2013/08/10

今日は何の日?(2)〜8月9日〜 /What day is it today? (2) - August 9

8月6日の「今日は何の日?」に続き、2回目の「今日は何の日?」シリーズ。
もちろん、日本の皆さんは知っていると思います、8月9日のことを。

今日8月9日は、68年前に長崎に原爆が投下された日。

8月6日は、活動先にて英語の授業があったから、生徒たちにヒロシマでの惨劇のことを簡単に教えることができたけれども、今日8月9日はモロッコではイスラム教の断食の月ラマダン明けのお祝いの日(注:イスラム暦によってこの日は毎年変わる)となり、活動はお休みでした。(このラマダン明けのお祝いについてはまた別途記事を書こうと思います。)

お祝いの日の今日、前から親しくしてもらいっているお向かいさんのアフメドじいさんのお家に行って、ラマダン明けの初の朝食を頂きました。その時に、ひょんなところからアフメドじいさんが、「日本は戦争をしたことがあるのかい?」と私に質問してきたので、「あるよ。日本は過去に米国などと戦争をしたことがあって、今日8月9日は、日本のナガサキという町に原爆が落とされた日なんだよ。」と説明しました。「原爆(仏語では"bombe atomique"」という言葉は聞いたことがあるようで、私のつたないフランス語でも理解してくれたようでした。

お祝いモードなモロッコで、68年前の今日、ナガサキに原爆が落とされたことをモロッコ人に伝えるのもなんだかちょっと気が引けます。さすがに今日は、原爆の話をしたのはアフメドだけでした。

原爆や核兵器の恐ろしさを海外の人たちに伝えることは大事だと思います。
でも、それと当時に、原爆を経験した日本の国民として、もっと日本人、特に若者も、核兵器の問題や原発の問題に関心を示してもいいのではないかと思います。というか示すべきだと思います。

別に、この問題の専門家になれと言っているのではないです。もう少し、自分たちの将来にも関わってくるんだということを認識し、真剣に議論するべきではないかと思います。

例えば、核兵器と原発は同じ原料から来る、ということはどれだけの日本の若者が知っているのでしょうか。

福島第一原子力発電所事故は未だに収束していない(政府は収束宣言をしましたが、未だに汚染水の問題や避難者の問題など、多くの課題は存在する)のにも関わらず、核兵器と同じ原料から成る原発を海外に輸出したり、日本の原発を再稼働したりしようとしている現在の自民党政権。

そんな自民党が圧勝した参議院選挙が最近ありましたが、こういった選挙にも、若者たちは、政治と自分たちの生活や将来との関係性を見いだせないと、投票に行くことはないのでしょう。


2013年8月9日に長崎市で開かれた平和記念式典で、長崎市長が発表した平和宣言があります。その一部には、こう述べられています。

 「核兵器のない世界の実現を、国のリーダーだけにまかせるのではなく、市民社会を構成する私たち一人ひとりにもできることがあります。 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」という日本国憲法前文には、平和を希求するという日本国民の固い決意がこめられています。かつて戦争が多くの人の命を奪い、心と体を深く傷つけた事実を、戦争がもたらした数々のむごい光景を、決して忘れない、決して繰り返さない、という平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠です。

 若い世代の皆さん、被爆者の声を聞いたことがありますか。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」と叫ぶ声を。 
 
 あなた方は被爆者の声を直接聞くことができる最後の世代です。68年前、原子雲の下で何があったのか。なぜ被爆者は未来のために身を削りながら核兵器廃絶を訴え続けるのか。被爆者の声に耳を傾けてみてください。そして、あなたが住む世界、あなたの子どもたちが生きる未来に核兵器が存在していいのか。考えてみてください。互いに話し合ってみてください。あなたたちこそが未来なのです。」 
全文は、http://www.city.nagasaki.lg.jp/peace/japanese/appeal/を参照)


まさにこの宣言に述べれていることが、私たち日本の若者ができることの1つなのではないかと思います。

まずは知ること、そして行動すること。
それが、より良い世界を作っていくのではないでしょうか。

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