2014/01/29

衛生教育と性教育@タオス / Sanitary and sex education @ Taouz

前回のブログに引き続き、今回もエルラシディアグループ派遣の活動で企画したイベントについて書こうと思います。

前回はゴミ拾いと手洗い講座、そして食育の企画を実施するためにアウフースに行ったのですが、今回はタオスという、メルズーガの砂漠よりももっと南に位置し、アルジェリア国境から近い町に行ってきました。

ここには寮生の中学校があって、教育省のJICAボランティア担当者によると、この学校では寮にあるトイレが清潔に使われていないという問題があり、この学校にて清潔なトイレの使い方の講座を行ってほしい、という案が前から上がってました。

タオスはエルラシディアから南に車で2時間程進んだところにある町。企画当日は朝早くエルラシディアを出発する必要があるために、私はエルラシディアの隊員の家にて前泊。

ちなみに、グルミマ〜エルラシディア間の道路からは、近くの岩山に雪が積もった景色が見えて綺麗でした!(別の日に撮影したものだけど・・・)

早朝、エルラシディアの市場の前に集合して、教育省のボランティア担当者と幼児教育担当者の女性と隊員数人を乗せたミニバスで出発!ミニバスといっても、実はこの日教育省が手配したのは真っ黄色のスクールバスでした(笑)。いいのか、このバス貸し切って・・・。
朝日が眩しい・・・

タオスに向かう道中に、アウフースとエルフードに住む隊員をピックアップし、どんどんメルズーガの方へ進んで行きます。そして、メルズーガを横目にしてその先約30kmのところにあるタオスの学校へ。
メルズーガの砂漠を通り過ぎる

そしてやっと目的地の学校へ到着!
メルズーガの周りはずっと砂丘なのかと思っていたけど、任地グルミマやエルラシディア付近とあまり風景は変わらない、茶色の岩山と砂漠が広がっていました。
広大な自然の中にあるタオスの学校の前
早速、校長先生やら担当者の先生が迎えてくれて挨拶し、その後すぐに問題となっている寮のトイレを拝見・・・。

トイレは思ったよりも汚れていなかったけど、ちょうど掃除のおばさんが綺麗にした後だったのもあったようで、普段はもっと汚いとか。
寮のトイレ。モロッコのトイレでは、バケツに水を汲んで、
用を足した後にその水で流す。

今回の企画の会場は、寮の食堂。早速会場でPCやパワポ用のプロジェクターを準備しているうちに、学生たちも集まって来て、会が始まる頃には会場が学生でいっぱい。この日は全校生徒にあたる300人程の男女の中学生が集まってくれました。

第一部は、看護師隊員によるトイレの使い方の講座。この日に写真に撮った寮のトイレの写真を見てもらって、「あなたたちの学校のトイレはきれい?」という鋭い質問を投げかけ、「汚い」というコメントがあったので、「じゃあ皆でどうやってトイレをきれいに使うことができるか考えよう」など、参加型で講座を進めていく。生徒たちも色んな意見を出してくれて、なかなか有意義な会でした。

そして第二部は、女性の体を知るための性教育。イスラム教であるモロッコでは、性のことを話すのは社会的にもタブー視されているところもあるのでかなり繊細なトピック。当初は女学生のみ聞いてもらうということだったけども、教育省の担当者は「これは男子生徒にとっても大事なテーマで知っておくべきだ」と述べ、結局、講座を聞いてもらう前に、もしこのテーマを学ぶのが恥ずかしいと思う人は、今部屋を出て行ってもらっても癒結構です、と事前に断った上で講座を開始しました。

結局、300人程の生徒の中で会場を去ったのは20人程度。残った生徒たちも、最初は恥ずかしがって顔を覆ったりする人がいたけど、途中から顔が真剣になり、一生懸命聞き入ってました。内容は、男女の体の違いや女性の体のこと、そして受精や命の大切さに関することなど、盛りだくさん。助産師隊員が、教育省のモロッコ人女性と一緒にスライドやビデオを使って分かりやすく説明していきました。


会の後も、関心のある女の子たちはその場に残って質問したりして、時間は大分オーバーしてしまったけども、有用な情報は与えることができたようでした。また、「こういった情報を得るのは初めてだった」という子もいたようですから、今回のことをきっかけに、自分たちでも情報収集をすることにつながればいいなと思います。

そして、お昼の時間。どうやら男子生徒と女子生徒は食べる時間が分かれているようで、まずは男子生徒が食堂で食べる時間で、その後が女子生徒が食べる時間。その合間をぬって、みんなで集合写真。


お昼は嬉しいことにベルベルピザとタジン!まさかここでもベルベルピザを食べれるとは!

