私が住んでいるモロッコ南東部は、内陸乾燥気候地帯で、9月下旬になるとナツメヤシの収穫が始まります。私の任地グルミマでも、この頃になるとヤシの木になっているナツメヤシの実が大きく熟し、木の枝がしなる程の重さになって実が垂れ下がる風景がたくさん見られました。
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重そうに垂れ下がるナツメヤシたち |
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黄色いのがナツメヤシの実 |
9月下旬から10月にかけては収穫の時期を迎え、集落の人たちはあちこちに生っているナツメヤシの木に登っては(男性の仕事)、木からナツメヤシの実を採っていました。
そして採った実は、ロバくんたちによって運ばれます。
そして、集落の広場や家の屋根の上に数日間から1週間程天日干しにされます。そうすると甘みが増すだとか。
そして、ちょうどいい時期になったら、質や大きさごとに箱詰めされて、市場に出回ります。市場に出回らずに、家で消費されることもあります。
さて、そんなナツメヤシですが、モロッコ南東部はナツメヤシの名物なので、毎年10月下旬には、3〜4日間の国際的な(?)ナツメヤシの収穫祭があります。エルフードという、グルミマからは車で2時間半程離れたサハラ砂漠に近い町で開催されます。
せっかくなので、今回私もこのナツメヤシ祭りに行ってきました!
お祭りの最終日の日曜日に行こうと思って、土曜日の夜はエルフードに着いたのですが、お祭りのせいか凄い人のにぎわいでした。
エルフードには現在活動中の隊員が2人いるので、そのうちの1人のお家に泊めてもらいました。
日曜日に行ってみたら、近隣の町から出展しているアソシエーション(市民活動の団体)のブースが20個くらい出ていました。本当は私の活動しているアソシエーションも出展する予定だったのですが、今年は出展できる程の商品の在庫がないという理由もあって、出展しませんでした・・・。
エルフードの隊員によると、アソシエーションのブース以外にも、別会場にはナツメヤシしか売っていない特設会場もあったようですが、個人的にこんなナツメヤシばっかりある任地に住んでいながらもナツメヤシが好きじゃないので(笑)、そっちの会場には行きませんでした。
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ナツメヤシたちとヤシのオイル? |
アソシエーションのブースには、各団体が作ったナツメヤシ商品や、手工芸品などが並んでいて、やっぱり他の団体の商品を見るのはとっても楽しい!色々勉強になります。
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フェズ刺繍のテーブルクロス |
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ジェラバ(モロッコ人が着るワンピースのような普段着)
の飾りを利用したアクセサリー |
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ネックレスたち |
そして出展ブースの中の1つには、過去に私と同職種の村落開発普及員が活動していたアソシエーションがありました。やっぱり過去に隊員が活動し、商品開発をしていた団体だけあって、商品のデザインや色は日本人好みな気がしました。
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ベルベル刺繍のバッグ |
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ベルベル刺繍のマット |
ここのアソシエーションは、エルフードからさらに南の砂漠の方へ車で20分程進んだところにある南の果ての町、リッサニというところにある団体なのですが、同じベルベル刺繍でもグルミマのものとは微妙に刺繍が違って、興味深いです。
さらに、ここの団体は過去に隊員が羊毛を使ったフェルト商品を女性たちと開発したようで、その商品も売っていました。
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フェルト商品① |
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フェルト商品② |
そうしたら、一緒にお祭りに行っていた隊員が、このアソシエーションの人と話をして、翌日リッサニにあるそのアソシエーションを見学させてもらえることになりました!
他のアソシエーション(特に隊員が活動している・していたところ)を視察させてもらうのは、毎回勉強になることが多いので、そんな機会をもらえてラッキーでした。
他の隊員3人と一緒に、翌日にリッサニに向かいました。リッサニの町で、ベルベルピザ(パン生地の中にひき肉とか野菜が入ったパン)を食べたり、スークを見たりしてのんびり行っていたら、リッサニの郊外の集落にあるこのアソシエーションに着いたのは、もう夕暮れ時でした。
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この門をくぐってリッサニの町の中心地へ |
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細い路地の奥には、ベルベルピザを焼く釜戸が |
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そしてこれがベルベルピザ! |
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アソシエーションの建物 |
アソシエーションでは、団体の運営方法や活動内容、手工芸グループの女性たちへの収益の分配方法や商品開発に関して色々質問をさせてもらったり、商品のカタログを見せてもらったりして、随分と長居をさせてもらいました。
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ベルベル刺繍のカタログ |
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ベルベル刺繍バッグ②
なんとリバーシブル! |
そして、集落からリッサニへ帰ろうと思ってももう帰る足がなくなってしまったので、急遽アソシエーションの女性の家がある集落に、一緒に行った隊員全員(4人)で一泊させてもらうことになりました。
集落はグルミマと同じようにベルベル人コミュニティーなので、土でできたクサル(要塞化された村)がありました。でも、グルミマは近くにアトラス山脈のゴツゴツした岩山が見えるけど、リッサニは砂漠の平坦な土地にあるので、なんとなく見える風景も異なりました。
しばらく歩いて着いたお家は、なんだかちょっとした可愛いオーベルジュ(民宿)のよう!通されたリビングは、典型的なモロッコ風のリビングなんだけども、青と白のコントラストが綺麗で、ちょっとモロッコ北部を思い出させる部分もありました。
ここのリビングで、温かいベルベルクスクスを頂いて、アソシエーションの人たちやこの家の女性たちと色々話して、そして夜はお家の屋上に登って満点の星空を眺めました。集落で見る星空は、周りに遮る光とかがほどんどないから、天の川まできれいに見えて、本当に素敵な夜でした!☆★☆
そして、翌朝は再び家の屋上に登って、朝日に照らされたベルベル人集落を見渡しました。のどかな土の家の集落が砂漠の土地に広がっていて、なんとも言えない平和な田舎の風景が広がっていました。
温かいハリラ(スープ)とパンケーキの朝ご飯まで頂き、リッサニに戻るためのタクシーまで手配してもらい、無事にリッサニ中心地を経てエルフードへ。
エルフードで一時的に預けておいた荷物をまとめて、今度はみんなで私の任地グルミマへ。グルミマでの出来事は次回のブログにて。
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