2014/12/29

石鹸作りとリサイクルペーパー作り / Making soaps and recycle papers

前回の投稿でも書いた通り、任地グルミマでは毎年12月中旬頃になるとオリーブの収穫の季節を迎えます。

去年から実は活動先のアソシエーションの女性たちから、「オリーブオイルを使った石鹸作りの仕方を教えてほしい」と言われていたので、前からオリーブの収穫の季節に合わせて、石鹸作りの実践をやろうと思っていました。

ただ、石鹸作りをするには危険物である苛性ソーダを使ったりすることなどもあって、1人でつたないアラビア語を使って実演するのは不安だったので、去年から行っているエルラシディアグループ型派遣の活動の一環として、エルラシディア県内で活動する他のJICAボランティアにも手伝ってもらって、実演することになりました。

土日の両日を利用して、JICAボランティア4人と配属先である教育省のボランティア担当者で協力して、活動先である2つのアソシエーションにて実演を行いました。

実演に必要な道具は、今後ボランティがいなくても自分たちだけで出来るように継続性を考えて、できるだけアソシエーションの人たちに用意してもらいました。でも、ちゃんと女性たちがその道具を全て持ってくるかが心配でした・・・。

当日アソシエーションに行ったら、案の定伝えていた道具は全て揃っていなかったので、近くに住むメンバーから道具を持って来てもらったりして、なんとか全て道具は揃い、参加するメンバーも大体揃ったので、実演開始!


石鹸作りの説明は教育省のボランティア担当者にやってもらって、作業のフォローはボランティアがやったのですが、言語的な壁もあったりして、なかなかこちらの意図がうまく伝わらなかったりした部分もあったけど、とりあえずなんとか石鹸作りは出来ました・・・!

夏に試験的に隊員だけで実践してみたときは、わりとうまく固まった石鹸だったけど、今回は冬にやったということもあって、あまりうまく固まらなかったという事態もあり、全てはうまくいかなかったのがちょっと残念だったけど、女性たちが学びたいと言っていた石鹸作りの方法を学んで、今後も自分たちで作りたいかどうかはまた後日判断してもらえればいいなと思います。

それは、現金収入向上のための商品開発でもいいし、自分たちが家で使うためでも何でもいい。何か新しいことを学んで、それが彼女たちの喜びや何か新しい発見につながるきっかけを与えることができたならば、それはそれでいいかなと思います。

あと、欲を言えば、集落の小学校で手洗いの仕方を教える学校保健の授業もやっているので、今後はアソシエーションと学校が連携して、女性たちが作った石鹸が学校の子どもたちの手洗い用に配られたらいいのになー、なんて勝手に思ってます。「この石鹸、私/僕のお母さんが作ったんだよー!」なんて子どもたちが言って、手洗いを学校でできたらいいじゃないですか・・・!まあでもここまでつなげるのはもう少し先のことかなあ・・・。

ちなみに、石鹸作り以外にもこの活動では牛乳パックを利用したリサイクルペーパー作りも実演しました。



リサイクルペーパー作りは、教えてほしいというニーズがあった活動ではなかったけど、今後例えば商品のラベルとして使ったり、商品として開発することの可能性を探るためにも、実演してみました。その他にも、環境教育の一環として子どもたちを対象にやっても面白いので、試験的な意味も込めてアソシエーションの人たちにやり方を教えました。

これは石鹸作りよりも簡単なので、みんなリラックスして和気あいあいながらやってました!

2日間ずっと働きっぱなしでかなり疲れる週末でしたが、エルラシディアグループ派遣賛同のボランティアたちと、教育省のボランティア担当者の協力のおかげもあって、特に大きな問題もなく、この週末の活動を終えることができました!支えてくれた人たちみんなに感謝です。そして、石鹸作りやリサイクルペーパー作りを学んだ今後の女性たちの動きがどうなるか楽しみです・・・。

2014/12/24

オリーブの季節 / A season of olives

去年も同じようなタイトルで書きましたが、私の住むモロッコ南東部では、毎年12月にオリーブ収穫の季節を迎えます。

今年は12月中旬に収穫の季節を迎えて、収穫の季節には家族総出でオリーブの収穫に行きます。オリーブの木をどれくらい所有しているか、そしてその年はどれくらい実が生ったかにもよりますが、収穫は2日〜1週間くらいで終わるようです。