ご飯の後は、ボランティアたちと担当者で今日の企画の振り返り。良かった点と改善点などを出し合って、今後の企画につなげていきます。結局、学校では十分に振り返る時間がなくなってしまい、とりあえず学校を後にすることに。

そして、せっかくメルズーガの砂漠の近くまで来たので、帰りはメルズーガにてちょっとだけストップ。記念にジャンプショットを隊員と一緒に☆

帰りのバスでは疲れてみんな爆睡・・・。でもリッサニの近くにあるラクダのミルクが飲めるところに立ち寄ってもらって、初めてラクダのミルクを飲んでみました。値段は1カップで25DH(約250円)とちょっと高めなので、隊員6人で回し飲みしてみました。

そしてお味は・・・。
なんと、わりとさっぱりして飲みやすかったです!
ちょっとだけ塩っぽい味がしたけど、感覚としては半脱脂牛乳って感じで、以外にも美味しかったです。もし興味ある方は是非。

私は実はラクダのミルクよりも、ここで飼育しているラクダの赤ちゃんの方が興味があったので、真っ先にそっちへ。

いたいた〜、白いラクダの赤ちゃん・・・。


写真だけみると、むしろラクダ何だか分からない感じですが、ちっちゃくて可愛かったです。。。

帰りにエルフードとアウフースに住む隊員を下ろして、エルラシディアに帰りました。その後、私の任地の隣町ティンジダッドに住む隊員と一緒に、「うちらはまだ帰り道があるね・・・」なんて言いながら、エルラシディアからグルミマまでバスに乗って帰ってきました。いやー、長い一日ですごく疲れましたが、色々な活動をして充実した一日でした。

今後、今回行った企画のフォローアップとしてまたタオスの学校を訪れる予定です。その時には、少し良い変化が見られるといいなと思います。

2014/01/27

手洗い指導、ゴミ拾いウォーク、食育@アウフース / Errachidia group activities @ Aoufous

ここ最近は、自分の活動と、以前書いたエルラシディアグループ型派遣の活動に追われて忙しい日々を送っています。

エルラシディアグループ型派遣では、エルラシディア県にて活動するボランティアたちが関係省庁やボランティア同士で協力して、エルラシディアの住民の生活の改善に貢献するといったことが目標です。ちなみに、現在10名エルラシディア県にいるボランティアの職種は、助産師、看護師、小学校教諭、PCインストラクター、村落開発普及員、幼児教育です。自分の日頃の活動に加えて、ボランティア同士が互いの専門性などを活かして、それぞれの任地に限らずエルラシディア地域全体で、できることを協力してやっていく、といったようなグループで行う活動です。

その一環として、11月からエルラシディアにてゴミ拾いウォーキングを毎月やってきました。なにしろ、モロッコはポイ捨てが多くて、景観が綺麗な所にもゴミがたくさん落ちていたりして残念なところも多く、ゴミのポイ捨てを減らそうという意識を少しでも与えるために、一般の人たちにも募集をかけてモロッコ人と一緒にやってます。


今回は村落隊員が活動しているアウフースという小さな町の小学校で、児童を対象とした手洗いの指導とゴミ拾いウォーキング、そして集落の女性を対象とした食育の講座を行うことになりました。

エルラシディアに前泊して、朝早くアウフースの小学校に到着。

校長先生と会って、簡単な打ち合わせをしているうちに、小学生たちが集まってきました。

まず午前中は、手洗いの指導とゴミ拾いウォーキング。看護師であるマリーカさんが中心となって、アラビア語を使って児童たちの前で、手洗いの大切さややり方を子どもたちに伝えます。

