2013/11/21

ちょっとずつ活動は前進していく・・・ / Shweea b shweea, my work is moving forward...

最近は、「●●祭りに行ってきました!」のような記事が続いていたので、少し活動の進捗状況について書こうと思います。

現在、2つのアソシエーション(女性団体)で活動していて、1つの団体は赴任直後から関わっているけど、もう1つは私が関わり始めてからまだ2ヶ月程しか経っていないので、改めて地域のニーズを確認するためにも住民参加型ワークショップをやらせてもらいました。

男性グループと女性グループに分かれて、
1)地域の抱える問題
2)それら問題に対してアソシエーションが既に取り組んでいること
3)今後アソシエーションが取り組みたいこと
を考えて、洗い出して、それを1つの表にしてもらいました。
参加型ワークショップに取り組む男性たち。
他にも、女性たち10人くらいが参加してくれた。

ただ、全部アラビア語で書いてもらったので何が書いてあるかさっぱりわからず、後でフランス語に訳してもらいました(笑)。

そしてワークショップの結果を元にして現在取り組んでいる(あるいは今後取り組もうと思っている)ことは、以下の通りです。

1)手工芸品や地元特産品などの商品販売を通した現金収入向上
(現状把握、手芸グループの組織化、商品開発と製作、質の改善、販路拡大など)
2)識字教育や健康・生活向上のための啓発活動
(英会話レッスン、保健や環境教育、健康改善のためのアクティビティなど)
3)地域間の格差を軽減する
(集落間のアソシエーション連携を通した、脆弱なアソシエーションの組織運営強化など)
※上記は、赴任6ヶ月後にJICAに提出する「活動計画表」にも書いたこと


1)手工芸品や地元特産品などの商品販売を通した現金収入向上
手工芸品開発は、赴任してから3ヶ月程経った7月頃から、女性団体の1つで本格的に取り組んでいます。

団体設立が1998年で、長年の経験と所属する女性たちの手工芸スキルが高いこの団体団体(団体Wとする)では、他の協力隊員たちも認める程ベルベル刺繍の質が高くて、隊員や地元の人たちからも少しずつ注文が入るようになりました。

最近嬉しかったのは、以前は商品を作る時に型紙なんで一切使わずに適当な大きさで布を切っていた女性たちが、型紙を使って商品の布を切っている私の姿を見て、自分たちから型紙を用意し始めたことでした!

他にも、団体Wでは、手工芸グループの女性たち7人を手工芸の講師として立たせ、若い女の子たちに伝統的なベルベル刺繍のやり方やフェズ刺繍のやり方を教えてスキルを共有し、商品を作る過程に若者たちを巻き込むような動きが出てきています。この案は、元々私がもう少し後の段階で行おうと思っていたのに、団体Wの役員の1人であるモロッコ人男性が、この案を私よりも一歩先に自主的に取り入れてくれました。
手工芸グループの女性(中央)が先生となって、
若い女の子たちに編み物や刺繍を教え始めるようになった


また、「なんで型紙を使って布を切ることが大事なのかなど、理論の部分を女の子たちに教えてほしい」という依頼もきたりして、少しずつモロッコ人が中心となって積極的に動いてくれている姿に最近は感動しています。


一方で、まだ設立してから3年しか経っていない、集落のもっと奥にある女性団体Nの方では、ミシンが壊れていたり資材の不足などの理由で、なかなか商品開発に至るまで道のりは長そうで私もどうしようかなあと思っていたのですが、こちらの団体でも最近になって少しずつ動き始めました。

