミルシルは標高2200mの山の中にあるので、11月上旬でも陽が落ちた後はかなり冷え込む。早速、アジズの宿のレストランにて、暖かいモロッカンティーとハリラ(スープ)が出てきて、やっとモロッコに来たな、という実感がすごく湧く。
フツーのモロッコのお茶なんだけど、妙に懐かしく感じた

ホテルの部屋に通してもらったけど、アジズは「ホテルの部屋でもいいけど、僕が家族と暮している家の方が暖房があって暖かいから、もしそっちでもいいけど」と言ってくれたので、家を見に行ってみることにした。ホテルから2〜3分歩いたところにあるアジズの家は、普通のベルベル人の家。確かに、リビングには薪ストーブがあって暖かい。奥さんも子どももお父さんやお姉さんも一緒にいるので安心だし、こっちの方があったかいと思って、家に泊まらしてもらうことに。

そんなことを思いながら外に出たら、すごい夕焼け!なんか夕日が「マルハバ(ようこそ)」って言ってくれているような気がしたくらいに、アトラス山脈の秘境イミルシルへやっと到着したことにホッとした。
ちなみに外はこの時点で、既に息が白くなるくらいに寒い!!

家では子どもと一緒に遊んだり、久々にモロッコのテレビ見ては懐かしいなーと思ったり。

そして夕飯は念願のタジン!!やっぱり集落で作られるタジンは、味が染み込んでて一番美味しい気がする。

そして夕食後は、グルミマでいつも集落に泊まる時と同じように、リビングに寝床を作ってもらい、集落の生活を懐かしく思いながら眠りについたのでした。

翌日は、前日の曇り具合が嘘だったかのように晴天!アジズには、「明日晴れたらTisli(ベルベル語で花嫁を意味する)の湖に行きたい」と言っていたので、約束通りに湖へ行くことに。アジズはベルギーから来ていた旅行客も案内することになっていたので、彼らと一緒に、馬とロバを使ってイミルシルの中心地から徒歩で約1時間くらい離れたところにあるTisli湖へ向かった。
イミルシル村の朝

途中、日本ではその時まだ見られなかった紅葉した木々や、任地グルミマなどの田舎でよく見かけた、たっくさんの草を積んで歩くロバの姿とかが目に入ってきて、綺麗だった。




そして、湖の方へ進むほど周りの景色は壮大さを増し、自然の厳かを見せつけるようにアトラス山脈の何十にも層を成した岩肌が見えてくる。それに加えて、永遠に続く真っ青な空!そうだー、こういうアトラスの風景が大好きだったんだけーと思い出す。


 朝晩は寒いけど、日中のアトラスの日差しは強い。少し歩いただけでも暑くなってくる。

そして村を出発して約1時間半後、いよいよ湖が見えてきた!
以前来た時はあいにくの曇りで、晴れの時にはエメラルドグリーンに見えると聞いていたTisli湖。今回はエメラルドグリーンに見えるかー!と思ったけど、意外にグリーンというよりは、青だった(笑)。
 湖面の近くまで行くと、水はすごく透き通っていてるのがよくわかる。
でも、見る部分によっては若干エメラルドグリーンに見えるところもある!

湖には誰もいなくってとっても静か。本当は、ここからさらに6キロほど離れたところにあるIsli湖(花婿を意味する)にも行きたかったのだけど、そこに行くには人通りのほとんどない道を進み山を越えていかないとたどり着かないらしく、スーク(青空市場)がある時にトラックが通ったりするくらいなので、行くにはなかなか難しいとか。でも、その湖はもっと大きくて、1日のうちに2度湖面の色が変わるとか・・・。おまけに夜は星空が綺麗で、湖面に反射した星空は素晴らしいとアジズは言う。残念ながら時間の制限もあるので、悔しいけれどもIsli湖は次の機会にすることにした。

この日はイミルシルからトドラ渓谷に移動する予定になっていたので、お昼にはイミルシルに戻らないといけない。途中、こんな風景(下)を目にしながら、ほとんど人通りのない道を歩く。
上手に馬に乗るジェラバ姿のオヤジ
アトラスで見る青空は本当に澄んだ蒼で美しい

ロバに乗るアジズ。
たくさんの羊を放牧しているノマド(遊牧民)もいた




そして、アジズにお礼を言って無事にトドラ渓谷方面へ行くファルゴ(乗り合いミニバス)に乗って、イミルシルを後にした。

続きは、「モロッコへの帰省②」にて!

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