なんで隊員自身が説明しないかって?それは、言語的な壁もあるけど、それに加えて、いつか去ってしまうボランティアがやるよりも、地域にいるモロッコ人が、ボランティアがいなくなっても継続できるように、伝えてほしい内容をボランティアがモロッコ人に伝えた上で、モロッコ人にやってもらっているのです。

子どもたちにより覚えてもらえるように、過去の看護師隊員が作った「手洗いの歌」も子どもたちに教えて一緒に歌って、正しい手洗いのやり方を覚えてもらいます。急遽、ピアノを弾く予定だった隊員がお休みとなり、私がその場でピアノ伴奏をやることになりちょっと焦ったけど、なんとか終了・・・。久しぶりに楽譜読みました。

そして手洗いの後は、子どもたちと一緒に集落のゴミ拾いウォーキング。8つのグループに分かれて、子どもたちと一緒に集落を歩いてゴミを見つけてはそれを拾っていきます。私のグループの子どもたちは男児ばかりで、どっちかというと、「どれだけ早く袋をゴミでいっぱいにできるかの競争!」みたいな感じで、ダッシュで集落を駆け巡り、ゴミを拾ってあっという間に袋をいっぱいにしてしましました(笑)。

ゴミ拾いの後は、汚れた手を実際にきちんと洗ってもらうために、トイレの蛇口で1人1人手を洗ってもらいました。様子を見ていたら、結構みんな教えた通りきちんと洗っていて感心!ずっとこの調子で続けてくれるといいけどなあ・・・。


そして子どもたちは一旦解散し、私たちはお昼ご飯を食べに近くのオーベルジュに。

・・・のはずが、オーベルジュのスタッフに連れられて、近くに洞窟があるから少し見に行こう、となり、ゴツゴツする岩山を炎天下の中歩くことに・・・。


「近くにあるからちょっと見る」的な感覚だったので、すぐに着くんだろうと思っていて歩き続けてもう1時間・・・。洞窟どこにあるんだー!!!っていうか、ここまで1時間かかったならば帰るのに1時間、洞窟見る時間も入れたら、絶対に午後のプログラムに間に合わない!ってことになり、洞窟は見ずに引き返すことに。。。

冬の日差しとはいえど、モロッコの日差しは強い!そして、あまり慣れないゴツゴツの岩の上をずっと歩いたのもあって、汗だくでした。しかしそれにしても、この地域の景色は相変わらず壮大・・・!




















やっとアウフースの集落に戻って来て、クスクスのお昼ご飯を頂き、午後のプログラムのために再び学校へ。

午後は集落の女性を対象とした食育。モロッコの食事には砂糖やオイルをたくさん使った食事が多かったりするので、バランスのとれた食事や適度な運動が大切ですよ、的な内容の講座をマリーカさんが行ってくれました。女性に加えて、午前来た子どもたちもたくさん集まってました。

全部のプログラムが終わった後は、この日のフィードバックや今後の活動の話をして、アウフースを後にしました。

この日に来た子どもたちや女性たちにとって、何か新しい学びや刺激があったらいいなと思います。継続することが大事なので、またアウフースでこのような活動ができればいいと思います。

2014/01/20

「サダカ」という慣習 / Custom called "Sadaqah"

イスラム圏であるモロッコでは、「サダカ」という自由喜捨を意味する言葉を時々耳にします。(イスラム教の五行の一つである「喜捨」(ザカート)という言葉もありますが、これは制度喜捨を意味し、「サダカ」は自由喜捨、つまり任意で慈善行為をするということを意味するようです。もともとは窮困者を助けるための行為のようです。)

任地グルミマに赴任してから間もない時に、いきなり道の脇で数人の人たちが集まって、巨大なお皿に乗ったクスクスを食べていたのを見たことがあります。一緒にいたモロッコ人に「あれは何?」と聞いたら、「あれはサダカだよ」と言われました。

そうしたら、「君も食べて行く?」とそのモロッコ人に言われたので、「え?でも私、この人全然知らないんだけど・・・」と言ったら、「そんなの関係ないよ。来なさい」と言われて、クスクスを提供していた女性は全く知らない人でしたが、頂くことにしました。道行く人も、面識がなくても寄って来て、クスクスを提供してくれた女性からスプーンを受け取って、数口食べたら去って行きました。
大さじスプーンがティースプーンに見える程大きな木のお皿に、
たくさんのクスクスがのっている