収穫の季節になると、グルミマの集落では子どもから大人までが、長い棒を持ってオリーブの木を叩いて、木になっている実を落とす姿、そしてそれを必死に拾う姿が見られます。

そして収穫した実をオリーブオイルにするために、オイルを作る工場に持ち込んだり、この時だけ至る道端に出没するオリーブを買う業者(?)へ持って行って、お金にしているようです。

オリーブの海! 
オリーブを売買するおじさん。
オリーブの写真撮っていたら、オレも撮ってくれって言い出した、笑。 
こんな人たちがこの季節になると道端にたくさんいる

去年の投稿にも書きましたが、私の活動先近くにあるオリーブオイルを作っている工場は、今年もいろんな人がオリーブを持ち込んではそれをオイルにして・・・と忙しそうに稼働していました。
ここにオリーブを突っ込んで、ぐるぐるまわしてつぶして・・・
これで圧をかけてつぶして、再度上のグルグルの機械でつぶす
工場の裏庭。この黒いのは全部オリーブ!
こうやってみると、なんか可愛い☆

この季節は、一緒に活動している手芸グループの女性たちも収穫で忙しくなるので、アソシエーションには一時的に来なくなります。今年は私にとってオリーブ収穫を体験できる最後のチャンスなので、いつもお世話になっているリーダーのお家にいって、彼女たちの家族の収穫に半日だけ同行してきました。

去年と同様、長い棒を使ってオリーブの木を叩いて実を落とすのですが、高いところにある届きにくい実をとるには、主に男性や子どもが木に登って枝をゆすったり、枝を叩いて落とします。
こちらはムスタファくん。
器用に実を落としていきます。

私も参戦しなければ!と思って、棒を振ってオリーブを落とすけど、慣れない仕事なので、すぐに腕が痛くなるし、なかなかオリーブも落ちない・・・笑。

でも、天気はいいし、ちょうど夕暮れ前の弱くなったお陽さまがとっても綺麗で、それだけでもなんだかいい気分になります。

そして落ちた実を全部拾うんですが、これもずっと前屈みの作業なので若干疲れます・・・。みんなで協力して実を拾ったら、今度はオリーブを全部まとめるんですが、そのときに面白い光景を発見・・・。

なんと次男のムスタファが、ビニールシートを大きく広げた三女のマリアムに向ってオリーブを投げている・・・!そんなたいした距離じゃないのに、なんで手渡しせずに投げるんだろう・・・と不思議に思っていたら、どうやらこれはオリーブの実と一緒に拾ってしまった枝や葉っぱをとるための作業だということがわかりました・・!

重いオリーブは投げると飛びますが、軽い枝とか葉っぱは手前で落ちるので、それを利用して、投げられた実のみがビニールシートに落ちる、という仕組みなのです!
オリーブを投げるムスタファ!

それをキャッチするビニールシート

そして、作業が終わったら道具や収穫したオリーブを家庭用のロバくんに思いっきり乗っけて、家に帰ります。
ロバくんも大変だ・・・

お家に帰ったら、いつも通りに可愛いらしいボシャルウィットのラグに囲まれたリビングにて、温かいお茶(アタイ)を楽しんで、そして私は帰宅したのでした。

このような、家族総出での収穫の共同作業ってなかなか日本ではもう味わえなくなってますよね。改めて、モロッコの家族の絆の深さっていうか、家族の大切さを実感させてもらった日でした。

2014/12/22

小学校での活動 / Activities at a primary school

こんにちは。活動が忙しくてしばらくブログを更新できないままでいました。

実は先月の終わり頃から、グルミマの中心地にあるある小学校で活動を始めました。
きっかけは、隣町エルラシディアにて養護の活動をしている隊員Rちゃんが、この学校にある特別支援教室で月に1度活動し始めたこと。彼女の活動を見にこの学校に行ったとき、学校の生徒用のトイレがあまりにも汚かったので、校長にそれを伝えて、過去の隊員が作った学校保健用の教材があるので、それを使ってトイレの使い方や手洗いの仕方、歯磨きの仕方などを指導したらどうかと提案しました。(詳細はこちらの投稿を参照。)
この写真を撮ったときはなかったけど、
以前はウ●コが便器じゃないところにいくつか転がっていた。

