2018/08/31

スーダンのピラミッドへ!/ To the pyramids of Sudan!

スーダンに赴任してから、既にこれまでに2度国外に旅に出ているんですが、実は最近までスーダン国内旅行に行ったことがありませんでした。現時点では仕事でも国内出張はまだ入らずに、首都ハルツームから出たことがなかったので、全くハルツームの外の様子がわからなかったのです。。。

でも、偶然にも同期日本人JPOから、スーダン北部のピラミッド見に行きましょうというお誘いが入り、やっと8月上旬に国内旅行に行くことができました!

・・・とは言っても、スーダンでは外国人の長期駐在者が国内旅行に行くには、政府から発行される移動許可証みたいなのが必要でして、おまけになぜかUNHCRの場合はこの許可証をもらうのに最低2週間ほど必要とされている(同期JPO所属機関では、数日で発行されるというのに・・・)。許可証が降りなかったら悲しいけど今回は行けない・・・と思って、出発前日まで諦め気味だったんですが、うちの事務所の許可証やビザ関連の手続き担当スタッフが頑張ってくれたおかげで、無事に許可証が降りました!

ということで、いざ無事にピラミッドへ出発!今回の目的地は、カリマと呼ばれるところ。首都からは車で5時間以上(約400km)離れたところにあり、ここには世界遺産のジュベル・バルカルとナパタ地方の遺跡群として、神殿やピラミッド群があるのです。

今回は首都ハルツームに事務所を持つ、イタリアンツーリズムというスーダンでは数少ない外国人観光客向けの旅行会社で、合計4人で四駆を2台貸し切り、ガイドさんに同行をお願いしました。仕事の有給をあまり取りにくい時期だったこともあって、1日だけ有給をとって1泊2日の旅です。

首都ハルツームを朝7時頃に出発して、途中ハルツームの郊外で朝食を食べたら、あとはずーっと北部に向かって道を進んだんですが、景色が、私が協力隊時代に住んでいたモロッコ南東部の田舎にとっても似ている・・・。乾燥した砂漠地帯の中に、土壁でできた平家があって、ラクダや羊などの家畜が暑そうにしている・・・。


途中、こんな様子まで(笑)

道中の休憩所にて。モスクが立派。

車でクーラー効いているはずなのに、横から入ってくる太陽のせいもあってか、汗が額から流れ落ちるくらいに暑い・・・・。そして、午後15時くらいに目的地カリマの郊外にあるホテルに到着。
ヌビアの建築様式を用いたゲストハウス(ホテル)


ガイドさんが、まだ陽の位置が高くて暑いから1時間ほど休憩して、16時半に近くのピラミッドなど遺跡を見に行くということなので、それまでホテルの部屋でちょっと休憩。
ホテルの部屋

そしていよいよ観光!まず一つ目に行ったのはこちらのピラミッドとその脇にある王様の墓所。
こんなしょぼい看板しかない・・・。
墓所に入った後に管理人(?)らしき地元のおじさんにチップを1ドルほど渡すのみで、
あとは柵とかも全くない。
入り口も特になく、ただ広い荒野にあるピラミッド。

そしてピラミッドの脇にある王様の墳所(地下)に入ると、天井には天空を表す壁画が。

壁画では、ここに埋葬されていた王様の生涯を描いたストーリだった(棺は現在はもうない)

エジプトでも見られるヒエログリフがこちらにもあった

ちなみに、この遺跡群があるすぐ横に村は、私が協力隊時代に活動していたベルベル人の村に景色がそっくり!
この土壁の廃墟なんて、グルミマ(元活動してた町)のクサル(要塞化された村)にそっくり。

これらの写真をグルミマ出身の人たちに共有したら、
「本当だグルミマにそっくりだ、スーダンもモロッコと似たところがあるんだね」と言っていた。

すごく懐かしい気分になった・・・。

二つ目に行ったのは、ジュベル・バルカルにあるアモン神殿。
後ろの山が、バルカル山(ジュベルはアラビア語で山という意味)。
遠くから見ると、見る角度によって、蛇に見えたりするらしい。
写真右下にあるのが、アモン神殿。


神殿の柱
山の麓にある神殿の横から、山の中に入れて、
中には壁画が掘られている。かなり保存状態が良い。
遠くのピラミッド群の影に沈む太陽

一日の観光が終わって、ホテルに戻って夕食食べて、ちょっとゆっくりしたあとは、カリマの町を散策してみようってことで、ホテルの裏にあるカリマの町に行ってみました。ただ、民家はあるものの、ちょっと郊外にあるせいか道は真っ暗(携帯のライトつけないとよく見えない)、人は全くいない(家の中にはいる雰囲気だけど)、10分ほど歩いてやっとお店やモスクがあるところに着いたけど、スーダンによくある道端のお茶屋さんでさえもなく(町の中心地はさらに歩いたところにあるらしい)、結局引き返してホテルに帰ってきました(笑)。

そして翌日は、世界遺産の遺跡群に含まれるバルカル山のすぐ近くにあるピラミッド群と、ヌリというピラミッド群を観光。
バルカルのピラミッド群。ちなみに大きさはエジプトのよりもかなり小さめです。

ヌリのピラミッド群

ヌリのピラミッド群。過去にはもっとたくさんのピラミッドがあったけど、
石が盗まれて、今はかなりの数が元の形を留めていない。

カリマではナイル川の恵みを利用して、マンゴーやバナナ、グアバなどの農業が盛んだそうで、途中いろんな木が育ってました。ピラミッド群の近くでは、ダンボール箱いっぱいに入ったマンゴーを一箱150ポンド(約500円くらい)で直売してて、その時は買わなかったんだけど、後から買えばよかったと後悔・・・。モロッコの手工芸品販売だと、仲介者が仲介料を多めに上乗せして高値を付けて消費者に売り、生産者の元にはほとんど利益にならないほどのお金しか入らないというアンフェアトレードの仕組みがあるのが現状で、スーダンの農業の場合はどうだかわからないけど、直接生産者から少し高値でもマンゴー買えたほうが、仲介者を通すよりもよかったなって思いました。案の定、ハルツームに帰る途中、生産地から少し離れた道の休憩所で買ったマンゴーは、生産地の値段の倍近くしました。

ということで、初めてのスーダン国内旅行は短かったけど、とても満喫することができました。やっぱり首都の自宅と事務所の間を行ったり来たりしているだけでは、全くフィールドのことが理解できないので、早く地方にも仕事で出張に行きたいところです。

0 件のコメント:

コメントを投稿