2013/11/18

アショーラ祭りに行ってきました / The Festival of Ashoura

イスラム暦の元旦から10日(アラビア語で数字の10は「アーシャラ」)の日には、イスラムの宗教的なアショーラというお祭りがあります。イスラム暦によると、今年2013年は元旦が11月4日であり、その10日後である11月14日のアショーラの日の前後には、グルミマではアショーラ祭りというお祭りが開かれます。

でも、このグルミマのアショーラ祭りは、モロッコ国内やその他イスラム圏でお祝いされるアショーラ祭りとはちょっと変わっているそうで、ハロウィンのように怖い仮装をした人たちがお祭りにたくさん集まって盛り上がると聞いていました。過去にこのお祭りを訪れた協力隊員たちは、「B級祭り」とも呼んでいて、一体どんなお祭りなんだと以前から楽しみにしていたお祭りでした。

このお祭りの2週間程前から、グルミマでは怖いマスクや仮装をした子どもたちが、楽器を持って市内や集落を廻っては、大人からお小遣いを求めていました(伝統的には、子どもたちに大人がお小遣いやらプレゼントを与える日でもあるそう)。

お祭り初日の11月13日には、隣町ティンジダッドや、グルミマと同じ県にあるエルフードから隊員2人がお祭りを見に来てくれ、彼女たちと一緒に、私の知り合いのモロッコ人の家にて、アショーラの日に食べる伝統的なクスクスを頂きました。この日食べるクスクスは、ちょうど一ヶ月前にあった羊の犠牲祭りの時に羊から取り出した腸を一旦乾燥させて、食べる日当日に水に浸してから調理したものがクスクスの上にのって出てきました。
大きなお皿にどーんとのったクスクス
左にあるのが羊の腸など
ちなみに、これは1ヶ月前の犠牲祭の時に羊から取り出された腸の写真

そして、夜8時半頃になっていよいよお祭りの会場であるクサル(要塞化された村)へ。隊員2人と、ピースコーボランティア1人と、クスクスを作ってくれた女性と彼女の家族と一緒に行きました。

会場にはまだあまり人が集まっていなかったけど、既に変な仮装をした子どもたちや若い男性たちがたくさんウロウロしていました。仮装せずに、お祭りの様子を見ようと、女性や子どもたちも徐々に集まって来ていました。

そして、9時半頃にはたくさんの人たちが集まって、仮装した音楽隊が会場である広場を練り歩いたりして、その場の雰囲気は盛り上がってきました。中には、結構過激な言葉を自分の体に書いて練り歩く人もいれば、なけなしの持ち運び可能なラジカセや携帯で音楽を流して歩く人がいたり、なぜか女装している男性や、火を使って場を盛り上げる人もいたりして、なかなか異様な雰囲気のお祭りでした・・・。

ロバを乗り回す人まで・・・



そして、お祭り2日目には近郊の町から6人の別の隊員たちがアショーラ祭りを見に来ました。その日の活動を終えた後、隊員たちと一緒に昨日と同じモロッコ人のお家に行って、カフェオレを頂いて、なぜかハフラ(パーティー)のように音楽かけて踊ったりして盛り上がって(笑)、そんなことをやっているうちにお祭りに行く時間になったので、再び会場であるクサルへいきました。

でも、会場へ行ってもまだちょっと早かったのか、前夜の騒ぎは嘘だったかのように人が少なかったので、まずは隊員たちにクサルの中を案内することに。クサルの中を歩いていたら、クサルの一角でベルベルの骨董品やら民芸品などのギャラリーを持っていて、アショーラ祭りの音楽隊のリーダーでもあるモロッコ人男性に遭遇!過去に一度彼のギャラリーを見せてもらったことがあったので、私のことを覚えていてくれたようで、「入りなさい」と言ってくれ、急遽出動直前の彼の音楽隊が潜む部屋へ通されました。

入ったのは、薄暗くてお香のような匂いがする秘密の隠れ家のような、なんとも怪しい雰囲気の漂うところ・・・。その中で、へんてこな仮装をした男たちが楽器を持って、出動する準備をしていたところでした。彼らはとっても温かく歓迎してくれて、音楽を演奏して踊り出したりして、なんだか不思議だったけど、すごく貴重な経験をしました。


そして、音楽隊たちが出動していく姿について行くように、私たちもクサルから会場に出て行って、音楽隊の演奏が広場で始まると、周りには多くの人が集まって、音楽隊を中心にどんどん盛り上がって行きました。

ちょうど盛り上がって来た頃だったのですが、翌日の朝には活動がある隊員たちはタクシーで帰らなくてはならなかったので、彼女たちを見送って、私は再び会場へ戻りました。その頃はもっと雰囲気が盛り上がっていて、音楽隊の演奏に合わせて踊る人もちらほら見られました。

音楽隊が去って行った後も、仮装している人たちと仮装していない人たちの間で、写真撮影会のような感じとなり、私のところにも日本人が珍しいからか、「君と一緒に写真撮らせてくれー!」というかのように、たくさんの仮装した男性たちが集まってきました。
かなりシュールなこの2人・・・。
楽器たたいて「日本人ようこそ〜!」
みたいな替え歌を演奏してくれた(笑)


前夜は、仮装した人たちの一部が調子に乗ってはしゃぎすぎたりして、ちょっと怖いと感じる部分もありましたが、2日目の夜は、「もし誰かが君を困らせるようなことをしてきたら、僕にすぐに言ってね!」みたいなことを、ちょっと怖い仮装をしたお兄さんが言って来たりして、とてもフレンドリーな雰囲気のお祭りでした(笑)。

来年もまた是非行きたいと思わせてくれる、地味だけどもちょっと不思議で怪しい雰囲気の、グルミマ独特のアショーラ祭りでした。

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