「ボ・シャルウィット」とは、モロッコの田舎で伝統的に作られてきたリサイクルラグのこと。なんでリサイクルなのかというと、いらなくなった服 を裂いたり、仕立屋さんから出る端切れを使ったり、古いセーターから糸を紡いだりして、ラグとして生まれ変わるから、海外ではリサイクルラグとも言われています。寒さを凌ぐためにラグが必要だけど、新しいラグを買うお金はない・・・という背景から、このようなリサイクルラグが作られるようになったようで、今でも多くのモロッコ人の家庭 では使われています。
じゃあ「ボ・シャルウィット」という単語はアラビア語でリサイクルラグを意味するのかというと、そうではありません。「ボ」はアラビア語で「主」などという意味を持ち、「シャルウィット」は「端切れ」を意味しているので、直訳すると「端切れの主」みたいになるのかもしません(笑)。でもモロッコでは一般的に端切れや古い毛糸を利用したラグのことをこう呼びます。
私はこのボシャルウィットに前から興味があって、協力隊でモロッコに赴任することが決まる前から確かボシャルウィットやモロッコ雑貨のことはネットなどチェックしていた気がします。でも実際にボシャルウィットのことを色々調べ始めたのはモロッコに赴任して実物を活動先の集落の家々で見た頃からかと思います。
グルミマ赴任当初から活動先集落のいろんな家で、色とりどりの可愛いボシャルウィットたちを見ては「私も自分用のボシャルウィットが欲しい!」と言うと、活動先の女性たちは「私たちは作り方を知っているから、日本に帰る前に作ってあげるからね」と言っていたのでした。
早く作ってもらいたいから、とりあえず必要な材料(縦糸、端切れ)を調達することから始めました(笑)。縦糸を買って、グルミマにあるモロッコの伝統服やドレスなどを作っている仕立屋さんを数件廻っては、「端切れ(シャルウィット)はありますか?」と聞いて、ちょっとずつある端切れをもらっていたら、ある日一軒の仕立屋さんから、 どーーーーんと超デカい袋に入った大量の端切れをもらいました!!(確か2013年の秋くらいだから一年以上前、笑)。
でも活動先の女性たちは、日頃からベルベル刺繍の商品作りで忙しいので、ぶっちゃけ私のためにボシャルウィットを作っている暇なんてないくらいだったのです・・・。
なので、まあ帰国前までに1〜2枚作ってもらえればいいやー、なんて思っていたら、それはちょうど10月上旬頃、いつもの通りに活動先集落(Kとする)のアソシエーションの女性リーダーのお家へお茶に行った時。たまたま裏庭にあるパンを焼く台所のようなところを覗いたら、なんとお母さんとリーダーの妹さんが、ボシャルウィットを作っていたのですーーーー!!
とは言っても作っていたのは別に私のじゃなくって、自分の家用のもの。彼女たちが使っていたのは端切れではなくて古い毛糸でしたが、作り方は端切れを使った場合と同じ。
思わず興奮して、「私もボシャルウィットが欲しいのー!」と言ったら、「じゃあこれが終わったら作ってあげるわね」と言ってくれました!
そして、数週間後に同じお家に行ったら、私のラグの作業が始まっていました!
せっかくだから作り方を教えてもらおうと思って、2時間くらい一緒に作業したけど、ずっと前屈みなもんだから、腰が痛くなってしまいました・・・。お母さんは全然へっちゃらな顔をしてました(笑)。
そして一週間後に出来上がったのがこの作品!!!
ちょっと注文したサイズよりも短かったのですが、とっても可愛い仕上がりなので、大満足!ただ単に全く知らない人が作ったのではなくて、私が日頃からお世話になっている家庭のお母さんが作ってくれたので、とっても親近感が湧くし、自分にとって活動先集落の良い思い出になります♡
ちなみに、端切れで出来たボシャルウィットはその時に手に入る端切れの色や布の種類、そして作る女性の気分によって、配色や素材が違ってくるので、全く同じ色合いの作品というのは二度と出来ないといっても良いくらいでしょう。
あと私が個人的に思うボシャルウィットの魅力は、ラグ一枚一枚がその時のモロッコのトレンドが詰まった色合いとなるということ。私は個人的にグルミマの仕立屋さんから端切れをタダでもらってきているので、その時に手に入る布の種類は、その仕立屋さんがお客さんから受けたオーダーの生地の端切ればかり。下の写真のような、キラキラ入りの生地が端切れの中に入っていたりすると、ラグもちょっとキラキラが入った仕上がりになるので、嬉しい!
