Berber embroidery

グルミマや周辺など、モロッコ南東部にいる
ベルベル人女性が外出時に身にまとう、
黒地に色とりどりの刺繍が入ったマント「タハルート」。

タハルートは、外出時に女性が体のラインを隠すために、
着ている洋服の上から身にまといます。
頭からかかとまで、全身をすっぽりまとう女性もいます。





外出時に羽織ること以外にも、
地面に腰を下ろす時の下敷きとして使ったり、
日よけや砂よけとして使ったり、
時には大きな物を運ぶ時に使ったり、
赤ちゃんのおくるみとして使ったり、
夏は家の中への風通しをよくするために玄関につけ、
開放したドアから家の中が丸見えにならないように、
目隠しとして使われることもあります。


伝統的には、結婚した女性は黒地に地味な色合いの刺繍が入ったタハルートを着用し、
未婚女性は、黒地に色とりどりの刺繍が施されたタハルートを着用していたそうですが、
現在は関係なく、女性たちが好きな柄や色のタハルートを着ているようです。

グルミマでは、既婚女性のほとんどはタハルートの作り方を知っており、
自分のタハルートを自分の好きなように作る人も多いようです。
未婚女性の多くも、タハルートの作り方を知っているようですが。

女性が結婚する時に、嫁入り道具の1つとして、
自分が作ったタハルートを持って行く、とも聞いたことがあります。

ほとんどのタハルートは、黒地に刺繍が入っていますが、
モダンなタハルートだと、黒地でなくて色の生地を使ったり、
黒地だけど、金や銀のリボンのような飾りの入ったものだったり、
ミシンで縫った花模様のタハルートも使われています。
モダンなタハルート


タハルートに施される刺繍は、よく見ると町や集落によっても微妙に異なります。
グルミマでは、幾何学的なお花のモチーフが主流ですが、
少し離れたエルフードやリッサニ、メルズーガ砂漠の方だと、
動物や丸みを帯びたお花の模様も見られます。
グルミマで見られるタハルートの刺繍
リッサニのメスギーダ集落で見られるタハルートの刺繍


また、ものによっては、両端に飾りとして
「シブカ」と呼ばれる網のような飾りがついていたり、
「ジウイー」と呼ばれるポンポンのような飾りがついていたりします。
「モズン」と呼ばれる、大きめの銀色のスパンコールのようで、
動くとシャラシャラと鳴ってキラキラと光る飾りがついているものもあります。
「シブカ」は網状の部分、
「ジウイー」は「シブカ」の先を結んだポンポンの部分※、
「モズン」はキラキラした銀色の部分
※「ジウイー」はカラフルなものもあり

そんな、奥深いタハルートの多数のバリエーションを
このページで紹介していきたいと思います。


=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=☆=

グルミマ グリス・スフリ村で見られるタハルート
























<リッサニ メスギーダ集落で見られるタハルート>



★☆★☆★☆

なお、タハルートに用いられるベルベル刺繍のスキルを元に、集落の女性たちと開発している商品に関しては、こちらをご覧下さい。

2 件のコメント:

  1. お花模様かわいい!そっか~今わかった!私のは砂漠の近くで買ったからラクダが刺繍されてたんだね!! グルミマのお花の刺繍の色が素敵!私が行ったらそれをおみやげにする♡網とポンポンもすてき!個人的に銀のかざりは日本で使うにはじゃらじゃらしてひっかかるからそれがないのにするね。

    返信削除
    返信
    1. 私が今度1月にラバトに上がって事務所で販売会するのに向けて、今活動先の女性たちが大急ぎでタハルートを作ってるよ!なみが来る頃にいくつ在庫があるかわからないけど、少なくともいくつかはあるはず!その中から気に入ったのが見つかるといいけど!

      削除