2014/11/11

アショーラ祭り、再び / Festival of Ashoura, again

去年のブログにも書きましたが、今年もグルミマ特有の「アショーラ祭り」に行ってきました!

アショーラとは、イスラム暦の新年から10日目の日のことを指し、この日の前後はモロッコ各地で子どもたちがお菓子やお小遣いをもらいに街を歩き回る習慣があります。この部分は少し西洋のハロウィーンの雰囲気と似ているかもしれません。

ただ、グルミマのアショーラ祭りはモロッコ国内の中でもかなり独特で、グルミマに昔住んでいたユダヤ人が持っていた伝統が発祥であり、それにこの地に代々住んでいるベルベル人の文化が混ざり合って出来上がった、ちょっと風変わりで不思議なお祭りが毎年開かれるのです。いつもアショーラの日の夜と翌日の夜の2日間に渡って、グルミマでは一番古く大きなクサル(要塞化された村)の前の広場にて開かれます。

ちなみに、JICAモロッコボランティアの機関誌「クラージュ」のお祭り人気投票では、なんと3位に選ばれたお祭りです!(笑)。私は実は別のお祭りに一票投じましたが、グルミマのアショーラ祭りに一票を投じた隊員は、よっぽど風変わりでシュールなお祭りが好きなんでしょう(笑)。

グルミマのアショーラ祭 りでは、確かに子どもたちが 街を練り歩いて大人にお菓子やお小遣いを求めたりする場面もありますが、それよりも目立つのはなんといってもハロウィーンのように怖いお面や謎の仮装をした子どもや若者たち!

お祭り1日目の夕方に活動先の集落からグルミマの街へ帰る途中、既にロバに乗って仮装をした男性を発見・・・。ちょっと気が早いですね。

本格的に仮装した人がお祭り会場にたくさん集まるのは、家族みんなでクスクスの夕食を食べた後からです。

この日は前から仲良くしているモロッコ人女性のお家に招待されていたので、そこにて、ピースコーボランティアや他の街からわざわざやって来たモノ 好きなJICAボランティアたちと一緒にクスクスを頂きました。


ちなみに中央にのっているのは、一ヶ月前の犠牲祭の時に犠牲になった羊の臓器・・・(コルダーツという)。去年も頂いたけど、あんまり好きじゃないので少しだけ今年も頂きました。

そして夜9時過ぎ。ピースコーボランティア数人と、モロッコ人家族数人と、JICAボランティア数人で、いよいよお祭り会場へ!

会場に向う途中の道は既に怪しい仮装をした若者たちばかり・・・!


会場に着くと既に結構たくさん人が集まってました。去年はクサルの中にギャラリーを持つアッディさん率いる音楽隊が、お祭りに出動する前になんだか不思議な空間に包まれながら仮装の準備をしているのを思い出して、早速夜のクサルに突入。
この怪しい雰囲気の夜のクサルが結構好き・・・

アッディさんとその仲間2人を発見し、ギャラリーに入らせてもらったけど、今日はどうやら演奏はしないようで、去年もかぶっていた巨大な顔のマスクをアッディさんともう1人の男性が被ってお祭り行くようだったので、私たちも彼らについて行くことにしました。




そして再び会場の広場に出ると、広場は人でたっくさん!仮装している若者たちからはお酒の臭いがする人も結構いて、ちょっと危険な雰囲気も漂ってましたが、しばらくモロッコ人友人とピースコーボランティアと一緒にお祭りの様子を見学して、途中で寒くなったので帰ってきました。
なぜかクマちゃんを抱えた人が・・・
ロバくんも乗り回されるばっかりで、
たまったもんじゃない・・・
なけなしのラジカセを持ち歩いて音楽流す人、
多数。
何かのビジュアル系バンドみたい・・・笑
なけなしのラジカセで音楽流して、円になって踊る仮装集団、笑。
シュールすぎる。。。
芳香剤や殺虫剤とライターを使って火を吹く人もたくさん


2日目も前夜一緒に行ったモロッコ人とピースコーボランティア数人で、お祭りに繰り出すことに。噂によると、1日目よりも2日目の方が音楽隊が出動したりしてお祭りの雰囲気は良いようで、2日目もアッディさんの音楽隊の様子を見に行こうと思ってクサルに入ったら、ちょうどアッディさんの音楽隊がクサルから出てくるところでした。

アッディさんたちの音楽隊が出てくると、広場にいた人たちはたちまち音楽隊を中心に丸くなって、地味な音楽だけどおそらく伝統的(?)な演奏を聞いていました。
アッディさんの音楽隊、出動
サックスが弾けるアッディさん、すごい!
(彼は音楽だけじゃなくて自分でアート作品も作っている)

去年は結構長い間音楽演奏してくれた気がするけど、今年は15分程で音楽隊の演奏は終了。過去にグルミマにいた先輩隊員も書いていたけど、アッディさんたちの音楽隊は伝統的なアショーラ祭りを保ちたいのに、最近のアショーラ祭りでは規律が失われ、若者のただの悪ふざけの祭りになってきていているから、今後は音楽の演奏は続けられるかわからない、と嘆いていました。
アッディさんのギャラリーの前にて
(この2人はアッディさんとは一切関係ない・・・)

アッディさんたちの音楽隊が去ってからは、他の音楽隊(?)が結婚式の時に演奏するような音楽を演奏して、 その場を盛り上げてくれました。

1日目程ではないけど、やはりお酒を吞んで祭りに参加している若者もたくさんいて(臭いで分かる)、そもそもイスラムではお酒を飲むことは許されないから、イスラム教徒である彼らが飲酒行為をするのは良くないことなんだけど、普段はおそらくこんな形ではしゃぐことはあまりない田舎街のグルミマのような若者たちにとっては、このようなお祭りは彼らにとってはしゃぐ貴重な機会なんだろうなー・・・と思いました。もちろん酔っぱらって人に迷惑をかけたりすることや、そもそもムスリムが飲酒することはいけないことなんだけど、やってはいけないことをやってみたくなるのが人間の欲望・・・、と思うと、お祭りではしゃいでいた若者たちが何だかとても人間臭く見えました。



2年間連続で見て来たこのシュールさ満点のこのお祭りも、もう来年は見る機会がないと思うとちょっと名残惜しくなりました。このなんとも言えないグルミマ独特のB級祭り、私はかなり好きです。

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