やったー!念願のボシャルウィットが手に入ったー!!!おまけに作ってくれたのはいつもお世話になっているベルベル人のお母さん!!・・・と思って浮かれていたら、なんと活動先であるもう1つの別の集落(Gとする)の女性たちが、私が集落Kの女性にボシャルウィットを作ってもらったことを早速耳にしたらしく、「私たちもアイシャ(←私のアラビア語名)のために作るー!!」ってなって、今まではなかなか着手しなかったボシャルウィットを突然作り始めることに・・!(←結構集落同士のライバル意識があって、お互いの集落がどういう商品を作っているかとか気にする・・・。ある意味良い刺激になっていいかも、笑)。
せっかくもう1枚作ってもらうことになったので、今度は違う柄にしてもらおうと思って、ダイヤ柄のをお願いしました。
作業中に、作ってくれた女性の家に2日に一度くらいの割合で様子を伺うために立ち寄ったのだけど、お母さんが息子のお嫁さんたちに作り方を教えたりしてて、世代から世代へボシャルウィットの作り方が受け継がれる姿があったのが嬉しかったです。
・・・そして2週間後くらいに出来上がったのが、こちら!!↓
これはまた四角の模様と違って可愛い・・・!
ちなみに、これは私へのプレゼントということで女性たちが無料で作ってくれたのです・・・。「何時間もかかったのだからその分の仕事量のお金を払う!」と何度も言ったのですが、「アイシャは私たちの仲間だから、私たちと同じだから、いいの。お金はいらない」の一点張りで、お金は受け取ってくれませんでした・・・。みんなに優しくされて、こんなに素敵な集落のお土産をもらって本当に幸せ者です・・・。
ちなみに実を言うと、同時に日本からの友人に頼まれて玄関マットサイズ程度の大きさのボシャルウィットと、同じサイズで自分用にもう1つ試作品を依頼していて、これらも最近出来上がり!
ということで、今うちはボシャルウィットが4枚もあります!(1つは日本の友達に後日送りますが!)
どのボシャルウィットも色合いが派手!と思うかもしれませんが、私はこの派手さというか色んな色があるのが好きです。私にとって色んな色は多様性を表しているので、モノクロよりもマルチカラーの方が心や考え方がカラフルになります。
ここまでが、私が作ってもらったボシャルウィットたちのことと、その子たちに対する想いです。
今後のことですが、個人的にボシャルウィットが好きなので、その想いを活用して、今後は女性たちの現金収入向上にもっとつなげていけたらと思っています。
今までは地域の手工芸品開発ということでベルベル刺繍を中心とする商品開発を行ってきましたが、今後はボシャルウィットも商品のラインアップに加えることによって、今まではベルベル刺繍商品の製作に関わっていなかった女性たちも巻き込んで、より多くの女性たちの現金収入向上に貢献したいと思っています。
こうやってブログとかfacebookとかでボシャルウィットの写真をアップすると、ありがたいことに何人かの友人から、「私も注文したい!」という声を 聞きます。
もちろん注文はお受けします。サイズや柄などの希望があれば相談ください。
ただ、今後は私を通さずにアソシエーションの女性たちが独立してネットで国際的に販売できるように、今オンラインのフェアトレードサイト(英語)での販売に向けた準備を進めているので、私の活動先のアソシエーションがボシャルウィットの販売をサイトで始めたら、是非それを通して注文して下さい(事前のサイズや柄の相談は受けられるので、興味ある方は私に直接連絡下さい)。このサイトを活用することによって、女性たちの自立した販路確保に繋がります。私の任期満了となる頃までには、女性たちが私なしでもこのサイトを通して商品を販売できることを目指しています。
ちなみに既にベルベル刺繍マントは同サイトにて販売中なので、興味ある方はご覧下さい☆
あと残すところ私の任期も3ヶ月とちょっととなりましたが、現地のニーズに基づいて3ヶ月間だけ任期を延長することになりそうです。つまり、残すところあと6ヶ月ちょっとの任期です。
この6ヶ月間で、どこまで女性たちが自立して商品の製作や販売が出来るように持って行けるかが勝負となりそうです。近い将来、活動先アソシエーションの女性たちがボシャルウィットを上記のフェアトレードサイトで販売できるようになったら、またブログにて案内したいと思います。ここまで読んでくれてありがとうございました。今後も応援よろしくお願いします。