知っている人に食べ物を差し出すならまだしも、全く見知らぬ通りすがりの人までにも食事を作って、それを道端で提供する・・・って、日本人にとってはなかなか見慣れない光景です。同じモロッコでも、都会だと食事を道端で提供する姿は見たことない、という隊員もいるのですが、田舎のグルミマではよく道端でクスクスをサダカとして提供している姿を見かけます。

ある日活動先でファティマという女性がお休みだったので、「ファティマは今日どこ?」と聞いたら、他の女性が「今日は彼女はサダカをしているから忙しくって来れない」と言っていたことがありました。

そして2週間程前には、活動先の同僚の女性に「うちで明日の夜にサダカをするからいらっしゃい」と言われたので、行ってみました。なんと集まったのは女性約50人、男性もおそらく同じくらいの人数!(基本、モロッコ人の家庭でたくさんの客を招いて食事をする時(結婚式やサダカの時)は、男女が別々の部屋で食事をするので、正確な男性の数は不明。)

結婚式もサダカの時も、集落の女性が集まる時は、ベルベル刺繍のタハルートのオンパレード!待っている間にどんどん色んな女性が部屋に集まって来て、入ってくる女性が巻いているタハルートも人それぞれ。カラフルなタハルートを見比べては、「あれは可愛い・・・」とかじっくり見てしまう・・・。

そこまで広くない部屋に恰幅のいい中年女性ばっかりが50人以上集まって、部屋は時ぎゅうぎゅう詰め・・・。ベルベル人女性約50人にぎゅうぎゅうに囲まれ、私日本人がその中に1人いる姿は、なんだか考えてみるとすごく不思議な光景な気がする・・・。そのうち、イスラム教の教えだかコーランだかの議論が始まったけど、何をしゃべっているか分からないから集中力は切れて、眠気に教われる・・・。

その議論は結局2時間程(!)続き、やっと食事の登場!多分食事が出たのは夜10時過ぎ。メニューは結婚式の時と同様、鶏肉のクスクスと牛肉のタジン、そしてフルーツ。8人ずつくらいに分かれて、ちゃぶ台のようなテーブルを囲んで食べます。食事が終わったら、あっけない程あっという間に皆素早く解散。


また、別の日は違う集落のサダカに招待されたので行ってみました。こちらは夕食でなくて、昼食でした。サダカの会場が分からなかったので、活動先のリーダー的な存在の女性の家に立ち寄ってから一緒に行くことにしました。この家には可愛い猫ちゃんが住み着いていて、いつも行く度に猫ちゃんと遊んで行きます。


この女性の家で結局1時間くらい待って、行った先はなんとその集落にあるモスク。モスクといっても中じゃなくて、外のテラスのようなところでサダカは行われてました。私たちが行った時は既に女性たちや子どもたちが何十人か集まっていて、順番に巨大なお皿のクスクスが運ばれてきました。

ここでは、12〜13人が一つのお皿を囲んで一緒に食べる感じでした。こんなに大きなお皿のクスクスも、一気にみんなが食べると、この通り、あっという間になくなります!

ちなみに、サダカで食事を頂くのはもちろんタダです。でも、サダカを提供する方は、百人以上の人たちの食事を負担するので、お金は相当かかると思います。それでも、サダカをしようと思う喜捨の心って、なんだか凄いな・・・と思いました。

ちなみに、このように食事を大人数に提供するというサダカの行為もあれば、他の行為もあるようです。

2014/01/13

2作目のタハルート(ベルベル刺繍)/ My second Taharout (Berber embroidery)

第2作目のタハルート(ベルベル刺繍)が完成しました!