11月初旬にグルミマに他の隊員たちが4人くらい遊びに来て、その時に私の活動する団体Nでベルベル刺繍を習ったのですが、それ以降、活動先の女性たちが積極的にベルベル刺繍をやるようになって、よく見てみると彼女たちの作る刺繍はなかなか質が高いことが分かりました。それを見て、「今度ラバトに行く時までに、質のいいベルベル刺繍の商品が出来上がったら、ラバトで販売してくるよ」と言ったら、今までは編み物ばっかりやっていた女性たちが、今日は来ていた女性たちほとんどが一斉にベルベル刺繍に取り組んでいました(笑)。(←もちろん、隊員向けのラバトでの販売会だけを頼りにしているわけにはいかないので、いずれは別の販路を開拓しなければいけないけど、最初は勢いをつけるためにも隊員向けの販売会は良い機会だと思っています。)



2)識字教育や健康・生活向上のための啓発活動
実は、2週間程前から活動先である2つのアソシエーションにて、英語の補習授業を行うようになりました。今担当しているのは全部で3つのクラス。2つは大体16歳〜18歳の学生を対象とした初級〜中級クラス(1時間半)、1つは大体14歳〜16歳の学生を対象とした初心者クラス(1時間)。

日本では塾で英語を個人レベルで教えたことはあったけど、数十人の生徒の前に立って英語を教えたことはモロッコに来るまではなかったので、どうしたらいいのか戸惑う部分もありますが、ニーズがあって英語を教えることになったので、地域の若者の教育のためにもできる限りのことはやろうと思っています。

授業そのものをやるのは結構楽しいのですが、その前に必ず必要なのが、レッスンプラン!これが結構時間がかかるし面倒くさかったりもする・・・。生徒のレベルや学校で教わっているカリキュラムに合った内容でやることが必要なので、実は授業よりもレッスンプランを作る方が時間がかかります(私にとっては)。

でも、生徒たちはやる気がある子ばっかりだし、英語を話す時は私も自分が自分らしくなれることが最近分かってきたので、楽しみながらやろうと思います。
教室を1つ借りて英語を教えている集落の小学校



そして、「活動計画表」にも書いた、保健や環境教育に関しては、実はまだほとんど進んでいません・・・。学校での活動の許可は取れたし、やる気のある先生がいるので、その先生と進めて行こうとは思っているのですが、上記の活動で最近私も忙しいし、先生も忙しかったりで、年末までに何か始めることができれば良い方かもしれません・・・。


3)地域間の格差を軽減する
(集落間のアソシエーション連携を通した、脆弱なアソシエーションの組織運営強化など)
これはなかなか難しい問題・・・。アソシエーション同士で仲が悪かったり、自分たちの成功の秘密を他の団体にシェアしたくなかったり、となかなかアソシエーション同士の連携は難しい・・・。そして、組織運営強化を後押しするとはいえど、モロッコのアソシエーションの運営方法の仕組みや法律などの理解がまだ浅い私には、まだまだなかなか役に立てていない気がします。

ただ、私ができるのかなと思うのは、アソシエーション同士の連携の架け橋になるということ。実際に、私が間に立って団体Wと別の団体でミーティングの場を持たせたことがきっかけに、団体Wの活動に勢いがついたという経験があるので、このようなアソシエーション同士の連携も、少しずつではあるけども後押ししていきたいと思っています。


いろいろ考えているうちに、今年も残すところあと1ヶ月とちょっと。年を越したら、もうその後はあっという間に赴任1年という節目を迎えることになる。もっとあの時こうしておけば良かったと後から後悔することないように、引き続き活動に力を入れていかないと!と思います。

2 件のコメント:

  1. あらちゃんのブログ久しぶりに見たけど、すげえな。さすがだわ。
    濃い半年を送ってきたね。
    私も今できることを地道にやっていきたい。

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    1. いやいや、どっちかというと私がどうかというよりも、カウンターパートが有能な人たちで、彼らが色々動いてくれているおかげだよ。
      ちなみに、ツマル祭りの後にグルミマのアソシエーションにみんなが来てくれた以降なんだよ、集落の奥にあるアソシエーションがタハルートをいきなり積極的に作り始めたのは。もしかしたらみんなが良い刺激になったのかもしれない!

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