じゃあ「ボ・シャルウィット」という単語はアラビア語でリサイクルラグを意味するのかというと、そうではありません。「ボ」はアラビア語で「主」などという意味を持ち、「シャルウィット」は「端切れ」を意味しているので、直訳すると「端切れの主」みたいになるのかもしません(笑)。でもモロッコでは一般的に端切れや古い毛糸を利用したラグのことをこう呼びます。
私はこのボシャルウィットに前から興味があって、協力隊でモロッコに赴任することが決まる前から確かボシャルウィットやモロッコ雑貨のことはネットなどチェックしていた気がします。でも実際にボシャルウィットのことを色々調べ始めたのはモロッコに赴任して実物を活動先の集落の家々で見た頃からかと思います。
晴れた日には、色とりどりのボシャルウィットたちが 土壁の集落を飾る |
隣町ティンジダッドにある博物館で見た アンティークボシャルウィット① |
隣町ティンジダッドにある博物館で見た アンティークボシャルウィット② |
活動先集落のお家で見た超可愛い色合いのボシャルウィット |
よーく見ると、細かく裂いた端切れが使われているのが分かる |
グルミマ赴任当初から活動先集落のいろんな家で、色とりどりの可愛いボシャルウィットたちを見ては「私も自分用のボシャルウィットが欲しい!」と言うと、活動先の女性たちは「私たちは作り方を知っているから、日本に帰る前に作ってあげるからね」と言っていたのでした。
早く作ってもらいたいから、とりあえず必要な材料(縦糸、端切れ)を調達することから始めました(笑)。縦糸を買って、グルミマにあるモロッコの伝統服やドレスなどを作っている仕立屋さんを数件廻っては、「端切れ(シャルウィット)はありますか?」と聞いて、ちょっとずつある端切れをもらっていたら、ある日一軒の仕立屋さんから、 どーーーーんと超デカい袋に入った大量の端切れをもらいました!!(確か2013年の秋くらいだから一年以上前、笑)。
水色の袋は全部端切れ!これだけで10キロくらいはあった気がする・・・。 その左にある複数の袋も全部端切れ(笑)。 |
でも活動先の女性たちは、日頃からベルベル刺繍の商品作りで忙しいので、ぶっちゃけ私のためにボシャルウィットを作っている暇なんてないくらいだったのです・・・。
なので、まあ帰国前までに1〜2枚作ってもらえればいいやー、なんて思っていたら、それはちょうど10月上旬頃、いつもの通りに活動先集落(Kとする)のアソシエーションの女性リーダーのお家へお茶に行った時。たまたま裏庭にあるパンを焼く台所のようなところを覗いたら、なんとお母さんとリーダーの妹さんが、ボシャルウィットを作っていたのですーーーー!!
とは言っても作っていたのは別に私のじゃなくって、自分の家用のもの。彼女たちが使っていたのは端切れではなくて古い毛糸でしたが、作り方は端切れを使った場合と同じ。
作り終わったラグはこんな感じで素敵にリビングにて使われていました☆ |
思わず興奮して、「私もボシャルウィットが欲しいのー!」と言ったら、「じゃあこれが終わったら作ってあげるわね」と言ってくれました!
そして、数週間後に同じお家に行ったら、私のラグの作業が始まっていました!
おみくじのように、端切れを縦糸に結んでいく |
横糸(布)をトントンと叩いて縦糸の間に押し込むための道具「タスカ」 |
せっかくだから作り方を教えてもらおうと思って、2時間くらい一緒に作業したけど、ずっと前屈みなもんだから、腰が痛くなってしまいました・・・。お母さんは全然へっちゃらな顔をしてました(笑)。
そして一週間後に出来上がったのがこの作品!!!
約85x110cmの大きさ |
ちょっと注文したサイズよりも短かったのですが、とっても可愛い仕上がりなので、大満足!ただ単に全く知らない人が作ったのではなくて、私が日頃からお世話になっている家庭のお母さんが作ってくれたので、とっても親近感が湧くし、自分にとって活動先集落の良い思い出になります♡
ちなみに、端切れで出来たボシャルウィットはその時に手に入る端切れの色や布の種類、そして作る女性の気分によって、配色や素材が違ってくるので、全く同じ色合いの作品というのは二度と出来ないといっても良いくらいでしょう。
ドレスの生地の端切れが入ってたりすると、 キラキラとラグが光って可愛い! |
あと私が個人的に思うボシャルウィットの魅力は、ラグ一枚一枚がその時のモロッコのトレンドが詰まった色合いとなるということ。私は個人的にグルミマの仕立屋さんから端切れをタダでもらってきているので、その時に手に入る布の種類は、その仕立屋さんがお客さんから受けたオーダーの生地の端切ればかり。下の写真のような、キラキラ入りの生地が端切れの中に入っていたりすると、ラグもちょっとキラキラが入った仕上がりになるので、嬉しい!