初めて自分でタハルート(ベルベル刺繍)を作った時は、薄い青の生地にパステル系の糸で作ったので、今回はグルミマの女性たちがまとっている典型的な黒地の生地にカラフルな色をふんだんに使ったタハルートを作ることにしました。

その結果がこちら↓


通常女性たちはこの2倍の大きさのタハルートを外出時に身にまとって体型を隠しますが、私の場合はショール代わりに使いたかったので、大体市販のショールやマフラーと同じようなサイズの仕上がりになってます。

両端にあるフサフサの部分(「ジウイ」とアラビア語では呼ぶ)も通常は黒一色が多いですが、時々カラフルなジウイが付いたタハルートをまとう女性の姿を見て「あれ可愛い!」と思ったので、自分のもカラフルなジウイを付けてみました。


あと、黒の生地とジウイの間には「シブカ」と呼ばれる網状の部分が付いています。これも、現地の女性の多くがタハルートに用いている手法なので、それもやり方を教えてもらって取り入れました。


黒地の中央にある幾何学模様の刺繍も、現地の女性(特に私が活動しているスフリ村の女性)がタハルートに用いる典型的な模様で、これもとても可愛かったので、真似することに(笑)。配色は自分で適当に決めました。


あと、モズンと呼ばれるスパンコールを大きくしたようなシルバーの飾りをタハルートに付ける女性もいて、私もそれを参考にお花模様の上に付けてみました。モズンは上記のジウイ(ふさふさの飾り)部分にも1つおきに付いてます。これがあると、太陽の光や蛍光が当たった時にキラキラ光って綺麗です。

これをショール代わりに巻いてグルミマを歩いていると、特に女性たちが目に留めてくれます。「綺麗ね」と言ってくれるので、「自分で作ったよー」というと、ビックリされます。そして、「見せて」と言って刺繍がきちんとされているかなどをまじまじとチェックしてきます。そして、「よく出来ている。いくら?」と値段まで聞かれることもあります(笑)。売り物として作ったのではないので売りませんが、自分の好きなようにデザインや配色を決めながら作ったものを通して、こうやって少しずつ現地の人たちと打ち解けていくのが楽しいです。
らくだとも打ち解けたい・・・

2回目の販売会@ラバトと初めてのお給料 / Second sale in Rabat and the first salary

年始にフェズに旅行に行った後は、その足で首都ラバトへ。目的は先輩隊員の中間報告および最終報告を聞くこと、送別会に参加すること、そして私が活動しているアソシエーション(女性団体)の商品の販売会を行うこと。

前回2013年9月末にラバトのJICA事務所で商品販売会を行ったのが初めてで、今回販売会を事務所で行うのは2度目。今回は、3つのアソシエーションの商品を持って行きました。

フェズとラバトに行く時のスーツケースの荷物のうち、実に4分の3が商品!というくらいに今回はたくさん商品を持って行きました。うち、半分くらいは以前の販売会で注文を頂いていた商品でした。

前回持っていた商品と比べると種類が増えたというよりは、商品の数を増やして持って行ったという感じでした。前回売れきれてしまった商品は、今回多めに作ってもらって持って行きました。
タハルートのティーポットカバーとコースターは種類が増えた
タハルートの巾着には新色(青)が登場
フェズ刺繍のコースターのバリエーションもちょっと増えた


実は2013年12月末には、ベナンからの同期村落隊員や同期のモロッコ隊員がグルミマに遊びに来たり、同任地のピースコーボランティアの家族がグルミマを訪問したりして商品を買ってくれた関係で(ありがたい!)、ラバトに持って行った時には一部の商品の品数が減ってしまっていたという裏話もあるのですが・・・。

事務所では、先輩隊員たちの感動的な報告を聞き、自分の今までの活動やこれからの活動を考えさせられました。

その後他の村落隊員と一緒に販売会をやらせてもらいました。相変わらずたくさんの隊員たちが商品を買ってくれました。結局、持って行った商品の数が多いということもあって、今回は3つのアソシエーションの売上を合計すると前回の売上の4倍近い金額になりました!前回持っていった1つのアソシエーションの売上だけを見ても、今回は前回の2倍以上の金額となりました。

グルミマに赴任して、その3ヶ月後にアソシエーションの中で女性たちと手芸グループを立ち上げて6ヶ月が経った今、やっとこれまでの売上を手芸グループの女性たちに分配できる程の金額が集まりました。