校長先生はとてもやる気のある人で、「是非やってほしい」と言って、私の配属先の教育省に許可をとってくれて、私がその学校で活動できるようになったのです。

まずはトイレの使い方、手洗いの仕方、歯磨きの仕方のレクチャーを低学年を中心にやりました。説明は私のアラビア語じゃ子どもたちに上手く伝わらないので、担任の先生たちにやってもらいました。先生によってはぱぱっと説明を終わらしてしまう人もいるし、すごく丁寧で熱心に説明してくれたりする人もいましたが、とりあえず廻れるだけのクラスは廻りました。

以前来たときに気づいたのは、トイレに水を流すためのバケツがないこと!そりゃあバケツなかったら汚物も流せないから、便器や便器じゃないところに転がってるのもわからなくないなーといった感じでした。なので、学校側には、ペットボトルの上の部分を切り落としたバケツを用意することを提案したんですが、なんと早速翌日にはトイレの全ての個室に用意されてて、おまけにトイレも清掃されていました!

ただ、これが数週間後にもう一度トイレを見に行ったら、バケツが数個なくなっている・・・。そしてウ●コもなくて綺麗になっていたトイレの横にはウ●コが1個転がっている・・・。学校側は、バケツには今後紐をつけて水道の蛇口に括り付けるとのことでした。まあなかなかすぐは変化しないけど、徐々にやっていくしかないですね。
過去の隊員が作った手洗いの仕方のポスターを校長に渡したら、
早速全部の教室と水道に貼られていた。
貼ってくれたのはいいが、子どもたちがこれを見て
実践してくれればいいんだけど。

とりあえず学校保健はざっとやった感が拭いきれないけど、校長曰く全部のクラスを廻った(←私としてはまだ見たことのない生徒もいたので、全部は廻っていない気がするけど・・)ので、校長が「次はどんなアクティビティをやってくれるんだい??」と、新しい活動を期待して私に聞いてくる・・・。

なので、とりあえずいくつか私ができる活動を紹介して話し合った結果、「じゃあ全部やってほしい!」ということになり、まずは日本文化紹介を全クラスで行うことに。

以前行った日本文化紹介で使ったパワポがあったので、それをちょっと小学生向けに編集して、パワポの後には古新聞で兜を一緒に作る、1時間のプログラムをすることにしました。

今週は既に4〜5クラスで日本紹介のアクティビティをやったのですが、子どもたちの反応はとても良い!ビデオも交えたパワポでは一生懸命聞いてくれて、特に「四季」や「自然」の写真やビデオでは子どもたちが「わあ〜!」と言って反応がいいです。あと、以外に人気があったのは、ちょっとだけの日本語紹介(とはいっても、小学生相手なので挨拶のみ。)高学年のクラスでは、子どもたちが一生懸命ノートにメモしてくれて、嬉しくなりました。

でもやっぱり一番反応がいいのは、兜づくり!!あまりにも子どもたちが元気で自己主張が強いんで(「私のも見て!」とか「私にも教えて!」みたいな)、30人程の生徒の前で兜を教えるのはちょっと大変ですが、出来たときの子どもたちの顔は本当にキラキラしている!何も言ってないのに、兜に色を塗ってカラフルにしたり、「僕/私の名前、日本語で書いてー!」と言って自分で作った兜を出してくるし、本当に子どもたちの素直な反応には、こっちも嬉しくなります。

授業が終わってからも、兜を誇らしげにかぶって、迎えに来ている親のもとへ向う子どもたちが印象的でした。
モロッコの子どもたちって本当に可愛い・・・

子どもたちにはどれだけ日本紹介の授業が印象に残ったか分からないけど、「そういえばあの時日本って言う国から来たボランティアがいたなー」ってちょっと振り返ってもらったり、グルミマのような田舎の町だと、外国の文化や外国人に触れる機会もほとんどないから、少しは子どもたちにとってちょっとだけ異文化を体験できる機会を与えられたのなら、それだけでも嬉しいなと思います。

最近では、学校に入るとどこからともなく日頃のアラビア語やフランス語の挨拶以外にも、「アラター!」や「コンニチハー!」が聞こえ、あっという間に子どもたちが寄って来てほっぺにチューをしてくるので、可愛いもんです。子どもたちから笑顔と元気をもらう毎日です。