モロッコの結婚式などで着るドレス |
やったー!念願のボシャルウィットが手に入ったー!!!おまけに作ってくれたのはいつもお世話になっているベルベル人のお母さん!!・・・と思って浮かれていたら、なんと活動先であるもう1つの別の集落(Gとする)の女性たちが、私が集落Kの女性にボシャルウィットを作ってもらったことを早速耳にしたらしく、「私たちもアイシャ(←私のアラビア語名)のために作るー!!」ってなって、今まではなかなか着手しなかったボシャルウィットを突然作り始めることに・・!(←結構集落同士のライバル意識があって、お互いの集落がどういう商品を作っているかとか気にする・・・。ある意味良い刺激になっていいかも、笑)。
せっかくもう1枚作ってもらうことになったので、今度は違う柄にしてもらおうと思って、ダイヤ柄のをお願いしました。
作業中に、作ってくれた女性の家に2日に一度くらいの割合で様子を伺うために立ち寄ったのだけど、お母さんが息子のお嫁さんたちに作り方を教えたりしてて、世代から世代へボシャルウィットの作り方が受け継がれる姿があったのが嬉しかったです。
・・・そして2週間後くらいに出来上がったのが、こちら!!↓
約75x145cmの大きさ |
これはまた四角の模様と違って可愛い・・・!
ちなみに、これは私へのプレゼントということで女性たちが無料で作ってくれたのです・・・。「何時間もかかったのだからその分の仕事量のお金を払う!」と何度も言ったのですが、「アイシャは私たちの仲間だから、私たちと同じだから、いいの。お金はいらない」の一点張りで、お金は受け取ってくれませんでした・・・。みんなに優しくされて、こんなに素敵な集落のお土産をもらって本当に幸せ者です・・・。
ちなみに実を言うと、同時に日本からの友人に頼まれて玄関マットサイズ程度の大きさのボシャルウィットと、同じサイズで自分用にもう1つ試作品を依頼していて、これらも最近出来上がり!
こちらが日本の友達から注文を受けて作ってもらった ドアマットサイズ(ちょっと大きめの約60x75cm) |
これは上と同じサイズの試作品。 |
ということで、今うちはボシャルウィットが4枚もあります!(1つは日本の友達に後日送りますが!)
どのボシャルウィットも色合いが派手!と思うかもしれませんが、私はこの派手さというか色んな色があるのが好きです。私にとって色んな色は多様性を表しているので、モノクロよりもマルチカラーの方が心や考え方がカラフルになります。
ここまでが、私が作ってもらったボシャルウィットたちのことと、その子たちに対する想いです。
今後のことですが、個人的にボシャルウィットが好きなので、その想いを活用して、今後は女性たちの現金収入向上にもっとつなげていけたらと思っています。
今までは地域の手工芸品開発ということでベルベル刺繍を中心とする商品開発を行ってきましたが、今後はボシャルウィットも商品のラインアップに加えることによって、今まではベルベル刺繍商品の製作に関わっていなかった女性たちも巻き込んで、より多くの女性たちの現金収入向上に貢献したいと思っています。
こうやってブログとかfacebookとかでボシャルウィットの写真をアップすると、ありがたいことに何人かの友人から、「私も注文したい!」という声を 聞きます。
もちろん注文はお受けします。サイズや柄などの希望があれば相談ください。
ただ、今後は私を通さずにアソシエーションの女性たちが独立してネットで国際的に販売できるように、今オンラインのフェアトレードサイト(英語)での販売に向けた準備を進めているので、私の活動先のアソシエーションがボシャルウィットの販売をサイトで始めたら、是非それを通して注文して下さい(事前のサイズや柄の相談は受けられるので、興味ある方は私に直接連絡下さい)。このサイトを活用することによって、女性たちの自立した販路確保に繋がります。私の任期満了となる頃までには、女性たちが私なしでもこのサイトを通して商品を販売できることを目指しています。
ちなみに既にベルベル刺繍マントは同サイトにて販売中なので、興味ある方はご覧下さい☆
あと残すところ私の任期も3ヶ月とちょっととなりましたが、現地のニーズに基づいて3ヶ月間だけ任期を延長することになりそうです。つまり、残すところあと6ヶ月ちょっとの任期です。
この6ヶ月間で、どこまで女性たちが自立して商品の製作や販売が出来るように持って行けるかが勝負となりそうです。近い将来、活動先アソシエーションの女性たちがボシャルウィットを上記のフェアトレードサイトで販売できるようになったら、またブログにて案内したいと思います。ここまで読んでくれてありがとうございました。今後も応援よろしくお願いします。