ただ、分配方法や今後のグループの運営方法などが手芸グループのメンバーとアソシエーションの運営役員で食い違っている部分もあり、それを合意させるために、ミーティングを設定するように提案しました。結局、早速翌日にミーティングをすることになり、会は2時間以上続いて(私はベルベル語が分からないのでほとんど様子を見ているだけと言った感じでしたが・・・)、議論してもらいたかった点は大体網羅できたようでした。

ただ、ミーティング中に、アソシエーションの男性役員と手芸グループの女性たちの意見が結構割れている感じの点もあって、今後両者が諸々な点に関してお互い満足いくような合意の仕方ができるまではまだまだ議論が必要だなと感じました。

結局、その翌日にはグループ発足後初のお給料を女性たちに配布することになり、会計担当の女性が、メンバーの女性たちにお給料を配布しました。1人の女性は、「このお金で来週あるお祝いのための洋服を買う」と言ってワクワクしていたようでした。他の女性はわりと落ち着いた感じでお金を受け取っていたけど、どんな気持ちで初任給を受け取ったかは彼女たちに聞いてみないとわかりません。

私は残念ながらその後すぐに別のアソシエーションで英語を教える予定が入っていたので、速攻その場を去らなくてはいけなくて、女性たちに感想は聞けませんでした。

グループ発足からこれまでに6ヶ月間、試行錯誤しながら一緒に商品開発を行ってきた女性たち。6ヶ月間お給料が支払われずに一生懸命働いてきて、今になってやっと少しのお給料を払えることができた。。。ちょっと感慨深い瞬間でした。そこまで大した金額ではないかもしれないけど、家族の生計の足しにしたり、何か自分の好きなことにお金を使って、少しでも女性たちの幸せにつながってもらえれば、私は嬉しいです。

そんなことを思いながら、今後もどうやって商品開発や販路拡大を行っていけばいいのか日々考えます。あと2ヶ月もすれば自分の中間報告の番が来るので、改めて今までの活動を振り返り、今後の活動も真剣に考えなければ・・・と思う今日この頃です。

2014/01/10

古都フェズへの旅 / A trip to ancient medina Fès

年末年始のメルズーガ(砂漠)への旅の後は、ラバトへ上京するついでに、古都フェズに旅行に行ってきました。

フェズには隊員が何人かいて、その中でも今回一緒に砂漠ツアーに行ったシニアボランティア(SV)の女性のお家にお邪魔させてもらいました。

今回フェズに行くのは初めて。夜行便の長距離バスにエルラシディアから乗って、早朝にフェズに到着。朝、お世話になるSVのお家で仮眠をとったあとに、彼女と一緒に近くにて一時的に開催されているモロッコ物産展に行きました。


物産展ではモロッコ各地の手工芸品や特産品のブースがたくさん出ていて、旧市街にあるメディナではぼったくられる可能性があるけど、ここでは全て定価がついていて、メディナで買うよりも安い物がたくさんありました。

そして、午後はいよいよ旧市街散策!SVの方は活動の準備などで忙しかったので、1人で新市街から旧市街へ向かう市内バスに乗って、旧市街にある世界遺産のメディナに行ってみました。

メディナの入り口となるブージュルード門をくぐって、メディナの中の狭い道を進むと左入にたくさんのお土産屋が並び、可愛いモロッコ雑貨がたくさんあるので、なかなか前に進みません・・・。

今回フェズで買いたいと思っていたのはフェズ刺繍。フェズ刺繍は、裏と表で刺繍の幾何学模様が全く一緒なのが特徴で、とても高度な刺繍スキルが必要となります。私の活動先団体の女性の中でも複雑なフェズ刺繍を縫える人がいて、一部フェズ刺繍の商品を販売したりしています。

メディナの中で買い物をしていたら結構長時間ずっと歩いたままだったので疲れて、メディナの風景を一望できるテラス付きのカフェにふらっと立ち寄って、もう少しで日が暮れる旧市街の様子をゆっくりと楽しんで、その後の行き先をガイドブックと相談。

その後、見所のモスクなどを外から見学し(非イスラム教徒は中に入れない)、メディナで買い物を続け、お目当てのフェズ刺繍をいくつか買って、1日目のフェズ観光はおしまい。ちょうど今から帰ろうと思っていたところに、SVの女性から連絡があって、「ご飯用意してるから、食べて来ちゃだめよー」と言ってくれました。彼女の家に帰宅したら、美味しい夕飯が用意してあり、ごちそうになりました。ありがとうございます。


そして2日目は、メディナを一望できる丘に登ってみました。丘の上からフェズの街を見ると、周りにはゆるやかな曲線を描いた丘が広がって、その麓に見える薄汚れたようなフェズの古都が印象的でした(任地グルミマでは、茶色の荒野と砂漠しか見えないので・・・。)



丘には、モロッコ人のおじさんたちが色づけした革を日干ししていていました。


たまたま丘にいた時間帯が、1日5回あるイスラム教徒のお祈りの2つめのお祈りの時間とかさなり、麓のメディナにあるモスクから一斉にアザーン(お祈りに来いよーの呼びかけ)が始まりました。この地区には800近くもモスクがあるそうなので、あちこちから響くアザーンは合唱となって街を包み込むという、なかなか貴重な瞬間を経験しました(映像を撮ったけどデータ重すぎてアップできません)。

この日のもう1つの目的地は、なめし革染色職人街。日本にいた頃にモロッコのガイドブックに載ったなめし革染色職人街の写真を見て、一度見てみたいと思っていた場所でした。

迷路のようなメディナの中を地図を見ながら(半分迷いながら)進むと、途中色んな職人街が見えてきて楽しい。へたくそなアラビア語でも喋れると珍しがって、みんな「見て良いよ」と言って、職人さんの工房の中を見学させてくれます。



そして、途中予定外の買い物をしながら、やっとお目当てのなめし革職人街へたどり着きました!テラスから革を染色する様子を一望できる工房兼土産屋に入って、職人たちが染色の桶に浸かりながら染色する姿が見えました。

ここから見渡す風景もまた面白くて、30分くらいずーっとこの場所にいました。職人街のすぐ周りには住宅街やお店が広がって、周辺の住宅街の屋上にくくりつけられたテレビのアンテナの山がまた職人街と対照的で面白い・・・。

その後、今度は銀細工の職人街へ偶然にも迷い込みました。普段モロッコ人がたくさん飲むアタイ(お茶)のポットが1つ1つ作られる様子には圧巻!特に、デコレーションには職人が1つ1つの模様を打ち付けていくのは知りませんでした。



他にも、モロッコの典型的なお土産である革のスリッパ(バブーシュ)が1つ1つ手で作られる様子を見学させてもらったりして、結局買い物も含めここに2時間近く滞在していましました・・・。


こうやって1つ1つ手で作られる商品は、パッケージされてメディナのお店で売られるのでしょうが、一体いくらくらいが職人たちの手に渡るのか・・・。これだけ1つ1つ手が込められて作られているということを見ると、なんだか安易に安値でモロッコの手工芸品を買えなくなってしまう気もします。

そして暗くなったら買い物をある程度済ませて、お世話になっているSVのお宅へ帰宅。途中、乗車したタクシーの運転手は、「モロッコに10年、20年住んでいる外国人で、全然アラビア語が喋れない人もいるけど、君は喋れるね」と言っていました。別に全然喋れるわけではないけど、モロッコで活動や生活するためには必須ですからね・・・。

結局フェズでは買い物をしすぎて、その後ラバトへ行くまでのスーツケースに入りきらず、追加でバッグを買うことに。。。

この日も夕食はSVの方に用意していただき、何もかも至れり尽くせりで本当にありがたい滞在でした(久しぶりに浴槽にてお風呂に浸からせてもらいました)。

翌朝は、ラバトのJICAモロッコ事務所である、隊員の活動報告会に行くために、フェズから電車に乗ってラバトまで移動(この時モロッコで初めての電車体験!)。フェズの駅は立派でびっくり。フェズのような都会だと、ヨーロッパの鉄道の駅とほとんど変わらないくらいに綺麗でした。うーん、やっぱり私が住んでいる地方の町とは違いますな・・・。電車に乗ってくる人たちの服装を見ていても、やはり都会と田舎での格差を感じます。そんなことを考えながら、あっという間にラバトに到着。

フェズは短い間だったけど素敵な街でした。多分、また来ます。